2023年12月20日水曜日

テレビドラマ「ザ・クラウン」

 6シーズンに分けて放映された、その一番最後が『ギヴァー』の大きなテーマの一つである「記憶」と関連していたので紹介します。(そういえば、このドラマ全体が「記憶」で書かれていたことは言うまでもありません!)

青年期はクレア・フォイ(シーズン1~2)、壮年期はオリヴィア・コールマン(シーズン3~4)、そして老年期はイメルダ・スタウントン(シーズン5~6)の3人の女優によって演じ分けられていました。

 シリーズ6の最後は、チャールズ現国王のカミラ夫人との再婚式があった2005年頃に設定されていました。このころ自身の即位50年の記念式典があり、死んだときのために「プロジェクト・ロンドンブリッジ」の名の元、どのような式典にするかが計画されていたこともあり、自分の過去と王家の未来について考えることが多かったのでしょう。

 設定としては、息子チャールズの再婚式で自分が書いたスピーチを読むというものでした。その内容を書くために、現女王が過去の二人の女王と対話するというおもしろい形で描かれていたのです。壮年期の女王は、「もう年なんだから息子に王位を譲っては」と説得します。現女王は、それに納得し、王位継承を宣言する旨スピーチに書き込みます。しかし、青年期の女王は、「あなたは死ぬまで女王であるべきよ」と説得します。結果的に、現女王は青年期の女王のアドバイスを選択した形で、スピーチ直前に王位継承宣言の部分を削除しました。

 

 記憶がない(記憶の存在を許さない)ギヴァーのコミュニティーでは、このような一人の人間のなかでのやり取りもないことを意味しています! (それはそれで、いいことなのでしょうか?)

 

 一方で、このようなドキュメンタリータッチのドラマがつくられ、放映され、そして全世界で見られてしまうのがイギリス(そして、イギリスの王室)なのだな~とも思わされました。日本では、あと何十年、何百年かかるでしょうか?(日本の王室はおもしろくもないので、ドラマにもならないのかもしれませんが。知らされていないだけで、たくさんのおもしろいストーリーがあるのかもしれません。)

 

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