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2010年12月1日水曜日

『心って なに?』 1

 『ギヴァー』と関連のある本と位置づけられるのかどうかは定かでありません。
 タイトルは、『心って なに?』(秋山さと子著、ほるぷ出版)です。

 ちょっと夢とは関係のないタイトルのようですが、夢についてたくさん書いている人のわかりやすい本(絵本仕立て)だったこともあり、最初に読んでみました。

 長いので、2つに分けて紹介します。


5 シャドウ ~ 自分になれなかった自分
 夢の中にでてくる...あなたにとってこわくていやな連中を、ユング心理学では、シャドウ(影)とよんでいます。
 「なんだか自分が思うようにならない」「心の中にもやもやしたものがある」 それはきっと心の中の薄暗いところにひそんでいるシャドウ(怪獣たち)のせいではないでしょうか。

→ モーリス・センダックの絵本『かいじゅうたちのいるところ』を思い出してしまいました。

7 誰でもいやなもの、嫌いなものについては考えたくないので、シャドウはいつも忘れられています。よくわからないことや、自分に都合の悪いものは、できるだけ意識の世界から追い出して、いつまでも忘れていられる無意識の領域に押しこもうとするのです。
 心の旅をすると、たいてい1番先に出合うのが、これら無意識の世界で、日の目も見ずにうごめいているお化けのようなシャドウたちです。(それらは、あなたがよく知らないもの、苦手なもの、不得意なものなどです。)

→ 夢の中には、そういうものも現れるとされているようです。

11 自分ではなかなか気がつかない、自分自身の欠点でもあるシャドウを知る手がかりの一つは、神話や昔話に親しむことです。
 シャドウの中には鬼のような敵ばかりではなく、自分を助けてくれる味方もいるのです。
 たとえば、桃太郎のお供をする犬や猿や雉は、まだ十分に発達していない桃太郎の心の働きが昔話の中で動物の姿をとってあらわれたものと考えることもできるでしょう。桃太郎はまわりのものをよく見分ける感覚は持っていましたが、これにやさしく暖かい感情をあらわす犬や、人間になるには毛が3本足りないけれど、どれでも動物の中では思考的な猿、そして、矢のように飛んで敵を偵察する直感を示す雉に助けられて、鬼ヶ島を征伐しました。犬も猿も雉も、それぞれこれから育つ心の働きで、桃太郎のシャドウであるといえるでしょう。

→ こういう解釈もあり得たんですね。 私がこれまでにおもしろいな~と思った桃太郎の解釈というか解読は、外山滋比古著の『「読み」の整理学』(ちくま文庫)のエピローグ「モモタロウ」解読(214~218ページ)でした。

15 大人になるということは、それぞれ違う環境に育ち、違う考えを持った人たちの間で暮らすことです。
 子供時代には、みんな一緒に楽しく遊べたのに、大人になるとそう簡単にはいきません。自分と他人の区別がますますはっきりしてくるからです。誰もが自分の考えを押し通そうとすれば、そこら中で他の人とぶつかります。そこで大人は社会を上手に動かすために、それぞれ仮面をかぶって生きているのです。
 ユングはこのような仮面をペルソナとよびました。いつも自分をむきだしにして自分を傷つけたくないし、また、他人も傷つけたくない。そんなときに人はペルソナをつけます。それは他人との距離のとり方です。

19 ペルソナは人生ドラマの小道具として仮面や衣装です。それは社会の中でうまく生きていくために必要なもので、役割が変わるたびにとりかえるものです。しかし、大切なのは、そのうしろにいるあなた自身の心であることを忘れないでください。

→ この辺、納得する部分もあるし、また全面的に賛成してしまうと、疲れるよな~、とも思います。仮面であるペルソナはたくさんあっても、心はぶれない方がいいということですね。

19 心の奥からまいあがる感情というものは、なかなか言葉ではいいあらわせません。筋をおって説明することもできません。
 夢はその気持ちを、ドラマの形にしてあらわします。悲劇や喜劇のように、涙や笑いを誘い出し、一口にはいえないような矛盾した心の内容を、ストーリーの形で感動をまきおこしながら伝えてくれるのです。
 夢は自分一人で、いろいろな役を演じるドラマです。自分が作者で脚本家、演出家で配役も自分で決めます。そしてしばしば自分が主役を演じ、他の自分の分身たちを相手にドラマを作りだします。そのうえ、それを自分で見るという観客の役割までする、自分の一人芝居です。そこで演じられる主題は、日常のちょっとした気持ちの行き違いからくる心の揺れから、壮大で神話的な雰囲気をもった古典演劇のようなものまであります。

→ この夢の捉え方、誰でもうなずける部分があるのではないでしょうか。

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