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2009年10月29日木曜日

小6のブッククラブ、始まりました。

先週の水曜日に、文学サークル(ブック・クラブ)の第一回目の話し合いがありました。今日は、その中の、「ザ・ギバー」を読んだ子達の読みと振り返りを紹介します。今回は、全体の4分の1、70ページくらいまで読んでの話し合いです。
「ザ・ギバー」復刊プロジェクトの一助にでもなればいいです。
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 「家族」も本物の母親が子供を産んで育てたわけでもないし、だれもが○歳になると、ポケットが付いたり、ボタンが変わったり、全部が決まっていて気持ち悪いと思った。なんでそこまで強制的に決められているの? しかも、「コミュニティ」だとか「家族ユニット」だとか、なんでそこまで、「良すぎる社会」を目指さなければならないの? もしすべての人が、同じ考えになったら、とてもつまらないと思う。おもしろいことを言う人もいなければ、話し合いをしたとしても、反論する人がいないから、話し合いをする意味もなくなってしまうから。 私はこんな世界に住みたくない。自分がやりたいこともできないし、一見、平和でユートピアみたいな印象があるけれど、そんなところじゃふざけあっても怒られるだけだし、絶対つまらないと思う。きっと筆者は戦争などが起きている現代に、「ユートピア」のような場所の話を読ませることで、「戦争なんてしても何の意味もない」と思ってほしかったんだろうなぁ、なんて思います。ジョーナスはきっとこの本の中の世界を変えてくれる!! 今日、第一回目の話し合いで特に話題になったのは、「いずこ」の場所と「リリース」の意味についてでした。私はリリースされたら、安楽死みたいになって殺されてしまうんじゃないか?と思った。少しミスしたり間違えただけでリリースされてまうのは、おかしいと思う。人間で、間違えない人はいないわけだし、じゃあ、リリースを決定した委員会の人は、「私は一生に一度もミスをおかしたり間違えたりしていません」って断言できるの?と思った。 ユートピアっぽく見えるけど、実はそんなんじゃないと思う。ささいな行動でも全て法律で決まっているし、職業だってみんな委員会から決められているし、とてもつまんなくてサイアクだと思った。でも、こんな世界になったのも、きっと人間のせいなんだろうと思う。「いずこ」についても、私は死んでから行く場所だって思ったけど、ブラックホールみたいななやみの世界だろうっていう人もいた。 目標に対しての自分の行動について、私ができたなぁと思ったことは、時間を意識すること。「あと10分くらい」とか言ったから。あと、話し合いも途中で止まらなかったし、とてもいい話し合いだったと思う。(A子さん)

