雪とソリは、切り離せないので一緒に扱います。
それらは、ジョナスがギヴァーから最初に注がれた記憶でした。(109~ 115ページ)
そして最終章に、あのクリスマスの家族団欒のシーンと一緒に再び登場します。
最初に『ギヴァー』を読んだ時に、ちゃんと布石を置いておくんだと感心したものです。
しかし、よく読みなおすと、雪とソリはその間に2回も登場しています。
1回は、赤の色をソリに見るところ(127ページ)と、はじめて耐えられない痛さを体験するシーンです(152~4ページ)。
これだけ何回も出てくるのですから、相当のこだわりを感じます。
楽しさとこわさの両面を表している気がします。快感と恐ろしさ、あるいは希望と破滅と言ったほうがいいかもしれません。
最終章の第23章は、実際に起こっていることなのか、すでにジョナスが幻覚を見ている状態に入っているのかわかりません。私は、前者をとりたいです。そんな中で、象徴的に出てくるのが雪であり、そしてソリなのです。ジョナスとゲイブリエルを<よそ>に導くために。ある意味で、記憶や夢が現実のものとなるのです。
そういえば、ジョナスは自分のコミュニティにいる限りは、天気は制御されているので雪など降るはずもないのでした。
0 件のコメント:
コメントを投稿