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2011年8月22日月曜日

不便か豊かか?

 『北の国から』放映30周年記念特別番組の中で、富良野塾の元塾生たち(確か、9人)には事前に「どんな電気製品は必要か」をアンケートで聞いていました。皆さん、30品から50品を挙げていたように記憶しています。   それが、倉本さんとの昨日紹介したような話し合いした後で、同じ質問をしたら、ほとんどが一桁に下がったのです。

 電気製品が少ない生活(=電気の消費量を少なくおさえた生活)は「不便」で、電気製品がたくさんあり、従って電気の消費量も多い生活は「豊か」なのでしょうか?

 このことを、動物社会学で有名なコンラート・ローレンツの『ローレンツの世界 ~ ハイイロガンの四季』という写真集をたまたま読んで考えさせられてしまいました。
 ガンを含めて動物たちは、極めて少ないベーシックなもの(基本的なもの)さえ満たされていれば十分に幸せだと主張しているように思えました。
 人間だけが(それも、全員ではないのですが)飽くなき便利さの追求にまい進しており、人間以外の動物たちは、基本的なものさえ手に入れば(不満はあるのかもしれませんが)、豊かに幸せに暮らし続けているかに見えます。

 私たちには選択する力と義務の両方があります。ジョナスがそうしたように。
 もちろん、それは電気の消費量についてだけでなく、他のいろいろなことについてもです。


★ 不便さを感じないで、楽しく豊かに、使う電気製品の数を減らし、消費電力を下げるコンテストのようなものがあってもいいかもしれませんね。

2011年8月21日日曜日

『ギヴァー』と関連のあるドラマと劇

それは、『北の国から』と『歸國』です。 両方とも、倉本聰の代表作です。
共通点は、いまの日本のあり方をいろいろな角度から問うていること。

前者は、高度成長も終わり安定期に入り、豊かさを享受する日本社会(倉本さん流に言えば「使い捨て社会」と「家族の絆を失った社会」)に対して「ほんとうに今のままでいいんですか?」と問いかける内容です。
後者は、60数年前に南方の海で散った日本兵たちが、8月15日の深夜に東京駅に到着し、短い時間東京や自分が知っている人たちの今を見て、南方で散った戦友たちに今の日本を伝えるという内容。★

「『北の国から』放映30周年記念特別番組 今、五郎の生き方 ~2011夏 倉本聰~ 」の中で、富良野塾の元塾生たち(9人)に、①原発前の不便な状況に戻る覚悟があるか、あるいは②原発事故の危険を受け入れる覚悟があるかと、投げかけました。元塾生たちは富良野塾での2年間の不便な生活体験をもっているので、全員①を選択しました。
同じ質問をある町の講演会でしたところ、年齢が上の世代の人たちは約9割が①を、しかし高校生たちは約7割が②を選択したそうです。不便な生活体験をもっているか否かが大きな選択の分かれ目になっていたわけです。

当たり前と思い込んでいるものが、本当に当たり前なのかどうかを考え続け(そして、その判断にもとづいて行動す)ること が、自分のため、家族のため、社会のため、地球のために求められている思います。ジョナスや黒板五郎さんがしたように。


★ 『歸國』は過去数年毎年夏(?)に上演されているらしいのですが、今年は東日本大震災の地震や津波と東電の原発事故を見ている人たちがお客さんなので、それを意識した演出になっている(いた)とのことです。

2011年8月13日土曜日

『ギヴァー』と関連のある本 71

 最近、あまり更新していないブログを見かねて、娘が書いてくれました。

 本は、『アルケミスト ~ 夢を旅した少年』 パウロ・コエーリョ著。

ギバーとの類似点は、まず、当たり前な日々の生活の枠から出ると決めること。

ただし、アルケミストはそこからストーリーが始まり、ギバーはそこでストーリーが終わっている。

ギバーの中で色が見えず、与えられた仕事を12歳の時から続けている人々はアルケミストの中では少年サンチャゴの父であり、途中で出逢うクリスタル屋の店主であり、途中に出逢う商人たち。彼らは何の疑問も持たずにその日々をこなしている。あるいは、疑問を持っても、それを深く追求しない。

少年サンチャゴは羊飼いの家に生まれ育ったけれども、もっと広い世界が見たいという想いから旅立ち、エジプトのピラミッドに彼を待つ宝物を探しに出発する。

ここで「何かを強く欲望めば宇宙の全てが協力して実現するように助けてくれる」ということ「前兆に従うこと」という錬金術師のセリフを少年は体験していくことになる。

錬金術師はある意味、ギバーに出てくる長老と同じような位置づけで少年を導くガイド役なところも似ている。

まだ見ぬ大切なものを探しに旅立つ、その中に人生が凝縮されている感じも似ている。それをサンチャゴは実体験として体験し、ギバーの主人公は長老の話を通して体験する。どちらも少年が様々な体験をしながら成長していく過程が描かれていて、最終的には答えは自分の中にあると気づく。

