この新版の普及協力者=伝達者になってくださいませんか?
私が『ザ・ギバー 記憶を伝える者』(ロイス・ローリー著、掛川恭子訳、講談社)に出合ったのは、2007年3月のことでした。それは、ノンフィクション系の本では刺激をたくさん受けている私が、小説のジャンルで心の底から感動を覚え、日本中の人たちに読んでもらいたいと思ったはじめての本でした。しかし、残念なことに、『ザ・ギバー』は現在絶版で、古書でしか入手できません。
私は、なんとかこの作品を復刊して、少しでも多くの人に読んでもらいたいと思いました。この作品は、ぐいぐいと引っ張られるようなみごとなストーリー展開によって、人間のありかたの本質―家族、職業、幸せ、生と死、社会、また、人間の歴史とは、未来とは、そして、自分たちのやるべきことはなど―について広く深く繰り返し考えさせてくれます。
これまでに約30人の10代~80代の人たちに本書を読んでもらい、フィードバックをもらいましたが、9割以上の人がそのおもしろさを認め、復刊の価値にも賛同してくれました。そのことも、私が復刊呼びかけの活動に踏み出した大きな要因になっています。
それでは、なぜ天下の講談社が出したこの本があまり売れずに、絶版となってしまったのでしょうか?
一番大きな要因は、「ユース・セレクション」の1冊として出されたことにあると思います。つまり、ほとんど中・高生の目にしか触れなかったのです。しかも、極々一部の。だから本は売れず、講談社は早々に翻訳権も放棄してしまいました。おそらく1万部前後しか売れなかったのではないかと思います。(ちなみに、アメリカではすでに500万部以上、売れています。)
したがって今回の復刊では、この講談社の教訓を生かして、どちらかといえば大人を主たる対象に据えたうえで、10代の人たちも読めるような形にできればいいなと考えています。
本書の普及に、ぜひ皆さんのご協力をお願いする次第です。ぜひ当会にご参加ください!
また、刊行後はぜひ実物を手にとっていただいて、本書の価値を口コミで周囲の方々にお伝えくだされば幸いです。
『ザ・ギヴァー』復刊プロジェクト
代表 吉田新一郎
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【追記】
なお、英語ではすでに『The Giver』の続編が2冊も出ています。続編も『The Giver』に劣らずたいへん魅力的な本です。それらを日本の読者に届けるためにも、今回のプロジェクトをまずは成功させなければなりません。
さらに、アメリカでは本作の映画化の話もあるようです。でも、私は日本人の配役で、日本版・映画『The Giver』を製作したいぐらいです。あなたは、誰が〈ギバー〉役に適していると思われますか?
原書と、その続編のタイトルは次の通りです。
Lois Lowry, The Giver, Delacorte Books
Lois Lowry, Gathering Blue, Laurel Leaf
Lois Lowry, Messenger, Laurel Leaf
図書館の児童文学コーナーで老年の男性の写真が表紙で読み、是非続編を読みたいと思っていました。管理され遺伝子で人生が決められていく恐ろしさ。こんな集団が作られかねない未来は近いのではないか。続編を是非読みたい。
返信削除コメント、ありがとうございました。
返信削除「管理された遺伝子」以外に、気になったところありましたら、ぜひ教えてください。