はじめまして、『ザ・ギバー』新版の翻訳を担当しました、島津やよいです。
代表の吉田さんからご招待をいただいてビックリしています!
このようなすばらしい「復刊プロジェクト」が始動していたなんて!!
さて今回の新訳、「訳者として」コメントせねばならないところではありますが、
まずは私自身の『ザ・ギバー』体験から述べさせてください。
それはまさしく、
「はじめ??? なか!!! 赤子が泣いて自分も泣く」。
(あ…意味不明でしょうか。
ごはんを炊くときの「はじめちょろちょろ、なかぱっぱ…」のダジャレです(恥))
つまり、愛読者のみなさんには先刻ご承知のことと思いますが、
最初は「舞台装置」のしくみがわからなくて、じりじり。
それが 半ばをすぎると「おお…!!!」という感動が湧いてきて、
ラスト、赤ちゃんのゲイブがしくしく泣くあたりになると、
もう涙がとまらないのでした。
そして、翻訳しながら上記のプロセスを体験したので、
一つひとつの段階がとても濃密で、
何か、〈ギバー〉と同じように「荷物」(重たいだけでなく、意義深い)
を新たに背負ったような気持ちがしました。
このすばらしい作品世界を、一人でも多くの方の心に届けられたら、
訳者としてこれほどの幸せはありません。
…書き続けるといくらでも長くなってしまいそうなので、
まずはこのくらいで、ご挨拶にかえさせていただきます。
プロジェクトの成功を心よりお祈り申し上げます。
2009年9月29日火曜日
どこか自分とは関係ないところ (Elsewhere)
ロイス・ローリーのサイトを見て、彼女が『ザ・ギバー』を書いたテーマは「どこか自分とは関係ないところ」「違うところ」(Elsewhere)だと知りました。
この本だけではなく、彼女はこのテーマをどうもずっと引きずっているようにさえ思えます。
そして、その出発点はどうも日本だったようです。
彼女のお父さんは戦後すぐ、軍医として日本に来ており、彼女も11~13歳まで、いまの代々木の「国立オリンピック記念青少年総合センター」あたりで過ごしたそうなのです。好奇心旺盛だった彼女は、その占領軍家族の専用居住区を抜け出して、頻繁に渋谷を訪問していたというのです。彼女にとっては、まさに「別世界」を。
この本だけではなく、彼女はこのテーマをどうもずっと引きずっているようにさえ思えます。
そして、その出発点はどうも日本だったようです。
彼女のお父さんは戦後すぐ、軍医として日本に来ており、彼女も11~13歳まで、いまの代々木の「国立オリンピック記念青少年総合センター」あたりで過ごしたそうなのです。好奇心旺盛だった彼女は、その占領軍家族の専用居住区を抜け出して、頻繁に渋谷を訪問していたというのです。彼女にとっては、まさに「別世界」を。
あの名作『ザ・ギバー 記憶を伝える者』、 ついに“新版”が出ます!(2010年1月刊行予定)
この新版の普及協力者=伝達者になってくださいませんか?
私が『ザ・ギバー 記憶を伝える者』(ロイス・ローリー著、掛川恭子訳、講談社)に出合ったのは、2007年3月のことでした。それは、ノンフィクション系の本では刺激をたくさん受けている私が、小説のジャンルで心の底から感動を覚え、日本中の人たちに読んでもらいたいと思ったはじめての本でした。しかし、残念なことに、『ザ・ギバー』は現在絶版で、古書でしか入手できません。
私は、なんとかこの作品を復刊して、少しでも多くの人に読んでもらいたいと思いました。この作品は、ぐいぐいと引っ張られるようなみごとなストーリー展開によって、人間のありかたの本質―家族、職業、幸せ、生と死、社会、また、人間の歴史とは、未来とは、そして、自分たちのやるべきことはなど―について広く深く繰り返し考えさせてくれます。
これまでに約30人の10代~80代の人たちに本書を読んでもらい、フィードバックをもらいましたが、9割以上の人がそのおもしろさを認め、復刊の価値にも賛同してくれました。そのことも、私が復刊呼びかけの活動に踏み出した大きな要因になっています。
それでは、なぜ天下の講談社が出したこの本があまり売れずに、絶版となってしまったのでしょうか?
