今回も、昨日紹介した『ヒットラーの娘』に匹敵するような「変な」というか「理解しがたい」、それでいて「おもしろく」「不思議な」本です。
タイトルは、『E=mc²』。サブタイトルは、『世界一有名な方程式の「自伝」』。書いた人は、デイヴィッド・ボダニス。
アインシュタインの自伝ではありません。
多くの人がその式は知っていても、それが何を意味しているのか分からないその式が、いかに誕生して、どのような影響を与え(例えば、原爆や水爆など)、どのようなことを人間にわからせているのか(太陽の機能、地球と宇宙の成り立ちと運命)などを教えてくれる本です。
1回読んだだけでは、まだE=mc²を完全に理解できたとは言えませんが、私たちと同じように、『ギヴァー』のコミュニティも、確実にE=mc²に影響されている存在です。★
特に、『ギヴァー』のストーリーと関連して面白かったのは以下の点(86ページ)でした。
アインシュタインを導いたものは何だったのかというと、当時20代の半ばにして、彼は未知のものにひじょうに引きつけられたということである。彼は、「偉大なる長老」(彼は神のことをこのように呼んでいた)が人間たちの住む宇宙をどのような意図で造ったのかを理解することは、自分に課せられた義務だと考えていたのだ。
のちにアインシュタインは、次のように説明している。「私たちは、壁という壁がすべて天井までびっしりと、さまざま言語で書かれた書物で埋め尽くされている巨大な図書室に足を踏み入れた小さな子どものようなものです。この子どもは、これらの書物が何者かによって書かれたものだということを知っています。だが、誰がどのように書いたのかは知りません。これらの書物が書かれているさまざまな言語も知らない。しかしこの子どもは、これらの書物の配列のなかに、厳然たる計画、謎に満ちた秩序が存在することに気づきます。それはこの子どもの理解を越えたものですが、それでもこの子どもは、そのようなものがあるはずであると、漠然とではあるが感じているのです」
なんかちょっと、ジョナスのおかれた境遇に似ていると思われませんか?
★ 私は、『ギヴァー』のコミュニティのエネルギー源は、原子力ではないかと思っています。水力、火力、太陽光、風力、地熱などの可能性は極めて少ないと思わざるを得ないからです。
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