柚月裕子さんの「佐方貞人」シリーズを読んで面白いので、他の本を読み始め、『慈雨』に出会いました。
『ギヴァー』との関連で見いだした一節を紹介します(数字は、ページ数です)。
133 人生は不条理なものだ。人は自分の意思とは関係なくこの世に生を享け、産み落とされる。人に、生まれる場所や時代の選択権はない。まして、親を選ぶことなどできない。生まれながらにして不幸を背負わされている者もいれば、誰の目から見ても幸福が約束された環境に生まれる者もいる。世は理不尽だ・・・・
173 「人生はお天気とおんなじ、晴れるときもあれば、ひどい嵐のときもある。それは、お大尽さまも、私みたいな田舎の年寄りもおんなじ。人の力じゃどうにもできんけんね。ほんでね、ずっと晴れとっても、人生はようないんよ。日照りが続いたら干ばつになるんやし、雨が続いたら洪水になりよるけんね。晴れの日と雨の日が、おんなじくらいがちょうどええんよ。
174 鶴が言いたいことはわかる(なんと、発言者の名前は「千羽鶴」さん。結婚した相手が「船場」ではなく、たまたま「千羽」だった!!)。人の幸、不幸は他人にはわからない。周りから見て幸せそうに見える人にも、人知らず抱えている悩みがあることは、この歳になれば知っている。自分の人生に満足している人間や、悔いがない者などいないと思う・・・・
これからもまだ数冊、柚月裕子さんの本を読んでみます。