最近読んだ本、『群れのルール ~ 群衆の叡智を賢く活用する方法』ピーター・ミラー著のメモです。
筆者は、有名な雑誌『ナショナル・ジオグラフィック』の編集者。
アリ、ミツバチ、魚、鳥などの集団行動と人間の集団行動を比較してくれています。
というか、私たちはもっとそれらから学べることがあるんじゃないか! と主張しています。
太字は、この本の主要テーマです。
私は、本を通じて『ギヴァー』のコミュニティや、私たちの社会との関連を感じましたが、とくに最後の277ページ以降はとても大切だと思いました。もちろん、ジョナスが行動で示してくれたことではあるのですが。
20 アリ、ミツバチ、ニシンなどの集団はリーダーからの指示もなく、難しい問題を解決していく = 自己組織化
21 自己組織化の3つのメカニズム: ①分権的統制、②分散型の問題解決、③多数の相互作用 ~ この3つを足し合わせると、群れのメンバーが誰の指示も受けなくても、シンプルなルールに従って意味のある集団行動をとることができる。
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22 人間のビーチでの振舞い
51~6 ハチの家探し 意思決定における情報の多様性の大切さ
61 多様性は能力に勝る!! → 95ページ
64 多様性、独立性、異なる視点の融合。いずれも聞き覚えのある原理だろう。まさに我々がミツバチから学んだことだ。知識の多様性を確保する。友好的なアイディア競争を促す。選択肢を狭めるための有効なメカニズムを用いる。ミツバチにとって賢明といえる行動は、人間にとっても同じなのだ。
72 集団による間違いの多くは、結論を急ぎすぎることに起因する。みんなで思いつく限りの選択肢をあげてみる前に、ある選択肢を拙速に選ぶと、残った時間はそれを正当化するための根拠を探すことに費やされてしまうのだ。→ アービング・ジャニスが提唱した「グループシンク(集団浅慮)」
89 ボーイング社の例: 実際に支配していたのは、公式な役割分担ではなく、非公式な仲間意識や忠誠心だった。
95 3人いれば、どんな能力を持った一人の能力よりも、知識や問題解決能力の多様性が確保できる!
98~112 ニューイングランドのタウンミーティングの例 = 住民全員参加型(とは言っても実際に参加した者のみ)の意思決定を実践
107 ロバート議事規則 = ①知識の多様性を求める、②友好的なアイディア競争を促す、③選択肢を絞り込む効果的な方法を使う → 落ち着きたいところに落ち着く!
125 カスケード反応 = 連鎖反応
126 ハチやアリの自己回復機能/耐久力
① 分散型知能
② 予測機能
③ 複数の島に分ける
127 複雑システム: 送電網、交通ネットワーク、株式市場、インターネット
これらは、自己回復機能をもたせないと、パニックに陥る危険性がある
136 間接的協業
147 アリ塚 = ウィペディア
150 ウェブ2.0
164 ネットワーク
174 鳥の群れ行動 → 魚の群れ行動 それも、種類による(小さいもの中心?)
176 適応的模倣
224 人間の真似る習性/群れの習性
277 「自然淘汰によって、仲間からのプレッシャーや長いものに巻かれろ的な考えに屈しないように進化したミツバチは、自分の頭で考えて判断を下す」 人間よりも賢い!
人間の行動はミツバチとは違う。我々のジレンマを単純化すれば、コミュニティに帰属したいという気持ちと、個人的な利益を最大化したいという欲望に引き裂かれているということになる。
278 正しい行動をとるには、何かの足すかが必要な場合がある。個人と集団の利益の不均衡を解消するには、法律、規範、金銭的インセンティブといったものが必要なのだ。
280 集団に所属しても、個性を封印する必要はないということだ。自然界における優れた意思決定は、妥協だけでなく競争から、また合意だけでなく意見の不一致から生まれる。自らが選んだ新たな巣作りの候補地への支持を取り付けようと、ミツバチがどれだけ激しく議論を戦わせるか、思い出してほしい。同じことが人間の集団にも当てはまる。我々が集団に何らかの付加価値を与えることができるのは、自分らしいユニークな経験や能力から生まれる特別な何かを提供したときだけだ。何も考えずに他人の行動をまねしたり、他人の意見に便乗したり、自分なりの優れた直感を無視したりすれば、何も与えることはできない。
集団に貢献するためには、自分の負担すべき費用を支払ったり、仲間の利益のために何かを犠牲にしたり、現状を受け入れたりすることが必要な時もある。自分が正しいと信じることのために立ち上がったり、信条に従って政治家に働きかけたり、長いものに巻かれるのを拒否したりするのが必要な時もある。いずれの場合も、集団にとっていちばん大切なのは、我々が自分自身に正直であることだ。
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