前回の続きです。
② 薬 人間の動物的な自然な「欲」と薬
薬で促さないと自然体では欲が薄くなってしまった世界『華氏451度』
『華氏451度』では、モンターグの妻、ミルドレッドが睡眠薬を常用しています。さらに、物事をすぐに忘れてしまうミルドレッドが、睡眠剤一瓶(30錠)を全て飲み干してしまったらしく、モンターグは慌てて緊急病院に電話。そして訪れたのは、「作業員」…
“白衣の男は、全くの無関心で、機械を操作している。特殊の光学帽をかぶり、胃液を吸い上げては、患者の内奥をのぞきこむ。<眼>に何が映ったか?白衣 の男は何も言わない。見てはいるはずだが、<眼>が見ているものを、彼は見ていないのだ。…(もう一つの機械は)…患者の体液を残らず吸い上げ、新しい血 液に置き換える。…
モンターグ「君たち二人とも、医者ではないようだな。緊急病院は、なぜ医者をよこさなかった?」
作業員「冗談じゃありませんぜ」…「われわれはこんな患者を一晩に、九人から十人は扱っているんでさ。」…
…モンターグ「なにもかも、わからなくなった。」彼もまた、睡眠剤を一錠、舌の上にのせて、溶けるのを待った。”
睡眠剤は、「幸せな眠り」「安穏の中の眠り」(睡眠欲)を忘れてしまった人々を「眠り」へと引きずり込んでくれる。
人間の「欲」を薬で無理矢理抑える世界『ギヴァー』
『ギヴァー』では、性欲を薬で抑えていた。ジョナスが「熱望」と表現し、両親に「高揚」と言い換えられた…
薬で促さないと自然体では欲が薄くなってしまった世界『華氏451度』
『華氏451度』では、モンターグの妻、ミルドレッドが睡眠薬を常用しています。さらに、物事をすぐに忘れてしまうミルドレッドが、睡眠剤一瓶(30錠)を全て飲み干してしまったらしく、モンターグは慌てて緊急病院に電話。そして訪れたのは、「作業員」…
“白衣の男は、全くの無関心で、機械を操作している。特殊の光学帽をかぶり、胃液を吸い上げては、患者の内奥をのぞきこむ。<眼>に何が映ったか?白衣 の男は何も言わない。見てはいるはずだが、<眼>が見ているものを、彼は見ていないのだ。…(もう一つの機械は)…患者の体液を残らず吸い上げ、新しい血 液に置き換える。…
モンターグ「君たち二人とも、医者ではないようだな。緊急病院は、なぜ医者をよこさなかった?」
作業員「冗談じゃありませんぜ」…「われわれはこんな患者を一晩に、九人から十人は扱っているんでさ。」…
…モンターグ「なにもかも、わからなくなった。」彼もまた、睡眠剤を一錠、舌の上にのせて、溶けるのを待った。”
睡眠剤は、「幸せな眠り」「安穏の中の眠り」(睡眠欲)を忘れてしまった人々を「眠り」へと引きずり込んでくれる。
人間の「欲」を薬で無理矢理抑える世界『ギヴァー』
『ギヴァー』では、性欲を薬で抑えていた。ジョナスが「熱望」と表現し、両親に「高揚」と言い換えられた…
③ この世界はおかしい!と気づく(視野が広がる)きっかけ
『華氏451度』
クラリス「あんたは幸福なの?」
モンターグ「幸福かだって?ばかばかしい!」 かれは笑うのをやめた。
フェイバー「なぜ書物は重要であるか、その理由をご存知かな?そこにはものの本質が示されておるのです。われわれがものの本質を知らなくなってから久しい。では、本質とは何か。それはものの核心を意味する。」
『ギヴァー』
ジョナスが<レシーバー>に任命される。
ジョナスが色の認識を取り戻す。
ギヴァー「われわれは多くのものを制御することに成功した。しかしその代償に、別のものを捨てざるを得なかったのだ。」
「捨てちゃいけなかったんだ!」ジョナスはひつうな声で叫んだ。
…とここまで両書を読み返して
『ギヴァー』も書物は市民には禁じられていたことに気がついた。
なんて似ているんだろう。
最後は違うコミュニティに逃げ込むところまで似てる。
まだまだあるけど、きりがないからやめます。
さらに、『ギャザリング・ブルー』にもかかわってくるし…
でも『ギャザリング・ブルー』も再読したくなりました。
『八つの息』ギムホンソック
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