2012年11月10日土曜日
くらし
詩が続きます。
とはいっても、前回の詩よりも、谷川俊太郎の「生きる」の方により近い詩かもしれません。
それは、石垣りんの「くらし」という詩です(『石垣りん詩集』ハルキ文庫・1998年)。
くらし
食わずには生きてゆけない
メシを
野菜を
肉を
空気を
光を
水を
親を
きょうだいを
師を
金もこころも
食わずには生きてこれなかった。
ふくれた腹をかかえ
口をぬぐえば
台所に散らばっている
にんじんのしっぽ
鳥の骨
父のはらわた
四十の日暮れ
私の目にはじめてあふれる獣の涙。
これを読み返していたら、『ギヴァー』よりも、『こども東北学』(山内明美著)の中に書いてあったことを思い出してしまいました。
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