SONの内容紹介を、訳者の島津やよいさんが書いてくれました。
●あらすじ
少女クレアは,13歳になると〈器〉の任務をあたえられ,14歳で〈産品〉を身ごもった。
やがて生まれた男児の〈産品〉は,知らぬまにどこかへ連れさられてしまう。
〈器〉は〈産品〉のことを忘れるよう義務づけられていた。
しかし,クレアにはそれができなかった。
彼女は決心する――たとえ行く手になにが待ちうけていようとも,自分の〈息子〉を探しだそう,と。
前3作の登場人物が一堂に会し,『ギヴァー』の世界の謎が解き明かされる。
そして〈善と悪〉,〈力と弱さ〉をめぐる苛烈で壮大な物語が,ついに真の完結をむかえる。
●読みどころ
みなさん,第一作『ギヴァー』で,「解放」に勝るとも劣らず
おぞましい習慣があったことをご記憶かと思います。
まだ幼い少女に出産をさせ,
しかもコミュニティの未来世代として子どもをとりあげてしまう,
〈出産母〉の習慣です。
(ジョナスの妹リリーが,「楽そうだから」というので
〈出産母〉になりたいと漏らすと,お母さんが
「人からあまり尊敬されない職業なのよ」とたしなめていたのが印象的でした。)
完結作『SON(息子)』の主人公(のひとり)は,この〈出産母〉です。
あらすじを知ったとき,訳者はすぐに思いました。
作者が2年前,長年「三部作」だったシリーズに新作を加えたのは,
昨今の生殖医療の進展にともない,
「代理出産」の問題を改めて書いておかねばと思ったのではないか,と。
現在,日本人男性がタイでの代理出産に関わっていたとして,
日本でも何度目かにこの問題が注目を集めています。
『SON』はその意味で,のっけから問題含みの作品と言えます。
しかし,何と言っても,この作品の最大の目玉は,
『ギヴァー』ファン垂涎の,言ってみれば「壮大なスピン・オフ作品」だという点でしょう。
(スピン・オフと呼ぶには,あまりに濃密で壮大な物語ですが。)
ジョナスの脱走後,コミュニティに残された人々はどうなったのか。
あの〈任命〉の日の前後,コミュニティで何が起きていたのか。
『ギヴァー』の世界の謎を解く鍵が,これでもかというほど登場することでしょう。
あの拍子抜けするようなラストシーンや,
続く『ギャザリング・ブルー』『メッセンジャー』でも解明されなかった
「あの人物のその後」を知りたいファンにとって,必読の内容となっています。
●あらすじ
少女クレアは,13歳になると〈器〉の任務をあたえられ,14歳で〈産品〉を身ごもった。
やがて生まれた男児の〈産品〉は,知らぬまにどこかへ連れさられてしまう。
〈器〉は〈産品〉のことを忘れるよう義務づけられていた。
しかし,クレアにはそれができなかった。
彼女は決心する――たとえ行く手になにが待ちうけていようとも,自分の〈息子〉を探しだそう,と。
前3作の登場人物が一堂に会し,『ギヴァー』の世界の謎が解き明かされる。
そして〈善と悪〉,〈力と弱さ〉をめぐる苛烈で壮大な物語が,ついに真の完結をむかえる。
●読みどころ
みなさん,第一作『ギヴァー』で,「解放」に勝るとも劣らず
おぞましい習慣があったことをご記憶かと思います。
まだ幼い少女に出産をさせ,
しかもコミュニティの未来世代として子どもをとりあげてしまう,
〈出産母〉の習慣です。
(ジョナスの妹リリーが,「楽そうだから」というので
〈出産母〉になりたいと漏らすと,お母さんが
「人からあまり尊敬されない職業なのよ」とたしなめていたのが印象的でした。)
完結作『SON(息子)』の主人公(のひとり)は,この〈出産母〉です。
あらすじを知ったとき,訳者はすぐに思いました。
作者が2年前,長年「三部作」だったシリーズに新作を加えたのは,
昨今の生殖医療の進展にともない,
「代理出産」の問題を改めて書いておかねばと思ったのではないか,と。
現在,日本人男性がタイでの代理出産に関わっていたとして,
日本でも何度目かにこの問題が注目を集めています。
『SON』はその意味で,のっけから問題含みの作品と言えます。
しかし,何と言っても,この作品の最大の目玉は,
『ギヴァー』ファン垂涎の,言ってみれば「壮大なスピン・オフ作品」だという点でしょう。
(スピン・オフと呼ぶには,あまりに濃密で壮大な物語ですが。)
ジョナスの脱走後,コミュニティに残された人々はどうなったのか。
あの〈任命〉の日の前後,コミュニティで何が起きていたのか。
『ギヴァー』の世界の謎を解く鍵が,これでもかというほど登場することでしょう。
あの拍子抜けするようなラストシーンや,
続く『ギャザリング・ブルー』『メッセンジャー』でも解明されなかった
「あの人物のその後」を知りたいファンにとって,必読の内容となっています。
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第3作『メッセンジャー』(こちらも,ファンタジー性やドラマ性においては,むしろ前2作よりも優れていると言えるほど素晴らしい作品ですので,ぜひご一読を!) がようやく校了となったばかりではありますが,できるだけ早くこの完結作『SON』も訳し終えて,みなさまのお目にかけられるよう,がんばります!
――訳者・ 島津やよい
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