ここしばらく、スウェーデンのオレブロ市の(それも、3以降は、コミュニティ・スクールの)事例を紹介しているのは、『ギヴァー』の舞台設定となっているコミュニティの意思決定や、それへの住民/構成員の参加の仕方は、いったいどうなってるんだ、という素朴な疑問から発していました。
民主的な物事の決定の仕方というよりは、「長老たち」による合議制で決まっているようです。
それで思い出すのは、塩野七生著の『ローマ人の物語』です。
その中では、共和制(=元老院の合議制)による意思決定について書かれていますし、カエサルによって築かれた終身独裁官による統治(帝政)についても書かれています。もちろん、そのスケールはジョナスのコミュニティとは段違いですが。 (ちなみに、カエサルは初代の終身独裁官ではなく2番目でした。)
『ローマ人の物語』は、そういう統治機構について考えるのに、とてもおもしろい本ですが、「記憶」ということについてもいろいろな示唆を与えてくれると思います。
また、ジョナスのコミュニティの宗教については皆目わかりませんが、『ローマ人の物語』は多神教だったローマがキリスト教に移行する過程などについてもおもしろく描かれています。
そして、おそらく塩野さん自身の主テーマであるリーダーおよびリーダーシップについては当然のことながら。
そういえば、塩野さんのルネッサンスものも、同じようなテーマを扱っていました。
例えば、ベネチアを主人公にした『海の都の物語』は、もう20年ぐらい前に読んだ記憶がありますが、ベネチアという国家/コミュニティをいかに維持したらいいかという壮大な物語だったはずです。
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