ジョナスのコミュニティには、人間以外の動物は存在しないようです。
ジョナスは、違法な象狩りをしている人たちの記憶をギヴァーから受け継いだことも(140ページ)、「歓喜に満ちたある記憶の中では、輝く毛並みをした栗毛の馬にまたがり、湿った草の匂いのする草原を疾駆した。小川のほとりで馬の背から降り、馬といっしょに冷たく澄んだ水でのどをうるおした。今では動物のことがよくわかった。その記憶の中で馬は小川から首を上げると、ジョナスの肩を親しげに頭でこづいた。ジョナスは動物と人間の絆というものを理解した」(170ページ)ともあります。
この感覚を共有できるのは、ギヴァーとジョナスの二人だけです。
他の住人たちは、それが本当に生きていた動物たちであることを理解することなく、安眠アイテムとしての関わりしかもっていません(29や33ページ)。
この事実が象徴していることはいったい何でしょうか?
かけがえのないものを「もっと大切にして!」という著者のメッセージというか、悲鳴のような気がします。
<よそ>に近づいた時、ジョナスは鳥を見、そして自分のコミュニティには存在しないたくさんの植物や魚なども見ます。
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