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2013年10月10日木曜日

リリースについての著者の思い?



 前回の「ぬくもり、幸福、そして愛」の引用部分は、そのままこの本の中心テーマのひとつのリリース(解放)と直結しています。

 ローリーさん、ご両親が入居していた高齢者ケア施設を訪ねて、何が本当にいいのか、いろいろ悩んだことと思います。お母さんは、からだも目も不自由になったにもかかわらず記憶だけははっきりしていて、まさにギヴァーがレシーヴァー(ローリーさん)に記憶を流し込むように、いろいろな話をしたそうです。一方お父さんは、からだはいたって元気なのに記憶を失ってしまったそうです。

 そうした自分の体験をもとに、十分にケアの行き届いた老齢者の家を配置し、さらにリリース(解放)という処置まで設定しました。

 リリース(解放)は、双子の一人や、出来の相当悪い子(人)にも行われますが、基本的には、世話がかかりすぎる高齢者が中心のようです。一種の「尊厳死」とも捉えられなくはありません。

 今の日本の高齢者施設を見ても、サービスを提供される側もする側も、サービスの質や量の問題と同時に、そのことを考えさせられます。

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