ついに「ザ・ギバー」のブック・クラブ最終回(全4回)の報告です。
衝撃のラストシーンを読み終えた子どもたちの読み、
そして、最後の話し合いを終えた後の振り返りをじっくりお読みください。
かなり長いです。
(順番はいつものとおりですので、変容をみてください)
**********************************
~思ったこと・感想~
ジョーナスのお父さん、ひどい!! 思ったよりいい人じゃなかった。でも、この本の中の世界は、そうしなければいけないんだと思う。いけないっていうか、するのが当たり前(?)になってしまって、しょうがないことだと思っているんだと思う。それに、最後<いずこ>へ到達したんだろうけど、<いずこ>が今の私たち人間が住んでいるこの世界なのかなぁ。裏表紙の絵は、いずこに着いたときの絵??
~質問~
・ギバー(記憶を伝える者)は1人で大丈夫??
・新しい記憶を受けつぐ者はいない?
・いずこにはどんな人がいる?
・ゲイブリエルとジョーナスが<いずこ>に着いた後は…?どうなるか?
・ロイス・ローリーが言いたかったことは?
・<いずこ>はコミュニティーなの?
・父や母がいるコミュニティーには戻れない?戻れなくてさびしくない?
・<いずこ>とコミュニティー、どっちが幸せ?
・なんでリリースされたら<いずこ>へ送られるの?
~本を読んでわかった(?)・感じたこと~
<いずこ>っていうのは、きっと今の私たちが住んでいる場所みたいなところなんだろうなってこと。きっとコミュニティーにいることがいやになったことでリリースしてもらって、今の私たちの世界のような場所に来ることで、コミュニティーよりも<いずこ>にいたいって思ったんだと思う。(リリースされただれもが)だって、もし<いずこ>より、コミュニティーのほうがいいと思ったら、コミュニティーに戻ってくるはずだから。つまり…
↓
~自分の考え~
私たち人間は、コミュニティーのような「争いははいけど強制された世界」よりも、「争いはあるけど自由な世界」を選んだのだと思う。それで…
↓
人々は「せっかくこの世界を選んだのだから、争いもなくせばサイコーの世界になる」と思って争いをなくすことを目指したんじゃないかな。でも…
↓
まだそんな理想の世界にはなっていない。戦争をしようとする人や殺人をしたりする人はきっとリリースされるのが早かったわけではなく、人間の目標を見失っているんだ。そんな人が一人でもいたら、きっと理想の世界にはできない。だから一刻も早く伝えなくちゃ!人間の目標を見失った人たちに。
~個人目標についてのふり返り~
見て楽しいノートにすることはできた。イラストも入れたし、良かったと思う。あと、話し合っているときも、ザ・ギバーの話になっていない時があったけど、でもその話題は何かしら、本の内容やジョーナスの言動につながっていたから良かったと思うし、すぐに本の内容に戻ることができた。正直な感想だと、最後の2回はあんまり楽しくなかった。だから、そこは次の課題にしたい。
~チームの目標についてのふり返り~
「話をそらさない」っていう目標は、きっと達成してたと思う。あと、「しゃべらない時間がないようにする」っていうのは、最初の2回の話し合いの方ができていたと思う。三回目と四回目は、けっこう内容が深まっていて、考えていたからしょうがないと思う。「時間を意識する」っていう目標は、半分達成で、半分ダメって感じだと思う。意識した時もあったし、していない時もあったから。ちなみに今日は、まぁできたかな?っていう感じ。
~今日の話し合い~
今日はそれぞれが思っていた結末とちがって、自分だけがジョーナスは生きていると思っていて、少しさびしい気がしたし、不安になった。それであまりしゃべらなくなったり、ちょっとしゃべる勇気がいつもより出なかったような気がした。少しは自分の意見も言ったけど、聞いてうなずく方が多かった。だから多分、今日の話し合いがあまり楽しくなかったんだと思う。今日はいつもに比べて、あまり盛り上がらなかった。次からは反対意見も言えるように、負けないようにする。
~本の内容のふり返り~
ジョーナスは最後、いずこに着いたってことなのか? 私は村の人たちの歌声が聞こえたって書いてあったから、着いたんだろうとは思ったけど、でも最後に「空耳だったのかもしれない」みたいな内容が書いてあったから、私以外のみんなが言ったように、ジョーナスが死んで、「いずこ」に着いたってことなのかな~?とも思った。なんかよく分からない終わり方だったけど、でもそれがきっと読者を引き込ませて、考えさせるってことだと思う。ジョーナスってすごい勇気がある。私はちょっと「いずこ」に挑戦したいなぁ…って思うんだけど、そこで終わるタイプだな…と思った。きっと私はジョーナスのように実行にはうつせない。
私の予想だった、画一化の取り消しははずれてしまった。ジョーナスの記憶って、コミュニティーの人々にふりかかったのかなぁ 今、私たちのもっている記憶は、ジョーナスから与えられたものだったりして…。やっぱり人類は、平和と幸せを共存させるべきなんだ。そのために記憶をもっているんだ。あっ、コミュニティーの人たちは、ジョーナスの記憶がばらかまれて、そのジョーナスの記憶を受けついだってことなんだったら、今私たちの記憶にあるものは、ジョーナスからもらったものってことでもおかしくない!!
