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2015年6月11日木曜日

『ギヴァー』のコミュニティのエネルギー源?





『ギヴァー』のコミュニティのエネルギー源については、
http://thegiverisreborn.blogspot.jp/2013/05/blog-post_23.htmlでちょっと触れたことがありますが、著者のロイス・ローリーさんはこのことについては思考をめぐらしていたでしょうか?

この件に関して、2冊の本 = 『里山資本主義:日本経済は「安心の原理」で動く』(NHK広島取材班) → 『100%再生可能へ! 欧州のエネルギー自立地域(滝川薫他) を読んで、自分が1996年にスウェーデンのいくつかの自治体で見聞きしたことを思い出しました。★これらの本で書かれていることについてすでに動き出していたのです。ローカルアジェンダの名の下に。

自分たちが使うエネルギーは、できるだけ地域の中でつくり出すという考えです。
それに対して、石油、天然ガス、ウランなどは、地域の外に依存し続けることを意味します。それも大金を払い続けて。
もちろん、単にエネルギーの自給自足を目指すだけでなく、「再生可能」というのも大きなポイントです。しかも、太陽光だけとかいうのではなく、できるだけ多様なエネルギー源を地域の特色に応じて確保することが。原子力のように、何百、何千、何万年後の子孫までその廃棄物の処理を委ねなければならないというのは、最悪です。

上記の2冊の本に書いてあるような選択肢も『ギヴァー』のコミュニティにはあるということです。特に、人口が少ない場合は。(『ギヴァー』のコミュニティは、約3500人と推定されます。)

2冊の本から印象に残った言葉をいくつか紹介します。

「すごくおいしい水もあって、森もあって、全部あるじゃないですか、いいじゃないですかって言うんですが、地元の人は、なんかやっぱりスーパーとか色んなものが買える場所があった方がいいんじゃないか、という考えをもっているらしいんです。そうではなくて、地元の人がもっている色んな知恵とか、自立して生きていける力とか、そういうことを今すごく必要としていて、それを学びたくて(田舎に)きているんですね」
安達さんの言うことが常識になれば、地方は激変する。都会に住む人を巻き込んで、日本全体が大きく変わると、私たちは確信している。(『里山資本主義』202~3ページ)

「エネルギー供給はデモクラシー化を迎える。どんどん多くのエネルギー供給者が出てくる。より多くに個人レベルでの自立、より多くのローカルな自立、より多くのリージョナルな自立、そしてより多くの国の自立へ。(中略)我々は産業時代の始まり以来、最大の経済構造変革に直面している」(『欧州のエネルギー自立地域』3ページ)

「一つの再生可能エネルギーだけ取り上げて議論しても意味がない。我々は、バイオマスも風力も、太陽光も水力も、すべて必要だ。すべてを合わせて初めて意味がある・・・化石燃料や原子力という2、3種類の資源に頼りきった生活をしてきた現代人は、ABか、白か黒か、と単純に考える癖が知らないうちについているのかもしれない。一つのもので何でも問題を解決してしまおうと。化石燃料や原子力では一極集中の大型施設が一般的だが、再生可能エネルギーにはこれは向かない。小規模、分散型である。ABか、という思考ではなく、この場所ではAC。この場所ではDメインで補足的にB。地域全体、国全体としては、ABCDも必要だ、と頭をやわらかくして複合的に考えることが求められる」(『欧州のエネルギー自立地域』43ページ)

「大切なことは、同じことを繰り返し話し、同じ質問にも毎回丁寧に答えること。成功事例を見せること。これらを一貫してやっていくこと」(『欧州のエネルギー自立地域』44ページ)

最後の文章は、何にでも通じることだと思いました!


★ エネルギー/環境についてだけではありませんが、この時2か月間の北欧訪問記録は、『国の枠を超えた交流を通して、よりよい未来がみえてきた』(国際交流基金)としてまとめました。読まれたい方は、giverprojectjapan@gmail.comにメールをください。

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