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 今日は初めてだったから、きんちょうするかと思ったけど、すごくいいふんい気だったから、きんちょうしないでリラックスしてしゃべれた。 特に話し合ったのは、「リリースとは何か」と「いずこってどこ?」だった。私ははじめ、リリースは殺されることだと思っていたけれど、話してみたらちがうと思ってきた。なぜなら、○○が、「「喪失ではない」って書いてあるよ」と言ったのと、●●ちゃんと▲▲ちゃんが「うれしそうにしていたよ(ロベルトはリリースされるときに)」と言ったから。そこで、「リリース」の意味を考えた。「はなす」って●●ちゃんが言っていたので、「この世界からはなす」ってことなのかなーと思った。 「いずこ」っていうのは、他の世界だと思う。「無の世界」とか「闇の世界」みたいな。もしくは宇宙?よくわからない・・・。 あと、どうしてこんなに規則があるのかとかも話した。うちは、人に悪いことをさせないようにと、人類が考えた世界だと思う。未来には、こんなことになってるんじゃないかなぁ? あと、文句をたくさん言った(笑) こんな世界絶対やだー! すべてが決められてるってつまんない! どうしてこんな世界になっちゃったんだろう? 今日は集中して話し合えたのでよかった。改善したいところは、話が、「リーブ21」とか言ってそれちゃんたので、話しをそらさない。いい話し合いだったと思う! 次回もいい話し合いにしたい。(B子さん)
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 私は絶対この世界には行きたくない。家族ユニットは、血がつながっていないのに、なぜ家族と呼べる? この世界の人たちは本当に幸せなの? メンバーもはじめてのメンバーだったからきんちょうした。だけど、話も止まることはなかったし、すごい楽しい話し合いだったと思う。ノートも少し参考にしながら、思ったことをどんどん言って、一人一人がきちんと話せていたと思う。 キーワードを話し合って、最終的には、記憶を伝えるもの、ギバーって???となった。本当にギバーってなんなのだろう。「いずこ」に行った人は? リリースされた人は?どうなった? ちょっとそれたけれど、●●ちゃんのアデランスはおもしろかった。 少しざんこくだけど・・・規則規則っていって、本当に楽しいのだろうか・・・。(C子さん)
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 SFって、UFOとかタイムマシンとか、そういう感じのイメージが強かったけど、ふだんよくあるあるような生活の中でのSFだったから、どういうことが現実と違うのかわからなくて、読んでいるときは先が早く知りたかった。 読んでいるうちにわかったことは、なんでも全部決められているということだった。職業も子供の数も食事も歳も全部決められていて、「リリース」という、「いずこ」へ送るといおうものもあった。 一番気になったのは、題名にもある、「記憶を伝える者」で記憶を伝えるってどういうことなんだろうと思った。記憶を伝える者は、人の記憶を管理していて、記憶をあやつれる人だと思った。(予想) あと、家族構成みたいなものも決まっていて、夫婦も子供も子供の名前も決められて、本当に家族って言えるのかなぁと思った。血のつながりみたいなものもなくて、ジョーナスたちはどう思っているんだろう?と思った。 子供たちはどこから生まれてくるのだろうとも思った。「リリース」されていったおばあさんの名前が、初年児の名前になっていたというところが、なんか「リリース」(いずこ)ってあやしいなと思った。 話し合いでは、「記憶を伝える者」と「リリース」が話題になった。記憶を伝える者は、ザ・ギバーで、ジョーナスの将来?っていう意見が出た。あぁ、なるほど!と思った。ジョーナスは主役だから、何か職業任命は、重要な役割を言い渡されるという結論?が出た。 「リリース」は、「いずこ」はどこに通じているのか?殺される?生まれ変わるなどの意見が出た。「いずこ」だから、遠いところに「リリース」は離すっていう意味だから、合わせて「遠くへ離す」って意味なのかなぁーと思った。初年児(成長が遅れている)やおばあさん(寿命が近づいて)はリリースされるなんてひどい!と言っていた。私もリリースは処罰みたいなイメージがあるから、ひどいと思った。 私は話し合いの中で思いついた。「リリース」というのは、私達が住んでいる、犯罪や悪いことがたくさん起きるこの世界にはなされるのかなぁーと思った。ギバーの世界は、平和で何でも決められているから、悪いことは起きないけど、この世界は殺人とか悪いことばっかりだから、悪いことをした人は、悪い世界(この世界)に送られるのかなぁと思った。 話し合いは、ギバーのいろんなことについて、自分の中で深く考え込んじゃって、話し合いにあまり参加できなかったから、2回目は積極的に話し合いたい。(D子さん)
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 まだ70ページかそこらでかなり深い読みをしています。それだけいろんなことを、はなっから読者に考えさせる文なんですよね。 この「ザ・ギバー」って言う本は、本当に名著です。

昨日、2回目の話し合いがありました。
またその様子も近日中にアップします。

2009年10月17日土曜日

「コミュニティ」の理想の規模?

これまでにも「Elsewhere(よそ)」や「リリース」などがすでにこのブログでも登場していますが、他にもたくさんのキーワードというか、テーマが扱われているのが『ザ・ギバー』の大きな特徴の一つです。

今日は、「コミュニティ」の紹介というかクイズです。

ジョナスが住むコミュニティの規模(人口)はどのぐらいだと思われますか?

私の専門は都市計画というかまちづくりだったこともあって、とても興味のあるテーマです。

答えは、ちゃんと本の中に書いてあります。

私にとってのまちづくりのバイブルは、井上ひさしの『吉里吉里人』なのですが、似たような規模である気がします。

2009年10月12日月曜日

明日から、ちがった自分に出会えるかも!!

