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2010年7月12日月曜日

『ギヴァー』というタイトル

 「ギヴァー」と「レシーヴァー」は、当然のことながら、この本のカギとなる言葉です。

 基本的に、それは記憶に関して使われています。

 そのことを象徴する意味でも、新訳では「記憶を注ぐ者」と「記憶の器」という言葉が使われています。(講談社訳では、「記憶を伝える者」と「記憶を受けつぐ者」とやくされていました。)

 レシーヴァーは、新しいレシーヴァーが選出された段階で、ギヴァーになります。

 私たちは、ギヴァーは年老いた人のことしかイメージしないかもしれませんが、ジョナスもゲイブリエルに記憶を注ぎ始めることでギヴァーになりはじめ、物語の最後の方では、彼のありったけのいい(温かい)記憶をゲイブリエルに注ぎ続けていました。

 その意味でも、絵本『てん』の内容に似ています。インスパイアーする人(元気にする人/息を吹き込む人)とインスパイアーされる人(元気にされる人/息を吹き込まれる人)との関係に。

 そして、みんなが「ギヴァー」や「インスパイアーする人」になれるという意味が込められているところまで。

  さらには、与えたり受け取るのは、記憶だけでなく、知識や体験などでもいいと思います。

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