私たちの暮らしの中での「音」の続きです。
日常生活では、あまり意識しないことかもしれませんが、ひょっとしたら目に入ってくるものと同じレベルで大切なのかもしれない、と思います。
もう20年以上前になりますが、「サウンドスケープ(音の風景)」が脚光を浴びた時期がありました。★
ウィキペディアの「市町村防災行政無線」の項目に、以下のような記述があります。
とりわけ近年、「子どもの見守り放送」等の防犯目的の定時放送が、①「子供のため」「安全・安心のため」という大義名分のため表立って反対しにくくクレームが少ないことから、多くの自治体で濫用される傾向にある。防災無線はその名の通りあくまで防災のための緊急設備であり、②騒音被害の発生が避けられないこと、③放送が市民生活の統制に繋がること、また、④「この地域では犯罪が多いから子供を見守ろう」というアピールが果たして実情に沿っているか、⑤そうした文言を毎日聞かされることが当の子供や市民の精神面にどのような影響を及ぼすか等について、慎重に検討する必要があろう。
と5つの問題点を指摘してくれています。
学校があるときに、あれを流すことの+面と-面を検討したうえで、流し続けているとはとても思えません。★★
まずもって、あれを聞いて、見守りに外にでる人はいるでしょうか?
要するには、事故が起きたときに、市民から行政は何をしていたんだ、と言われたときに「ちゃんと対策は講じていました」と言えるためにしているだけなのです。これについては、お金はかからないで、騒音公害を撒き散らしているだけですが、各学校に警備員を配置している方は、膨大の予算を注ぎ込んでいます。
ぜひ、この「子どもの見守り」対策は、その事業の費用と効果をしっかりと検証したうえで、ゼロから考え直してもらいたいものです。なにしろ、日々の問題なので。
★ このキーワードで検索してみてください。おもしろい本がみつかります。私は、『平安京
音の宇宙 ~ サウンドスケープへの旅』というのを見つけてしまいました。早速、読んでみようと思いました。『サウンド・エデュケーション』(R・マリー・シェーファー著)というのもあるぐらいです。
★★ 流している自治体の職員や政治家たちは、これが聞こえるようなところにはいませんから、まったく問題点は把握していないでしょう。(ためしに、市長、全議員、担当部局に連絡をしてみましたが、問題視している人は一人もいませんでした。①の大義名分は反対のしようがないと判断しているようです。自分がやめる提案をして、万が一、事故が起きた時は取り返しがつきませんし。
立場の違い(単に、毎日この「官製騒音公害」を耳にするかしないかの違いです)が、「羅生門」現象を生み出している典型例です。
費用に関しては、自分のポケットからなくなるものではないので、これまた気にする人はいません。困ったものです。
効果のないものに、あえて無駄遣いをし続ける感覚が。
そして、勇気を持って、その無駄に対して代替案を提示できない能力のなさが。
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