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2013年2月23日土曜日

少数の富める指導者に牛耳られ続けているアメリカ


 『学校では教えてくれない本当のアメリカの歴史』(その3)です。

 歴史は、いまの世の中のありようと深く結びついていることも気づかせてくれます。(逆に、それに気づかせてくれないようなものは、「歴史といえるのか」とさえ思ってしまうほどです。)

166 教会、学校、企業、そして政府は、現在の社会こそが正しいのだ、と説くことで、人々の考えを統制しようとした。貧困とは、個人的な怠慢の結果であり、裕福な者は裕福であるにふさわしいことをしている。そして資本主義体制は正しく、適切である、と教えたのだ。(これは、19世紀後半のアメリカの歴史の部分について記述についてです。もちろん、アメリカ史全体に対して、この考えは適用されます。)

→ そういえば、日本も、原発事故の際は、政府、企業、マスコミ、学校も(?)同じような対応をしたことは記憶に新しいです。

 そして何よりも、自由や民主主義よりも、「戦争大好きな国」というのが、コロンブスがカリブ海の島々でしたことに始まり、ブッシュさんがアフガニスタンやイラクでしたことまで、アメリカの中心的な歴史と言えるかもしれません。

 なんといっても、西部劇の国であり、いまだに銃の乱射事件がひっきりなしに起こるにもかかわらず、その規制にいっこうに乗り出す気配もない国です。

 そして本を通じて、ごく少数の富める指導者が建国の時から(実は、英国の植民地時代から)いままで、その他大勢の人たちを都合のいいように使い捨ててきた歴史(なんといっても、奴隷制が長年合法化されていた国ですし、非合法になったあともいまだに人種差別が延々と続いている国です。そして女性差別や貧困層への対応の仕方もうまい国とはいえません。ハリケーン・カトリーナで明らかになってしまった天災をはるかに上回る人災が平気で起こってしまうような国でもあります)だとも書いています。★

 また、民主党と共和党という大差のない選択肢(両方とも、アメリカを実際に動かしている大企業とつながっている)しか提供しないことで、資本主義と国家主義というアメリカの政治的伝統を建国以来守り続けているわけです。

 それに対して、ヘレン・ケラーは、<この国の民主主義は名ばかりのものです。わたしたち女性が投票権を与えられたとしても、だからなんだというのでしょう? 似たり寄ったりの候補者二人のどちらかから、選ぶしかないのですから。> (下巻・13ページ)

→ 政党数は増えてしまいましたが、日本の状況もまったく変わりありません!!


★ こういうふうに書くことで、自分の国が嫌いになるのでしょうか? それとも、何とかしなくちゃ、と思うでしょうか? 権力を持っている人たちの多くは前者の考え方ですから、見てもらっては困るところはできるだけ隠す努力をします。場合によっては、粉飾すらします。 しかし、それで本当にいい国にできるのでしょうか? 美しい国に? 尊敬される国に?

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