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2010年12月7日火曜日

『夢に迷う脳』 4

 今回は、情動(感情)の大切さについてです。

216 ヒトは生まれる前にレム睡眠に似た状態の中でかなりの時間をすごすものである。最新の技術を用いれば、わずか20週齢の胎児でさえ、その眼球運動を観察することができる。

219 赤ん坊は生まれながらに情動を示すさまざまなレパートリーを持ち合わせている。こういった行為は生まれるよりもかなり前から、レム睡眠の間、自己活性化した脳によってプログラムされているのだ。

220 夢を見るからこそ学習できる

227 なぜ、科学が情動と向かい合うことが重要なのか? それは、感情が思考に影響を与えるだけでなく、知性とは独立した世界を知る非常に大事な手段だからだ。

 (この後の部分で、夢にまつわるフロイト批判が書かれている。)

233 感情は自分だけに向けた信号ではなく、私たちの心脳状態を他人に伝えるメッセージであり、メッセージは行動としてコード化されているのである。情動は、近づきやすさ、親しみやすさ、愛想のよさを、言葉よりもしばしばはっきりと直接的に伝える。親しい関係になると、情動を抑制するものはなくなる。情動こそ親しい人間関係を築く要素なのだ。

 情動の種類:怒り、不安‐恐怖、恥じらい‐罪の意識、悲しさ、喜び‐高揚感、愛情‐性愛、驚きなど。

238 情動はどこからやって来るか? 情動はあらゆる活性化した心脳状態にとって欠くことのできない、独立した部分なのだ。夢の情動をもっと慎重に調べていけば、人間性の基盤となる側面への理解は一段と深まるだろう。

243 情動は何の役に立つのか? もしダーウィンが『種の起源』(1859年)の著者として名を馳せていなければ、『人間及び動物の表情』(1872年)と題された別の著書で認知され評価されたことだろう。情動は動物が他の動物に心脳状態を正確に伝える大切な信号だということを、ダーウィンははっきりと見抜いていた。

246 生物学におけるダーウィン進化論は、その後、大きく2つの道へと分かれていった。ひとつは分子遺伝学。もうひとつは、動物行動学だ。

→ 学ぶ時、情動・感情は無視されています。あたかも関係ないものが如く。でも、実際は大きく影響しています。そのことがわかっているなら、うまく活用した方がはるかに効果的な学びが得られます。
  なお、科学も情動を遠ざけてきたようです(226ページ)。

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