ローリーさんへのインタビューに戻ります。
「書くことで簡単なことは何ですか? 難しいことは?」
「ん~、それは考えてみないと、すぐには答えられないわね。簡単なことは、書きはじめと書き終わりね。書き始めるときは、いつも興奮します。それと同じぐらい最後の部分もです。『ギヴァー』の読者が、最後の部分についていろいろ言っていることは知っていますが、すべてを含めた上で、どこで終わったらいいのかを判断することは、私にとっては難しいことではありません。なお、私は完璧な終わり方よりも、読者が自分で考え続けるものを残した終わり方のほうがいいとも思っています。
はじめと終わりが簡単だということは、残りの真ん中が難しいということになります。たくさんのことを織り込まないといけないからです。それをうまくやることは難しいことです」
(出典: A Reading Guide to The Giver, by Jeannette Sanderson, Scholastic, p. 15-6)
私は、最初に『ザ・ギバー』を読んだ時から、終わり方が好きです。彼女自身が言っているように、こちらに読み方を委ねるような終わり方なので。私は、もちろん<よそ>に着けたと思いました。
そして、真ん中の「たくさんのことをうまく織り込まないといけない」難しい部分も、とてもうまく書いているな~、と何回読んでもうなってしまいます。
最初が、最後と同じで結構不評な感想をもらうことが少なくありません。わかりにくいというか、とっつきにくいというのです。それで新訳では、登場人物を最初に掲載してみた次第です。 でも何回か読んでいると、この始まりも、かなり味わいのある始まり方だと思えてきます。(私は相当『ギヴァー』にはまっているというか、とりこになっているからかもしれません。)
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