一番大きな要因は、「ユース・セレクション」の1冊として出されたことにあると思います。つまり、ほとんど中・高生の目にしか触れなかったのです。しかも、極々一部の。だから本は売れず、講談社は早々に翻訳権も放棄してしまいました。おそらく1万部前後しか売れなかったのではないかと思います。(ちなみに、アメリカではすでに500万部以上、売れています。)
したがって今回の復刊では、この講談社の教訓を生かして、どちらかといえば大人を主たる対象に据えたうえで、10代の人たちも読めるような形にできればいいなと考えています。
本書の普及に、ぜひ皆さんのご協力をお願いする次第です。ぜひ当会にご参加ください!
また、刊行後はぜひ実物を手にとっていただいて、本書の価値を口コミで周囲の方々にお伝えくだされば幸いです。
『ザ・ギヴァー』復刊プロジェクト
代表 吉田新一郎
-------
【追記】
なお、英語ではすでに『The Giver』の続編が2冊も出ています。続編も『The Giver』に劣らずたいへん魅力的な本です。それらを日本の読者に届けるためにも、今回のプロジェクトをまずは成功させなければなりません。
さらに、アメリカでは本作の映画化の話もあるようです。でも、私は日本人の配役で、日本版・映画『The Giver』を製作したいぐらいです。あなたは、誰が〈ギバー〉役に適していると思われますか?
原書と、その続編のタイトルは次の通りです。
Lois Lowry, The Giver, Delacorte Books
Lois Lowry, Gathering Blue, Laurel Leaf
Lois Lowry, Messenger, Laurel Leaf
私が『ザ・ギバー 記憶を伝える者』(ロイス・ローリー著、掛川恭子訳、講談社)に出合ったのは、2007年3月のことでした。それは、ノンフィクション系の本では刺激をたくさん受けている私が、小説のジャンルで心の底から感動を覚え、日本中の人たちに読んでもらいたいと思ったはじめての本でした。しかし、残念なことに、『ザ・ギバー』は現在絶版で、古書でしか入手できません。
私は、なんとかこの作品を復刊して、少しでも多くの人に読んでもらいたいと思いました。この作品は、ぐいぐいと引っ張られるようなみごとなストーリー展開によって、人間のありかたの本質―家族、職業、幸せ、生と死、社会、また、人間の歴史とは、未来とは、そして、自分たちのやるべきことはなど―について広く深く繰り返し考えさせてくれます。
これまでに約30人の10代~80代の人たちに本書を読んでもらい、フィードバックをもらいましたが、9割以上の人がそのおもしろさを認め、復刊の価値にも賛同してくれました。そのことも、私が復刊呼びかけの活動に踏み出した大きな要因になっています。
それでは、なぜ天下の講談社が出したこの本があまり売れずに、絶版となってしまったのでしょうか?
一番大きな要因は、「ユース・セレクション」の1冊として出されたことにあると思います。つまり、ほとんど中・高生の目にしか触れなかったのです。しかも、極々一部の。だから本は売れず、講談社は早々に翻訳権も放棄してしまいました。おそらく1万部前後しか売れなかったのではないかと思います。(ちなみに、アメリカではすでに500万部以上、売れています。)
したがって今回の復刊では、この講談社の教訓を生かして、どちらかといえば大人を主たる対象に据えたうえで、10代の人たちも読めるような形にできればいいなと考えています。
本書の普及に、ぜひ皆さんのご協力をお願いする次第です。ぜひ当会にご参加ください!
また、刊行後はぜひ実物を手にとっていただいて、本書の価値を口コミで周囲の方々にお伝えくだされば幸いです。
『ザ・ギヴァー』復刊プロジェクト
代表 吉田新一郎
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【追記】
なお、英語ではすでに『The Giver』の続編が2冊も出ています。続編も『The Giver』に劣らずたいへん魅力的な本です。それらを日本の読者に届けるためにも、今回のプロジェクトをまずは成功させなければなりません。
さらに、アメリカでは本作の映画化の話もあるようです。でも、私は日本人の配役で、日本版・映画『The Giver』を製作したいぐらいです。あなたは、誰が〈ギバー〉役に適していると思われますか?
原書と、その続編のタイトルは次の通りです。
Lois Lowry, The Giver, Delacorte Books
Lois Lowry, Gathering Blue, Laurel Leaf
Lois Lowry, Messenger, Laurel Leaf
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