メッセージとして印象的なのは、自分の心に耳を傾けること。そして、自分の意志を持つことの重要性。

2011年8月11日木曜日

自分探し・絵本編

 大分前になりますが、『ギヴァー』のテーマの一つである「自分探しの旅」に関連する本を3冊と映画を紹介しました。今回は、その絵本編です。

 シェル・シルヴァスタインの『ぼくを探しに』と『続ぼくを探しに』、レオ・レオニの『ペツエッティーノ ~ じぶんを みつけた ぶぶんひんの はなし』、そして今日読んだシャーロット・ゾロトウの『あたらしい ぼく』の4冊です。

 前の3冊はすべて私の好きな本なのですが、その当時は思い浮かびませんでした。

 まだ読まれていない方は、ぜひどうぞ。

 ちなみに、私はシェル・シルヴァスタインの『おおきな木』よりも、こちら2冊のほうが好きです。でも、一般的には『おおきな木』のシェル・シルヴァスタインとして有名なようです。『「おおきな木」の贈りもの―シェル・シルヴァスタイン』マイケル・ボーガン著(名作を生んだ作家の伝記シリーズの1冊)が出ているぐらいですから。

2011年8月4日木曜日

ジェフ・ブリッジズが『ギヴァー』の映画化!?

 これまでにも『ギヴァー』の映画化の話(うわさ)は何回となくありました。  著者のロイス・ローリー自身も、何回となく期待はずれを味あわされ続けているようです

 しかし、今回は映画会社ではなく、ジェフ・ブリッジズ本人が乗り気とか。ブリッジズは、09年の「クレイジー・ハート」でアカデミー賞主演男優賞を手にしています。
 彼は、前から『ギヴァー』のファンだったようで★、自分の父をギヴァー役に考えていたようですが、いまや自分も61歳なので、自分がやってもいいんじゃない、と言っているそうです。

 このニュースは、「信憑性の定かでないウワサ」として日本語でも報じられています。


★ 娘が高校時代に読んでおもしろかったので、紹介してくれたそうです。

2011年8月2日火曜日

ハト → 鳥、スズメ

 ジェリー・スピネッリの『ひねり屋』については、すでに紹介しました。
 その中で主役のパーマーはハトをペットとして飼い始め、ハトを知る必要性に迫られて、図書館で本を借りてきて読んだり、ハトを観察しました(学校から帰ってから翌朝学校に行くまで、自分の部屋の中で飼っていたので)。その結果「ハトをテーマに本が書ける」と言っていたのが気になって、鳥やスズメの本を読み始めました。

 例によって、いろいろ読んだ中から、私が面白いと思った本の紹介です。
 『鳥のいるけしき ~ 詩前を見つめる目』中村登流
 『わたしのスズメ研究』佐野昌男
 『中学生のフィードルワーク』山岡寛人

 『鳥のいるけしき ~ 自然を見つめる目』の「あとがき」には、以下のように書いてありました。

 それは詩の世界とも科学の世界とも区別のつかない中間地帯を、もっとたっぷりとさまようことではないかと思う。ゆたかな詩情的な経験である。鳥と自分との心情的な対話もその一つであろう。また、鳥の姿や鳥の動きをあくことなく、いつまでもながめつづけることもその一つであろう。

 すべては、ここから始まる気がします。疑問をもつ前段としても。まさに『ひねり屋』の主人公のパーマー君がしたように。

 『わたしのスズメ研究』は、ペットと野性の鳥の違いというか、観察と研究の違いに気づかせてくれました。さらには、「たかがスズメ、されどスズメ」であることも。人間にもっとも身近な野鳥なんですね。(でも、野鳥ではあるんですが、人間との関係でしか存在できないのです。)

 『中学生のフィードルワーク』は、観察の手法として読んでみました。他に面白い本がありましたら、ぜひ教えてください。

 ジョナスの『ギヴァー』のコミュニティは、色がなく、鳥も飛んでいない(動物はぬいぐるみだけの)世界ですから、ちょっと考えただけでも(考えなくても?)恐ろしいです。それらがないことによって人間に与える影響とはなんなんだろう、とも考えてしまいました。

2011年8月1日月曜日

今年の流行語大賞は・・・

 今日は、知人から受け取ったメルマガの一部を紹介します。
 ここ数ヶ月問題★になっている原発事故および日本社会の歪みがテーマです。


今年の流行語大賞は・・・

「直ちに影響を及ぼすものではありません」

すぐに悪影響は見えないから気にするな、という意味で官房長官は使ったのですが、実は「長時間続けると恐ろしいことになる」という言葉と表裏一体になっていたことを国民はあとで知りました。

たとえば、微量★★の放射線、あるいはタバコ、排気ガス、毎日の無駄遣い、有害物質の入った食品、甘い缶コーヒー、愛のない家族、使命感のない会社などなど。

そして、極めつけは「なくなんとなく過ごしている毎日」です。


原文を覗いてみたい方は、http://www.mag2.com/m/0000138967.htmのバックナンバーの「すべて公開」をクリックし、2011/08/01の最初の部分です。


★ 話題になっているのは、まだ数ヶ月ですが、問題は長~く引きずります。
★★ 微量か、少量か、大量かは、ちゃんと発表してくれていないので、定かではありません。