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2013年10月25日金曜日

記憶が叡智をもたらしてくれる

 『ギヴァー』の中での、ギヴァーとジョナスとの会話です。

「叡智なくしては、私はまっとうすることができないのだ、<長老委員会>の求めがあった時に助言を与えるという私の使命をね」(156ページ)
「かれらは痛みについて知りたがらない。助言を求めるだけだ。だから、ただこう忠告したよ。」 ~ 要するには、記憶に残すことなく、痛むこともなく、単に忠告を聞くだけ。これって、軍備拡大(日本の戦争責任回避)路線の人たちがやろうとしていることそのもの?

「あなたが最後に助言を求められたのはいつなんです?」
「覚えているかね、飛行機がコミュニティの上空を飛んだ日のことを」 ~ 本の出だしのシーンでした。
「はい、怖かったです」
「かれらも怯えていた。飛行機を撃ち落とそうとした。だが、撃つ前に私の助言を求めてきたので、私は待つように言った」
「でも、あなたはどうやってわかったんです? パイロットがコースをまちがえたことが、なぜわかったんですか?」
「パイロットのミスがわかったわけじゃない。叡智を使ったのだ。記憶の中からね。私は知りつくしていたんのだよ。過去に何度も ~ 数えきれないほど何度も ~、人々が他の人々を滅ぼしてしまったケースをね。焦り、恐怖にかられて他を滅ぼせば、やがて自らをも破滅させることになる」(158ページ) ~ 要するには、こういう大切な叡智を葬りさろうとしている動き?



 もちろん、著者のローリーさんは、日本のことを念頭において、これを書いたわけではありません。主には、アメリカの読者が対象です。でも彼女は、ブッシュ息子(およびその一派)があんなアホなことを約7年後に仕出かすとは想像できたでしょうか? あまりにも叡智のない判断としか言いようがないわけですが、悲しいかな、それが西部劇の国であり続けるアメリカの一大特徴です。

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