 横浜市で小学校の教員をしている渡邉美江(わたなべよしえ)です。『ザ・ギバー』を読んでいくと、どんどんひきこまれ、いっきに最後まで読んでしまいました。いつのまにか、主人公ジョナスといっしょに、悩み、考え、冒険に踏み出していくような気もちになっていきます。読んだ後、ぜひ、語り合いたい本です。
 形としては近未来のSF小説ですが、『ザ・ギバー』の世界はいつ、どこでも起こっていること、起こりうることかもしれません。たくさんの人が『ザ・ギバー』を読んで語り合うことが、これからの、豊かで平和な未来につながっていくと思います。勇気を与えてくれる本です。

2009年10月8日木曜日

ロイス・ローリーのブログ

彼女は、ブログを書いています。
http://loislowry.typepad.com/lowry_updates/
結構おもしろいです。

たまたま今見たら、最新のが日本の思い出に関するものでした。

それが面白いことに、ニュー・イングランド・ペイトリアッツのアメリカン・フットボールの試合を見に行ったことをきっかけ★に、どういうわけか日本滞在中のお姉さんのボーイ・フレンドが戦後すぐに日本でアメリカン・フットボールの試合を東京でしていたことを思い出し、さらには12歳の時に、一人で広島の呉の近くの江田島を訪ねたことが書いてありました。
江田島には戦前・戦中と海軍兵学校があったので、米軍が戦後これを摂取して基地に使っていたと思われます。彼女の東京での友だちがそこに引っ越したので、春休みと夏休みの2回訪ねたと書いています。

さらには、ブログのあとに自分が付け足したコメントとして
I spent ages 10-13 in Japan, as well, and have so many wonderful memories of the place. Some day, when I figure out a story better than what actually happened, I'll write about it.

★ ニュー・イングランド・ペイトリアッツのオーナーの孫(11歳)が彼女の本のファンらしく、そういうこともあって、この試合に招待されていたような書き方でした。

2009年10月5日月曜日

一気に読んでしまいました

はじめまして。
埼玉で小学校の教員をしている(ただいま育休中)、さやです。

新さんに紹介してもらって、『ザ・ギバー』(講談社版です)を読んだのは去年のことです。
「図書館に置いてあるはず」との情報に、早速近所の図書館へ。
表紙を見た印象は「こわい・・・」でした。YAコーナーにあったので、紹介してもらわなければ手に取ることはなかったと思います。

ところが、読み始めると、これがおもしろい!一気に読んでしまいました。
「リリース」に、ぞぞぞ~っとした感覚が今でも残っています。
読み終わって、家族でいろいろ話したくなる本です。実際、熱く語り合っちゃいました。
ぜひぜひ、たくさんの人に読んで欲しい!

新版は、とても読みやすくなっているので、子ども達もすっと入っていけるのではないかなあ。
一度読んだ本ですが、新版が手元に届いたら、小6の娘と「ペア読書」でもう一度味わう予定です。

2009年10月1日木曜日

すばらしい小説

はじめまして。
横浜で小学校の教員をやっている都丸(トマル)と申します。

吉田新一郎さんの紹介で『ザ・ギバー』を読み、
作品の魅力に取りつかれた一人です。
本当にすばらしい小説です。
みんなで読んで語り合いたい作品です。

クラスの子どもたちには、この作品の魅力を伝えています。
現在は教室に一冊しかなく、順番に回して読んでいる状態です。
新訳が出版され、多くの人が読めるようになる日が待ち遠しいです。

自分のブログでも紹介させていただきました。
http://gtyt.blog91.fc2.com/blog-entry-221.html

はじめまして

みなさん、はじめまして。
東京の小学校で、先生をやっています甲斐崎(KAI)といいます。

このたび、吉田新一郎さんの呼びかけに呼応して、
『ギヴァー ~記憶を注ぐもの』普及プロジェクトに参加させてもらっています。
本自体を読んだのはこの夏休みです。(講談社版ですが…)
前々から薦められていたのですが、
なかなか古書の安いのがamazonにでなくて躊躇してました。
やっとこさ一冊ゲットできました。
しかし今はもうamazonの古書は15000円の値がついています。
それだけ「売れてない」ということなんですよね。
原著はアメリカで500万部以上売れてるのに…
どこかで講談社が間違えましたね。


さて、この名著、子供たちにもぜひ読んで欲しい・・・
ということで、今月に子供たち何人かに読んでもらおうと思っています。
「ブック・クラブ」というリーディング・ワークショップの中の一手法なんですが、
その様子は、リアルタイムにここにアップしていきたいと思っています。
お楽しみに!

ではでは、また。

「もぐらのさんぽ」
http://d.hatena.ne.jp/kaisaki37/
こちらに遊びに来てください。