****************************
~感想~
いやぁ、すごい。本当にいろんなことを考えさせられる。あと、リリースの意味がわかったときは悲しくなった。自分のお父さんが、1人の人間の命をうばったなんて知ったら、うちはすごくお父さんをうらむと思うし、自分もいずれそういうことになると思うとつらい。うちは、いずこはすごく楽しい世界って想像していたけれど、ちがうんだろうなぁ。
~ジョーナスの今後は?~
たぶんジョーナスは、いずこに行ってしまったから死ぬと思う。そして、記憶はばらまかれてしまう。
~コミュニティーのその後は?~
ばらまかれた記憶のせいで、みんなが苦しむ。でもみんな、ザ・ギバーの教えとかで、だんだん記憶を受け入れていく。そして、ついにジョーナスが望んだ、色があり、日差しがあり、感情があり、愛がある世界になる。
~この本のテーマ&作者の言いたかったことは??~
テーマは…、いろいろあると思う。「本当の幸せ」とか、「平和」とか、「未来」とか。それで作者が言いたかったことは、「本当の幸せとは、自分らしく生き、愛がある人生にすること」みたいな感じかなぁ。あと、「すべての記憶で私たちはできている」みたいな。
~この本を読んで思ったこと~
この本を読んで、本当の幸せについて考えさせられた。それと思ったのが、「平和と自由が一緒になる世界は、難しいけれど、そういう努力をやめちゃいけないんだな」って。「私達がこれから、この世界を平和と自由の世界にしなきゃいけないんだな」って。
~ちょっと気になったこと~
表紙の人はギバーなのかなぁ。もしそうだったら、うちはギバーってもっとやさしそうな人だと思ったけど…。
~ジョーナスの運命について~
ジョーナスは最後なんかいい感じで終わったけど、やっぱりいずこに行ったんだから死ぬ。死ぬ=不幸? でも、最後にみんなのためにそういうことをやって幸せなのかなぁ? でもうちだったらムリだなぁ。
~いずこはどんな世界だった?~
たぶん霊界みたいなもんだと思う。霊界をいずこって言ってるだけ。だって、リリースも死刑(?)みたいなものなのに、わざわざかっこつけて、リリースとか言っちゃってるし。
~ふり返り~
今日は最後の話し合いだったので、すごく深く話し合いたいなぁーと思っていたので、一つの話をけっこう長く話した。チームの目標は全部OKだと思う。あ、でも時間を見るはビミョーだったかなぁ。チャイムで、「あっ!」っと気付く感じだった。うちは日常生活でも時間を気にしないでずっと本を読んでいて、言われて気が付くとか、ご飯のときしゃべっていて、気が付いたら一番最後とかが多いので、時間もう少し気にします(笑)
自分の目標は、書き方と読み方はまあまあで、話し合いは積極的にしゃべっていたので(ていうか、しゃべりすぎた!?)よかった。でも、今度の文サーの時には、「聞く」のを目標にしたいなぁ。
話し合いの内容は、いずこはどんな場所なのか?とか。いずこはうちは霊界みたいなところかなぁと思っていたけれど、○○ちゃんは、「今の世界みたいなところ」と言っていた。なんでうちがいずこは霊界って思ったかと言うと、「リリースされるといずこに行く」みたいに書いてあったし、(リリースは死ぬってことだから、死んだ人がいずこに行くみたいな)最後の歌とか灯りとかは幻かくだったんじゃ…。だって前に、「人は死ぬ前に今までの記憶をすべて思い出す」ってテレビで見たことがあるから。あれは、ジョーナスがギバーから受けついだ記憶が見えているだけだから、ジョーナスは死ぬと思った。でも、○○ちゃんの意見を聞いて、ジョーナスは進んでいくうちに鳥とか見たから、いずこはコミュニティーの外の今みたいな世界なのかなぁとも思えてきた。つまりジョーナスは生きている?どっちなのかなぁ?
