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2010年12月19日日曜日

『聖なる地球のつどいかな』 3

240 すでに私たちはあまりにも多くの情報を持ちすぎているんです。問題は情報が多ければいいということではなくて、今ある情報をいかに理解するかということですよ。

 情報革命によって失いつつあるものは、自分たちの時間のような気がしますね。個人的な経験、肉体的な経験が、ひじょうに抽象的なものにとってかわってきている。具体的で肉体的な経験というものを失いつつあるんです。情報の質ということからすれば、ハイクオリティーな情報というのはひとつ以上の感覚を通して手に入れるものなんですよ。たとえば見たり、聞いたり、嗅いでみたり、感じてみたり、ですね。

 たとえ愛も、ひとつ以上の感覚を通して得るものです。

→ 俳句や詩をつくろうとすると、ひとつ以上の感覚を通して手にすることがよくわかります。

242 手紙 vs. Eメール

243 コンピューターは自分の心、気持ちがなければ動かないし、キーボードは自分の言葉がないと打てません。なにより言葉は我々の最高のテクノロジーなんです。私たちはまだそれを認識していないだけなんですよ。

→ 『ギヴァー』の中でも、「言葉」は一つの大切なテーマだったように思います。でも、それが描かれているコミュニティの中では、なんか通じ合っているという感覚よりも、ブツブツ切れているという感覚をもちますね。

243 『亀の島』の詩の中に、「科学は美しい、美である(Science walks in beauty)」という一行がありますが、どういう意味ですか?

  これは、ナバホから来ています。「生きるための、そして精神的な修業のための大事なポイントは美の中を歩むことである」とナバホは言っているんですよ。つまり世界の中に存在する美を見出すこと、世界を美しいものとして見なさい、ということです。

244 つまりここで言う美とは、世界をよく見ることができるのであれば、それは美しいものとして見ることができる、ということです。実際そうなんですよ。科学の世界というものは、世界の美の多層性を見せてくれるような情報をたくさん持っているんです。

245 私はこれからの21世紀の詩は科学を吸収しないといけないと思っています。

 確かにそうですね。詩と科学は姉妹のようなものですね。

246 科学をたくさん取り入れていた宮沢賢治の詩。それから仏教も。

→ 科学と宗教は、『ギヴァー』のコミュニティはあえて排除していたのかな??

260 今後どういう時代を迎え、どういう暮らし方をしていくべきか?

  地球を尊敬して生きていくということが基本だと思います。具体的に言えば、「土」「水」「森」「空気」「時間」それから「心」に対する尊敬です。

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