前回は、理科との関連を紹介しましたが、今回は算数・数学との関連です。
紹介する本は、『生き抜くための数学入門』(新井紀子著、理論社)
以下、ちょっと長いですが、そのまま引用します。(数字は、ページ数です。)
7 正直に言うと、私は算数も数学もあんまり得意ではありませんでした。
というか、学校で習った科目のうち、一番苦手で一番きらいだったのが、数学なのです。
どれくらいきらいか、というと。
ピーマンよりも、カメムシよりも、校庭10周マラソンよりも、数学がきらい。
数学なんか、この世からなくなったらいい。
数学の授業の何が一番いやかって、それは、例題を見ながら練習問題をまちがえずにたくさん解かないといけない、っていうところ。練習問題をたくさん解いていると、自分が機械になっちゃったような気がするんだもの。そして計算まちがいをして×がつくと、不良品になった感じがするんだもの。
ふん! 数学ができるからって、えばるなよ。べつに因数分解ができたからって、図形の補助線をうまく引けたからって、そんなことちっともえらくない。幸せとは全然関係ないじゃん。
そう思ってました。
いまふりかえって考えるに、数学がきらい、というよりも、数学がこわかったんだな。「あなたはだめです。失格」って、数学に宣言されちゃうのが、こわかったんだろうと思います。
9 いまだに学校の数学は苦手です。
なぜ、学校の数学は苦手なのに、数学者なのか。どうして数学はきらいなのに、数学の本を書くのか。それは、たぶん、学校の数学に変わってもらいたい、と思っているからかもしれません。あのさ、数学のための数学じゃなくて、芸術のための数学でもなくて、子どもがハッピーな大人になるために学校でどうしても習う必要があるような数学になろうよ、って。
10 問1: 円周率とは何でしょう?
まずは「円周率とは、・・・です」という定義をかいてください。そして、その定義にもとづいて、円周率が3.から始まる理由を論理的に説明してみましょう。
問2: 正解者が1割に満たなかったグループは?
1 中学1年
2 有名高校1年
3 有名大学1年
4 霞ヶ関の高級官僚
5 新聞社の記者
答えは、全部。
18 困るのは、こういう問題を聞かれたときに、何をどうしたらいいかわからなくなって、非論理的なこと。円周率がなんであるかを理論する前に、「円周率が3になったら、子どもが全員バカになる」なんていってしまうことなんです。
19 日本人は、どうも「とは」と「なぜ」の力を、学校でも社会でもちゃんときたえていないらしい。
この問題を解けない人が悪いのではないのです。この問題を見てうろたえないような教育を学校でしてないから、こういうことになっちゃったんです。
21 「島とは何か」 ~ 領土問題
24 暴力は避けたい。だけど、自分の主張も通したい。自分のたいせつなものは、ちゃんと自分で守りたい。そういう人に必要なのは、「とは」と「なぜ」の力です。
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