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2013年9月16日月曜日

愛国心、歴史、自由



 テッサ・モーリス-スズキさんはイギリス生まれで、いまはオーストラリア国籍・在住、日本人の男性と結婚した歴史学者(日本近代史が専門の人)です。もともとの名前がテッサ・モーリスで、鈴木さんという男性と結婚したので、上のような表記になります。
 彼女の3冊の本を読みました(というか、全部はちゃんと読んでいません。すべて、岩波から出ていますから、難しくて!?)。
 タイトルに惹かれて、です。
 ①『愛国心を考える』、②『過去は死なない ~ メディア・記憶・歴史』そして③『自由を耐え忍ぶ』です。
 これらは、すべて『ギヴァー』の扱っているテーマだと思ったからです。
 (しかも、中心的な。日本社会にとっても極めて重要な。しかし、かなりいい加減というか、危ない形でしか扱われていないというか・・・これらは、確実に私が『ギヴァー』を再刊しなければ、と思った大切な要因として含まれていました。)

 ①についての私の興味は、「愛国心」ではなく、「コミュニティ心」というか「コミュニティ愛」です。
 いずれにしても、極めて難しい代物です。
 日本は、明治維新から戦前まで、さんざん苦労しました。
 そして、いまだに、その亡霊に引きずられています。
 どう表現するかは、極めて難しい!!

 ②『ギヴァー』のコミュニティでは、過去をギヴァーだけがもつことになっています。メディアも、記憶も、歴史も葬り去っています。あたかも、平和な現在を過ごすには必要ないかのごとく。しかし、そんなことはあり得ないことを知っているので、一人だけにその役割を担わせているというわけです。
 しかし、これも、「愛国心」「コミュニティ愛」と同じで、難しいです。
 一人ひとりが違った解釈をしますし、それに基づいて、解釈を押し付け始めますから。
 そういうことをしないために、『ギヴァー』のコミュニティでは一人に任せている??

 ③『ギヴァー』の最大のテーマは、ひょっとしたら、この「自由」かもしれないぐらいに大きなテーマです。
『ギヴァー』のコミュニティは、自由があるようでいて、管理されつくされている社会です。職業も、連れ合いも、自分では決められません。しかし、枠の中では自由というか、平和は満喫しています。あたかも、何の心配事もないかのごとく。
そして、ジョナスは、そのコミュニティからゲイブを連れて飛び出すことを選択します。(ほとんど、これまでの住人がしたこともないことを。前任者のローズマリーは「死」という選択をしていました。)
 ちなみに、自由は民主主義ということと対をなしているというか、切っても切り離せない関係にあるような気もします。民主主義も、日本においては、かなりいいかげんになっています。自由のほうは、どうなんでしょうか?

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