あと、△△ちゃんが言っていて印象に残ったのは、「ジョーナスみたいに鳥とか雪とか見て死ぬのと(死ぬ場合)、他の人みたいに、何も知らずに一生過ごして死ぬのとどっちがいい?」って聞かれたこと。これはかなり迷う。だってジョーナス12才だよ!? 同い年だよ…。うちは今死ぬのはやだ。でもコミュニティーにいて、一生決められた人生もやだ。でも知らないんだったら…(鳥とか愛とか色とかをうちが)コミュニティーで過ごすかな。だって死ぬのはこわいもん…。うーん、むずかしい。
あと、テーマは、「いろいろだねぇ」とみんな言ってた。自由とか平和とか幸せとか愛とか…。作者が言いたかったことは、「愛とか自分らしさがある世界に生きるのが幸せ」とか、「すべての記憶で私たちは成り立っている」かな。なんかよくわからない。でもこの話を読んで、私達はこの世界を平和にするためにがんばらなくちゃーと思った。
*******************************
クエスチョナー~
・今ごろだけど、何でギバーだけ特別扱いなの?
・非公開なのに、何で非公開記録所があるの?必要ないんじゃない?
・ふたごの一人をまぎらわしいからって何で殺さなきゃいけないの?人を殺しても何も感じないの?
・そもそもこのような規則をつくり、国?をおさめたのは何のため?
・著者ロイス・ローリーさんが伝えたかったことって何なのだろう?
~コネクター~
もしかしてギバーの世界みたいに、この世界にも私のふたごがいるとか…? ふたごとかいっぱいいてもいいんじゃない?楽しいじゃん!! あっ、でも、「カザリとヨーコ」みたいになっても困るけど…。
~思ったこと~
どんなことをしてでも。やっぱり殺すのはおかしい。しかも注射一本で。しかも老人は、それが光栄なことだと思っているのだから、おかしい。死ぬ前に殺すなんて、墓がないなんて、感情がないなんて、何もかもがおかしい。やっぱりおかしい。いくら考えてもおかしい。
~最後にすべて読み終わって~
あっと言う間だった。まさかこんな終わり方だとは思ってなかった。ジョーナスは12才になって、記憶を受けつぐ者になって…続編があるとしたら、ジョーナスはどうなっているのだろうか?
