『いかにして問題をつくるか ~ 問題設定の技術』S.I. ブラウン&M.I. ワルター著を読みました。これは、算数・数学教育に関する本です。 監訳者は、以下のように書いています。
190 わが国の算数・数学教育では、「問題解決」の指導についてはかなり研究が進んでいるが、「問題設定」については、ほとんど手つかずの状態なのである。しかし、問題は解決される前に、設定されなければならない。それどころか、問題を設定することは、問題を解決する以上に、教育的に重要なことであると考えねばならない。なぜならば、一般の人々にとっては、問題を正しくとらえ、正しく設定することが、それを解く以上に重要であり、それさえできれば、その解決は専門家に任せてもよいくらいであるからである。
この“What If Not?”の思想(この本が提示しているアプローチ)は、単に算数・数学カリキュラムの思想にとどまるものではない。それは、与えられた問題を、お定まりの方式で解くという今日の算数・数学教育が、いつも現状を是認し、改革意欲をもたない哀れな人間をつくり出すことに貢献していないか、という反省にもつながっているからである。
ということで、私たちが至極当たり前に体験し、そして今もまったく変わりなく続いている算数・数学教育は、悲しいかなこのような結果をもたらす形で行われているのです。
このことは、過去3回連載した「批判的思考力」の根幹とも関連しています。
そして、ジョナスのアクションの根幹とも。
2012年2月9日木曜日
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