すでに、このブログでは井上ひさしさんの『吉里吉里人』と『ボローニャ紀行』は関連のある本として紹介しました。
『ボローニャ紀行』はタイトルを挙げただけで、内容にはまったく触れていませんでしたから、一言。
井上さんが30年の長きにわたって憧れの地だったところをようやく訪問した記録です。市民社会の営みを垣間見せてくれます。(なんと、NHKのロケ班と一緒にボローニャの飛行場に着いたとたんに、井上さんのボストンバッグが盗まれるハプニング付き。確か、本はNHKスペシャルの副産物です。2010年の1月の段階では、この映像見ていませんでしたが、2011年の1月に行われたイタリア・スペシャル月間の中で再放送をしっかり見ることができました。)
今日のテーマは、『四千万歩の男』です。
この本は、井上さんの視点から見た伊能忠敬の評伝です。隠居してから道楽で日本全国の地図づくりをして歩き回った人です。それも、1回ずつ回ったのではなく、複数回行っているところ数知れず、です。そんなことをしたので、忠敬隠密説まであるぐらいです。
こういう道楽をたくさんの人がやっている社会が、ひょっとしたらボローニャに凝縮されているのかな~、と思ったりもしました。(読んだ順番は逆ですが。)
そして、『ギヴァー』との関連で言えば、ジョナスが所属するコミュニティは「隠居してから他のコミュニティも含めて地図づくりをして歩き回るような道楽」をまったく許さない社会です。
それに比べると、我が日本はボローニャまでとは言わないまでも、まだ細々かもしれませんが、江戸時代に忠敬が実行したことが残っている社会ではあります。
これを、もっと盛んにしていくにはどうしたらいいのでしょうか?
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