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2014年8月7日木曜日

カラス 2


 カラス・オタクならぬカラス研究者2人の本を読んで、カラスの奥の深さに気づかされました。そして、人間の無知がおこしている問題についても。

 『ギヴァー』のコミュニティには、カラスを含めた鳥はいません。それが、いいことなのかどうか? 私たちの社会も、いないも同然に扱っているのかもしれませんが、気づけさえすれば、いるのですから、それ相応の接し方も導き出せます。もちろん、鳥を含めてたくさんの動物や植物とうまく付き合い、そしてその触れ合いからいろいろなことを感じ、さらに生み出している人たちもたくさんいます。

 そういえば、ジョナスはコミュニティを抜け出してから、数日後に、鳥が飛ぶスペースに行き着きました。あれは、いったい何を意味しているのでしょうか?

 以下は、2冊目の本 ~ 『世界一賢い鳥、カラスの科学』ジョン・マーズラフ ~ からのメモです。

21 自然を観察することによって、われわれは人間自身にも、生態系のなかに人間がどう溶け込めばよいのかも、焦点を絞って明確に見直せるようになる。とりわけカラス科の種が世の中で生きてゆくために用いる戦略と生存にまつわる複雑さの一端が明らかになる。これらの鳥たちの暮らしで何が起きているのかを考えてみれば、そこからさまざまなアイディア、知見、芸術面のひらめきが得られる。そして、おそらく同じくらい重要なことに、われわれの妄想にたいする新たな検討事項も生まれてくる。

116 カラスやワタリガラスの個体数、および彼らがわれわれにおよぼす問題は、世界の多くの場所で増えつづけている。これはカラス類に餌、水、すみかを直接に提供するわれわれの生活様式にたいする、予想された反応なのである。問題を減らすための最初のステップは単純だ。人間がいかに不注意からカラスの暮らしを潤しているかを理解し、そうした援助物資を積極的に減らすことだ。
 アメリカでの取り組みは、(1)ごみ捨て場に蓋を設ける、(2)高速道路での野生生物の事故を減らすために、野生動物の動きに見合った設計を取り入れている、(3)オオカミを再導入している。

160 動物行動学の「遊び」の基準:
1)生存にはすぐさま必要でない行動を含み
2)自発的で、楽しい、または自分が報われるもので、
3)完璧でなく、誇張され、ぎこちない、もしくは新規な方法で実行されるか、常に見られるわけではない典型的な行動を含み、
4)かならずしも厳格に型どおりではないが、同様の行動のなかで反復されることが多く、
5)それに加わるものの栄養状態がよく、健康で、ストレスのない良好な条件下で見られる。
161 多くの鳥は遊ぶ。

172 「楽しい」ということは抽象的な観念ではなく、人間だけが体験できることでもない。

219 食べ物と同様、ふれあいや遊びも社会的な動物にとっては報われるものとなる。そのため、報酬はいちじるしく異なった通過 ~ エネルギー(食糧)、社会的絆、経験、あるいは知識 ~ となって払われるかもしれないが、脳のなかで同様の活動を通して行動を強化する。そこではドーパミン、ホルモン、オピオイドが、それに関連した動物の行動を動機づけ、見返りを与えている。

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