先日、ある中学校の研修会で、授業中に教師が話している割合を尋ねたところ、ほぼ全員が7割以上と、自己評価しました。次に、理想の割合を聞いたところ、7割以上と答えた人は一人もおらず、多くの人が4~6割と答え、4割以下も4分の1ぐらいいました。
この数字は、中学校に限定されず、小学校でも、高校でも、大学でも、そして成人教育でも同じような割合を示すのではないかと思います。
何が言いたいかというと、少なくとも学校でいいコミュニケーション/いい話し合いは学んでいないということです。家庭や会社も、同じレベルだと思います。(ある意味で、すべてつながっていますから。)
では、どこにいいコミュニケーション/話し合いのモデルを見出すか?
一つ紹介できるのは、11月1日に紹介した「ブック・クラブ」です。『ギヴァー』を読んだ4人の小学校6年生たちの感想が紹介されています。(子どもたちの話し合いの詳しい記録を読んでみたい方は、メールをください。喜んでお送りします。)別に、『ギヴァー』でないと、疑問を引き出したり、考えを深めたり、広げたりなどが難しいということはありません。ある程度内容のある本なら(あるいは、詩や絵や写真や映画などでも)可能です。
教師がまったく介入しなくても、子どもたちは十分に話し合える力を持っています。どうも、そのチャンスを奪っているのは、教師というよりも、授業の形態(=一斉授業)のようです。
さらに言えば、学校教育の中では、それなりに読みと書きは習慣的に大事にされていますが(なんと言っても、読み・書き・そろばんと言われているぐらいですから。しかし、それらが身につくレベルで大事にされているかということは、また別問題です!)、聞く・話すは軽視され続けています。それは、文科省が出している指導要領のそれぞれにあてがわれている時数を見れば明らかになってしまいます。しかも、その少ない時間で重視されているのは、みんなの前で発表するタイプの話し方で、必ずしも私たちが日常的に使うコミュニケーションを図ったり、いい話し合いをすることではありません。
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