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2014年7月27日日曜日

スタンレー・ミルグラムの業績



『スモールワールド・ネットワーク』ダンカン・ワッツ著を読んで、引っかかったところを2点。(数字は、ページ数)

51 社会学では、人間の行為あるいは「エージェンシー」(主体の自発性)は、政治・経済・文化といった制度(それらが社会環境を定義する)の中で人々が演じる役割によって、制限ないし決定されると考える傾向がある。マルクスが言ったように「人間は自分の歴史を作る、しかし、・・・・自分自身で選んだ状況の下で歴史を作るのではない」。したがって、社会学とは構造の学問なのだ。

 このエージェンシーという概念が、ずっと日本語にならなくて困っていました。どなたかスッキリ誰もが理解できる日本語をご存知の方、ぜひ教えてください。とても大切な概念なので。概念だけにしておかないで、それが実行されるようにしていかないといけないものなのですが・・・・

158~9 『服従の心理 アイヒマン★実験』スタンレー・ミルグラム/著 に描かれていることは・・・・実験の結果、40人中37人の参加者が、電圧を致死レベルにまで上げた。ここから、ミルグラムは、つぎのような身の凍るような結論に達成した。すなわち、自分の行動の最終的な結果から個人が引き離された官僚制では、人は残虐行為を実行しやすくなるというものだった。★★

 これから思い出したのは、政治家や官僚たちが国や大きな自治体レベルでしていることも似ているのでは、ということでした。ポジションのなせるわざ?
ある意味で、部活動に通じるところがあるような気もします。入部した1年の時は、「こんな理不尽なこと、自分が最終学年になったときは絶対やめてやる」と思っていても、悪習がなくなる気配はいっこうになく、延々と維持されています。

 そして、『ギヴァー』のコミュニティでも、これと同じことは行われているとも・・・ジョナスの父親が新生児をリリースする行為や、ガールフレンドのフィオナも老年の家で高齢者をリリースする行為を行っているんだろうな、と。


★アドルフ・オットー・アイヒマンは、ドイツの親衛隊の隊員。最終階級は親衛隊中佐。ドイツのナチス政権による「ユダヤ人問題の最終的解決」に関与し、数百万の人々を強制収容所へ移送するにあたって指揮的役割を担った。
戦後はアルゼンチンで逃亡生活を送ったが、1960年にイスラエル諜報特務庁(モサド)によってイスラエルに連行された。19614月より人道に対する罪や戦争犯罪の責任などを問われて裁判にかけられ、同年12月に有罪・死刑判決が下された結果、翌年5月に絞首刑に処された。
裁判中、自分の不利な証言を聞いている人物が小役人的な凡人であったことが、ふてぶてしい大悪人であると予想していた視聴者を戸惑わせた。裁判を通じてアイヒマンはドイツ政府によるユダヤ人迫害について「大変遺憾に思う」と述べたものの、自身の行為については「命令に従っただけ」だと主張した。
また、この公判時にアイヒマンは「一人の死は悲劇だが、集団の死は統計上の数字に過ぎない」という言葉を残した。     (以上、ウィキペディアより)

★★ この後のページに、ミルグラムが実施した調査は、何の疑問ももたれずに引用されることが多いが、その方法論や結果の導き方は、かなり眉唾物であることも期されています。権威にだまされないことが大切というか、なんでも疑ってみることが大切なようです。

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