ここ数日、アマゾンで「哲学」で上位にヒットした200冊ぐらいの中から、読みたい! と思えるのを図書館で借りて、実際実物を手にとって、さらに「読みたい!」「読めそう!」と思えるのを読んでいますが、その数は実に少ないです。(私がいかに哲学向きにできていないかを、証明しているにすぎません!)
その中で、野矢茂樹著の『哲学の謎』は、「おもしろそうで、おもしろくない。おもしろくなさそうで、おもしろい」という感じの本でした。
「生物が絶滅しても夕焼けは赤いか」からはじまり、1章を「自分が“赤”と呼んでいる色は他人が“赤”と呼んでいる色と本当に同じ色なのか」に費やしています。 <ジョナスの、りんごの赤を思い出します!>
このことに関しては、「色は対象そのものの性質ではなく、むしろ、対象とそれを見るものとの合作とでも言うべきではないか」(13ページ)や、「ぼくの意識の世界と君の意識の世界と実在の世界の3つの世界があることになるのかな」(15ページ)などと投げかけてくれています。
この本で取り上げられているテーマ(とキーワード)は、
・意識・実在・他者 (夕焼けは、ここの書き出し)
・記憶と過去 ~ 記憶される過去・語り出される過去
・時の流れ ~ 永遠の「いま」、意味の変貌・自己認識・時の流れ
・私的体験 (上記の赤色の考察) ~ 意味の自閉、私的言語
・経験と知 ~ 経験の一般化・経験の意味
・規範の生成 ~ 正常と異常、規範の学習
・意味の在りか ~ 一般観念、意味理解、言語の構造、ものの名前
・行為と意志 ~ 意志という動力、意志から意味へ、意図の探究
・自由 ~ 自然という観点・実践という観点、決定された世界、非決定の世界、虚構の介入
『ギヴァー』の中で扱っているものばかりのような気がしないではありません。
提示の仕方が単純に違うだけで。
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