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2013年10月15日火曜日

戦争体験者の記憶 ①



 記憶絡みで、『戦争とたたかう ~ 憲法学者・久田栄正のルソン戦体験』水島朝穂著を読みました。(数字は、ページ数です。)

45 思考停止、判断停止を要求した。自分で判断できる兵隊では、命令を聞かなくなるという不安が帝国軍隊にはあった。つまり、これは本質的に民衆を信頼していない者の発想です。知識や判断能力は将校が独占する。兵隊はただ命令を聞くロボットに等しい。「俺命令する人」「お前命令される人」という構図が極端なまでにおし進められたのが帝国軍隊です。 → 今も行われ続けている教育、学校という制度??? そこを通過して、みんな社会人になっている。
46 内務班では、とにかく均質化、同質化が重視され、ちょっとでも違うことをやるとバーンと殴られた。 → 『ギヴァー』 そして、日本の学校そして社会。

 水上勉の『兵卒の鬣(たてがみ)』の中で(123~4ページ)、「おれは思うんやが、軍隊というところは、地方人(一般社会人)の権威をぜったいにととめんな。つまり、わしらは、シャバでは教師や課長や職長やという威張っておあれても、軍隊へくると一兵卒になる。入隊した日からつまり、地方で育ててきた生活の自信みたいなもんを、徹底的に破壊させてくれよる。この破壊は、上官の使命でもあって、またわしらは、都合よく、その指示に便乗して、心の中から破壊してしもた。もう、くたくたになった。そこがつけ目や・・・」
「地方人」を改造するメカニズムというのは、実によくできていたと思います。
 内務班は、「社会のドロを洗い流す場」なんていってましたからね。
 均質人間の製造工場 
 人間個人は一人ひとり顔が違うように、性格も嗜好も思想も多様である。その多様な個々人を均質的な製品に仕上げる「改造工程」は、それ自体、徹底した規則優先・管理主義を特徴とする。生活者としての人間個人のすべての側面(頭の毛から足の先まで、食べること、寝ること、排便、セックスに至るまで)が徹底機的に規則化・規格化される。 ← まさに、『ギヴァー』以上のことがやられていた!!!

49 内務班と現代の「校則」
 規則なんてもんじゃない。細かいだけでなく、無内容なことが実に詳細に規定化されている。人間は「考える葦」といわれるが、軍隊の内務班教育というのは、この考えるという人間の最も大切なことを奪ってしまう。何から何まで管理されると、人間は無気力になってくる。いわれたことをやるだけになる。これが、命令に絶対服従の人間を作るのに効果的だったんですね。
50 人間として扱っていない。

54 人間よりも物(兵器)を大切にせよという思想は帝国軍隊特有のものです。

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