スウェーデンのオレブロ市の行政区の一つのティスリンゲの都市計画・環境の領域の事業を一つ紹介します。ちょっと古いですが、私が一回目に訪ねた1996年3月当時の話です。
1992年にブラジルのリオデジャネイロの地球サミットで採択されたアジェンダ21を地域レベルで取り組もうと4夜連続のイベントを開催する準備をしていました。やり方は、ビジネス関係者、農業従事者、若者を対象として、対象には単に参加者としてではなく、情報提供者や企画委員として関ってもらいながら展開していました。つまり、主な対象がビジネス関係者の夜は、その代表を何人か講師に呼ぶ。若者の場合は、講演は一切なしで、セカンドハンドの服を使ってのファッション・ショーを通して環境に迫ろうという企画。イベンの最後の30分ぐらいは、ディスカションの時間を確保し、参加者の考えやアイディアを出してもらうというのです。(このような、対象を明確に設定して、その人たちに受け入れられるアプローチを取ることを、「ターゲット・アプローチ」といいいます。日本では、マーケティング=商売の世界では当たり前になっていますが、役所などの公的な組織はまだ採用していません。かたくなに「一般市民」が存在するという前提で事業を行っています。)
一方的に、行政側の考えを押し付けるのではなく、地元の人の考えやアイディアを聞くことを中心に据えていました。アジェンダ21について知ってもらうことと、議論をかもし出すことをねらいに設定して、すでに役所が作成したローカル・アジェンダ21の取り組みの啓蒙書を普及することは二義的な位置づけにしていました。区としては、今回の取り組みを、緑が多いところでの生活を楽しむこと、エコ・ツーリズムを通して観光客を増やして、まちの活性化を図ろうとする試みの枠の中で捉えていました。(ここでも過疎化は進んでいました。)
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