スーザン・クインランの『サルが木から落ちる』(さ・え・ら書房)を読みました。サブタイトルは、「熱帯林の生態学」です。
人間には、なかなか理解できないような関係を熱帯林の植物と動物が築いていることが、この本で紹介されている10のストーリーからわかります。単に「植物と動物の関係」というよりは、「生き物たちがほかのたくさんの生き物たちとのつながりのなかで生きていることが理解できる」と言ったほうが正しいと思います。
そのことも含めて、最近は「生物多様性」という言葉で表していますが、人間にとっても極めて大切なことです。
しかし、『ギヴァー』の中のジョナスのコミュニティは、どちらかというとその対極にある社会です。つまり、同一化/画一化を志向した結果できた社会なわけです。
そして、私たちの社会も好むと好まざるとにかかわらずその方向で動いていると言えます。
この本の中で、人間などが生まれるはるか前から、考えもつかないような「つながり合い」や「絆」を熱帯林の生き物たちが築いてきたのかを知ることになるのですが、それは感動的ですらあります。
この本の前には、ジャレド・ダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』(草思社)を読んでいたのですが、私にとっては、その人間の“偉大な”歩みが霞んでしまったように思えたぐらいです。
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