~ふり返り~
個人個人、みんなで話し合っていたと思う。私は今までより話したいことはきちんと話せたと思う。チームでも、話と話の間に、1、2秒あったかなかったかというくらいだった。なのに、5分間話をしたくらいの気持ちだった。リリース=殺し&死、いずこ、気持ち、感情、そして最後には記憶。いずこは本当は何? ジョーナスは死んじゃったの? コミュニティーはどうなった? まだ解決できていないことはたくさんある。
そして、最後は著者は何を言いたかったのだろう? 「幸せ」?「死」?「平和」?「心」?「感情」?「愛」?それとも、今の世界とその世界を比べさたかった? ジョーナスはたぶんこれで幸せだったと思う。というか、死んだのか、生きているのか。でもやっぱり一番疑問なのが、表紙の人だれ?絵?写真? それをあとがきを読んで知りたい。
第4回だったので、集中して読みたかったから、ふせんは15枚しか書いてないけど、内容は覚えている。
いつか大人になったら、大人風の読み方をして、もう一回読んでみたいと思う。
******************************
~思ったこと~
ジョーナスはコミュニティーからこっそりぬけ出して、ゲイブリエルと一緒に自由の身になったけど、外は寒くて食べ物がなかった。そんなつらいときに、コミュニティーにもどりたい、そっちのほうがよかったって後悔したのか、それともちがうのか、それはジョーナスだけしかわからないけど、自分は絶対自由の身になった時だと思う。だってそれがふつうの(本来の)生き方で、コミュニティーがまちがいなんだから。ジョーナスはふつうの「人間」や「人」にもどったんだと思う。あと、もうこの世界には、動物はいないと思っていたけど、いたんだぁと思った。
~クエスチョナー~
ジョーナスとゲイブリエルは死んじゃったの? 最後の、「だが、それはただのこだまにすぎなかったのかもしれない」のところがあやしい。寒くて死んじゃったのか? それとも「いずこ」は本当にあって、そこにたどりついて、幸せに暮らしたのか? それか、たどりつく前に死んじゃったのか…?というか、「いずこ」って、死の世界? なんなの? 結局わからなかった気がする。(最後の文いらないよ! ハッピーエンドにしてほしかった!)
~エクスペクター~
ジョーナスは、記憶を伝える者と一緒に、この世界を変えて、10年後くらいにギバーが死んで、ジョーナスは(外国風の)おそうしきをして、ゲイブリエルを後つぎにするためにがんばっていくっていうハッピーエンドの話かと思ってたけど、終わり方が変な感じで、ハッピーエンドじゃなかった。なんだこれ…?みたいな終わり方。ハッピーエンドがいい!って最初は思ったけど、ジョーナスは幸せだったの? 報われた? 最後の場面、どうしてこんな終わり方にしたのか、話し合いたい。
~ふり返り~
個人、チームの目標は、完ぺきといっていいほどよくできたと思う。みんな真剣に話し合えたし、時間も気にして、笑いもあった! すごく楽しくて集中できた話し合いだった。とっても楽しくほりさげられた。
本の内容については、最後は自分だけ意見がちがっていてあせった。3対1って感じ?とまどった。私は「テーマ」ついて話し合ったときに、いろいろありすぎて混乱した。だから、一つにまとめて、「世界」にした。幸せや平和をつきつめたらコミュニティーの世界になって、そうじゃなかったら、いまだに戦争があるこの世界になっていて、きっと作者は考えて迷ったと思う。だから読者に、「私たちが本当に求めているイイ世界ってどんな世界? 私たちは何に向かっていけばいいの?」と問いかけているんじゃないかなぁと思う。
私も考えた。むずかしい。なので、素ぼく???に、「平和・幸せ・愛」でいいと思う。「世の中の幸せ」じゃなくて、今の世界の中でのちょっとした幸せ=平和、なんじゃないかなぁーと思う。何かを拾ってもらって、「ありがとう」「どういたしまして」みたいな。戦争は、ただやめればいいことじゃん。(なんでそれができないかが不思議) 戦争したいんなら、ゲームとかでやればいいじゃん。国同士の大きな事だとしても。そこが戦争することのよくわかんないところ。で、愛は生まれつきあるじゃん。親とかの愛(家族愛)で、生まれつきあるじゃん。だからそれだけで十分だと思う。コミュニティーの世界と今の世界、どっちがよくてどっちが悪いとか関係ないじゃん? 「平和と幸せと愛」に気付かされた本でした。おもしろかったです。
**********************************
最後の子は、一段先に行ってしまいました。
約ひと月あまり、子どもたちはよく読み、よく書き、よく話し合いました。
そのがんばりに脱帽です。
「ザ・ギバー」という本のもつ力も再認識しました。
この本は秀逸です。
1月に出る新訳本が楽しみです。
KAIさん、4回にわたって克明な記録、
返信削除ありがとうございました。
思い出さないといけないのは、これは
小学校6年生のブック・クラブでの
話し合い、ということ。
こういうレベルの高いというか、内容
のある話し合いができてしまう、という
こと!
従来の国語の授業の仕方が、こういう
のを阻害している気がしてきました!!