色といえば、瞳の色も気になります。
明るい瞳が象徴しているものは何か?
妹のリリーに「もしかしてあの子(ゲイブリエルのこと)、お兄ちゃんと同じ<出産母>なんじゃないの」と言わせた後で、著者はこう書いています。
「明るい瞳は、たんにめずらしいというだけじゃない。その持ち主にある特別な表情を与えるのだ ~ どんな? 深みだ、と彼は確信した。まるで、河の澄んだ水に見入っていると、深い水底に、まだ発見されていない何かがひそんでいるのではないかと感じる時のような。ジョナスは自分のことが気になりだした。ぼくもそんな表情をしているのだろうか。」(32ページ)
さらに、ジョナスがギヴァーと最初に近くで会ったときに、「ジョナスはおずおずとその明るい瞳に見入った。それは彼自身の瞳とよく似ていた」(104ページ)とも書いてあります。
この3人は全員が記憶を受け取ることができる人たちですから、明るい瞳とレシーヴァーであることは相関関係にあるようです。リリーにも記憶を伝えようとしましたが、ジョナスは失敗した経験を持っていますから。
その意味では、ジョナスはレシーヴァーになることが運命づけられていたとも言えなくはありません。
また、明るい瞳が「彼方を見る」力、普通の人には見えない何かが見える力、色も含めて異なるものを見る力とも関係があるようです。
さらには、感情をもてるということとも関係があるのかもしれません。
ジョナスがゲイブリエルに対して特別な絆を感じていました。その理由は、明るい瞳をもっているだけでなく、記憶を受け取れることや解放寸前の身になってしまったことなどが複合したものではあったと思いますが。
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