しばらくぶりの『ギヴァー』と関連のある本です。
それは、絵本『せかいでいちばんつよい国』デビッド・マッキー作です。
<一部を紹介します。> 絵といっしょにコピーして紹介したいところですが、著作権に引っかかってはまずいので、遠慮しました。それほど、絵も文章もいいです!!
むかし、大きな国が ありました。
大きな国の 人びとは、じぶんたちの くらしほど すてきなものはないと、
かたく しんじていました。
この国の へいたいは、たいへん つよくて、 たいほうも もっています。
そこで 大きな国の だいとうりょうは、いろんな国へ、せんそうを しにいきました。
「せかいじゅうの 人びとを しあわせにするためだ。われわれが せいかいじゅうを せいふくすれば、 みんなが われわれと おなじように くらせるのだからな」
しばらくたつと、まだ せいふくされていない国は、たったひとつに ありました。
あんまり 小さな国なので、だいとうりょうは、これまで ほうっておいたのです。
小さな国に ついた だいとうりょうは おどろきました。
なんと、この国には へいたいが いなかったのです。
これでは せんそうが できないでは ありませんか。
小さな国の 人びとは、大きな国の へいたいたちを おきゃくように かんげいしました。
だいとうりょうは、いちばん りっぱな家を もらい、
へいたいたちは、あちこちの家に とめてもらうことに なりました。
へいたいたちは、小さな国の 人びとと おしゃべりをし、めずらしい 石けりを おしえてもらい、むかしばなしに 耳を かたむけました。
小さな国の 歌を ならい、じょうだんを きいて わらいころげました。
この国では たべものも かわっています。
へいたいたちは、台所に 入っていって、あじみをしました。
へぇ、おいしい!
ほかに することもないので、へいたいたちは、
小さな国の 人びとの しごとを てつだうように なりました。
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なつかしい ふるさとに もどった だいとうりょうは、ほっとしました。
ところが、おやおや、なんだか ようすが へんです。
あちこちの家から、小さな国で たべていた りょうりの においが してきます。
小さな国 石けりが はやっています。小さな国の ふくを きている人も いました。
だいとうりょうは、にやりと わらいました。
「まあ いいさ。 どれも これも、せんそうで ぶんどってきた ものだからな」
<紹介、終わり>
大きな国は、アメリカ? 中国?
小さな国は、ニホンや『ギヴァー』のコミュニティであってほしい気はしますが、はるかに及びません。ニホンの場合は、近づこうとしているようには思えません。『ギヴァー』のコミュニティではジョナスがコミュニティを飛び出したことによって、これまでの秩序が乱されることになりますから、今後どうなるかはまったくわかりません。(その方が、ニホンよりは可能性がはるかに高いような気がします。)
ちなみに、井上ひさしさんの『吉里吉里人』も、同じ発想のもとに書かれた本ですので、ぜひご一読を。