★本ブログへのご意見・ご感想などは giverprojectjapan@gmail.com までどうぞ。


2016年11月29日火曜日

私たちは進化しているのか、それとも退化しているのか


これは、間違いなく『ギヴァー』のテーマの一つだと思います。

ギヴァーのコミュニティーは、近未来の社会は描いていると思います。
良かれと思っていろいろしたことが、結果的にそうはなっていない・・・・

似たようなことを、身近に体験したので紹介します。

一つは日々の暮らしに不可欠な給湯器を昨日替えました。
19年以上ももったのですが、寒いと自動的に停止してしまうので、いよいよ寿命と思って取り替えました。
いろいろな機能が追加されているのはいいのですが、工事をしてくれた人に、「これじゃ、19年はもちませんね?」と尋ねたところ、「はい、いいところ、10年です」という答えが戻ってきました。
生産者も、シンプルで壊れにくいのでは、儲からないので、機能を豪華にして(私が思うに、ほとんど必要ないものばかりなのですが!)、早く壊れて交換してもらうようにしたとしか思えませんでした。

もう一つは、翻訳出版には仲介をするエージェントというのが欠かせません。昔、洋書が手に入りにくい時代なら、こういうのが存在するのも致し方ないのかな、と思いますが、いまやクリック一つですぐに読める時代です。日本の出版社にも、英語でコミュニケーションがとれるスタッフは増えており、そういう仲介者の世話にならなくとも、直に版権をもっている相手の出版社(ないし出版社が使っているエージェント)とやり取りができる時代です(メールや電話で)。
しかし、そんな時代であるにもかかわらず、一方で「アウト・ソーシング」の方がいいということもあり、3か月、4か月とその仲介エージェントの返事がないというだけで、プロジェクトは止まったままということが、いま続いています。
そういう真っ只中にいる編集者を含めたスタッフたちは、自分が極めておかしな状況の中にいるということを気づけないようです。


皆さんが体験している「進化か、退化か」の事例を教えてください。


2016年11月2日水曜日

『ギヴァー』と関連のある本 116 


 タイトルは、『見えない糸』ローラ・シュロフ著(海と月社)。
サブタイトルは、「物乞いの少年とキャリアウーマンの小さな奇跡の物語」です。
実際にあったお話です。

『ギヴァー』の中のジョナスとガブリエル、あるいはギヴァーとジョナスの関係とよく似ていると思いました。

「友だち」とは、「家族」とは、を考えさせてくれる本です。

そして教育者ではなくても(教えなくても)、たくさんのことを学んで、自分のものにしてもらうことができることも(=教師ではなくても、教育はできることも)。★

たとえば、ケーキを一緒に作ることで、たばこやドラッグやお酒など頭と身体に悪いものについて話すことで、なぜ小銭を大きなビンに集めるのかという理由を話すことで、そして将来について話し合うことで。そして、いい体験をいろいろ一緒にすることで。

★ 逆に言えば、たくさん教えても、子どもたちが学びもしないし、自分のものにもできないことを、学校ではしている気がしないではありません(教師という役割をもっていても、教育は必ずしもできないことが)。そのベースにあるのは、「関係」以外の何物でもない気がします。