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2010年11月18日木曜日

「大切な友だち」

 これまでにすでに何回か「言葉」そして「コミュニケーション」について扱ってきています。たとえば、4月15日4月25日、そして4月27日などです。

 コミュニケーションの欠乏は、現在、あらゆる組織の最大の課題といっても過言ではありません。それは、学校、教室、会社、家庭や政治の世界などはもちろんですが、国と国の間のコミュニケーションもまったくといっていいほどうまくいっていません。どこもあたかもうまく行っているかのごとく装う努力はそれなりにしていますが。

 『ギヴァー』の中でも、ジョナスたちは毎日、朝には「夢の共有」(49ページ~)、そして夜には「感情共有」(10ページ~)を課されています。でも、それをしたからといって互いの相互理解が進んでいるようには思えません。もちろん、ないよりはいいのかもしれませんが、本当にかける時間に値するだけの効果があるのかははなはだ疑問です。

 ここにも、私たちが家庭や学校や会社で日々抱えている問題を、そのまま移行してやっているかのように思えてしまいます。とにもかくにも、「形式」と「習慣」だけは守っているという意味で。


 今日はその形式や悪習を脱するための効果的な方法を紹介します。
 「大切な友だち」(Critical Friends)という方法です。
 私自身、彼これ15年ぐらい前にはじめて体験して、これまでに私が出した本のほとんどで紹介しているぐらいです。その流れは、次の通りです。

① 発表されたこと(聞いたこと)で不明確な点やよくわからない点をはっきりさせるための質問をする。
② いい点をできるだけ指摘する
③ もっとも価値が高いと思われる改善点を一つか二つ指摘するのではなく、質問の形で投げかける。
④ ①~③の中で自分が一番相手に伝えたいこと(相手に元気になってもらうために/場合によっては改善したり、実行してもらうために)を一つか二つ選んで、「ラブレター(=愛のこもったメッセージ)」を書く。

 この順番がとても重要であることに、気づいていただけると思います。
 ①~④は、いずれもよく聞かないとできないものばかりです。
 これまでの会話というかコミュニケーションの多くは、自分が話すほうに熱心で聞くことを軽視しすぎています。それを、意図的に聞くことを大事にしてやろうというのが、この方法なわけです。

 ①~④を順番に出すことは、発表してフィードバックを受ける側にとってはもちろん、「大切な友だち」としてわからない点やいい点や改善点等を提示する側にとっても、そしてその場にいる全員にとって(もちろん、発表者以外全員が「大切な友だち」になったほうがいいに越したことはありません!)学ぶことがたくさんあります。

 ぜひ会議の場などではもちろんのこと、会話やメールのやり取りなどでも、試してみてください。相互理解が深まるだけでなく、扱う内容も深まっていくはずです。

 その際は、誰かが発表したり、話し始める前に、①~④のステップをあらかじめ説明しないと、ちゃんと聞いてくれません。説明しても、なかなかいい点やいい質問ができない人がほとんどかもしれません。単に、そういう習慣をもっていないからです。でも、練習と思ってやってみてください。(小学生も、ちゃんとできます!)

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