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2010年7月19日月曜日

フィードバック

 つい先週、参議員選挙がありました。あれにしても、学校での授業にしても、そしてジョナスのコミュニティにしても、ほとんど改善するための「フィードバック」機能が存在していません。よりよくするためには、不可欠なものなのに。

 参議員選挙に限らず日本で行われている選挙と学校や大学で行われている授業(さらに各種研修も)は、あたかもなんの問題もないが如く、同じことが繰り返され続けています。学校・大学・研修等では、授業評価的なものは導入されていますが、それらはほとんどジョナスの家族がしていた<感情共有>のレベルですから、ガス抜き機能しか果たしていません。(要するに、真の振り返り/評価/フィードバックになっていない、ということ。改善されることがないのですから。)

 『リーディング・ワークショップ』の中には、評価の項目の中(=第7章)に、①「教え方の改善に向けてのフィードバックを得る」や②「多様な段階にいる子どもたちに対応するための評価」などが設けられています。

 要するに、①教え方を改善するために評価が位置づけられており、そのために子どもたちからフィードバックをもらうことは欠かせないというわけですし、②子どもたちの学びを向上することが評価のそもそものねらいですから、単に5段階評価やテストの点数をつけるぐらいでそれは実現できるはずがなく、従って、子どもたちの学び(および学び方)を改善するために評価が行われているわけです。

 さらに言えば、リーディング・ワークショップは、「自立した読み手を育てる」ことを目的に掲げていますから、その中の重要な要素の一つは自己評価ができることになりますから、教師が下す評定や成績に満足しているだけでは、それは実現しません。

 この辺のことについて詳しく知りたい方は、『テストだけでは測れない!』(NHK生活人新書)をお読みください。

 ある意味で、ジョナスがかなりの記憶を注がれ、そして彼自身の生まれながらの素質もあって、ジョナスのコミュニティでは極めて稀としか言いようがない「自立した個」が二人存在することになった結果、フィードバック機能がある程度ギヴァーとジョナスの間で生じるようになったことが、これまでとは違う展開が可能になった気がするわけです。

 タイトルは、遠慮気味に「フィードバック」としましたが、私たちの社会はフィードバックも「評価」も機能していない社会のようです。

 「マニュアル通りにやっているだけじゃ、ダメですよ!」「ちゃんと、フィードバック・ループを確保して!」というローリーさんの声が聞こえてきます。

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