★本ブログへのご意見・ご感想などは giverprojectjapan@gmail.com までどうぞ。


2009年12月14日月曜日

ブログの名称変更

復刊が決まり、いつまでもブログ名が「ザ・ギバー復刊プロジェクト」のままではおかしいので、変更します。


というよりも、もともとの名前に戻りました。
実は、1年半前に復刊して出すことを決めた時の名称が、「『ザ・ギバー』を全国の読者に届ける会」だったのです。
しかし、タイトル・コンテストを経て新しいタイトルが『ギヴァー』に決定したので、会の名称も 「『ギヴァー』を全国の読者に届ける会」になりました。


会の当初の目的は、復刊でしたから、わかりやすい名称を使った次第です。


★次の目標は、アメリカで売れている530万部の1%です。
たかだか1%ですが、530万部の1%は結構な数です。すでに、講談社が1万数千部は売ってくれているはずなので、残りは4万部に設定しています。
協力していただく際の条件等はこれまでと変わりませんので、今後ともよろしくお願いいたします。
(詳しくは、giver@shinhyoron.co.jp に連絡してください。)

2009年12月8日火曜日

小6のブッククラブの後の「紹介文」

ブック・クラブで「ザ・ギバー」を読んだ子達の、本の「紹介文」です。
題名と帯についてはまた別に考えてもらっています。


順番はいつものように同じです。



*****************************


 この本の舞台は、一見平和で素晴らしく見えるけど、全ての行動が法律で決まっている“コミュニティー”と呼ばれる世界。このコミュニティーの世界に住む人々は、12歳になると、委員会というところから、1人1人職業が任命される。自分で職業を選ぶことなどできないのだ。
 そして、主人公ジョーナスが12歳になり、“12歳の儀式”を迎える。ジョーナスの職業やいかに!!!
 もう一つ、“リリース”という言葉がある。ヘリコプターの操縦を間違え、ヘリを反対に動かしてしまい、あわてて戻って行ったパイロット。そのパイロットには“リリース”とうい運命が待っている。“リリース”とは何か?? それは読んでからのお楽しみ♪
 この本のテーマ…それは「愛」や「平和」「幸せ」などなど…その他たくさんある。自分はコミュニティーのような世界と今住んでいるこの世界、どっちがいいんだろう? 
 今の地球について、よく考えさせられる本です。是非、読んでみて下さい!! 超オススメです!

*****************************


 この話は、はっきり言って最初はわけがわからないと思います。でも、たくさんの疑問が出てきて、みんなで話し合ってみるとすごくおもしろいので、何人かで読むのがおすすめです。ぜひお友達と!
 えーっと、主人公はジョーナス。彼の住む世界はなんだかとても変です。どこが変なのかは…、読んでからのお楽しみ~♪ ということで、でも本当に考えさせられる本です。
 「本当の幸せとはなんなのか?」「私達はこんな風になってはいないだろうか?」など。答えはそれぞれ。そう、この人それぞれこそが、本当の幸せなのではないでしょうか。自分らしく生まれ、自分らしく育ち、自分らしく過ごし、自分らしく死ぬ。これこそが、本当の幸せ、本当の「生きる」ということなのではないでしょうか。と私は思いました。みなさんも、この本を読んでいろんなことを考えてみてください。答えはみなそれぞれ違うはずです。なぜならば、それが「生きる」ということだと思うからです。


*****************************


 この本は、「ジョーナス」という男の子の話。この本の世界には規則があり、係(つまり仕事)があった。ジョーナスには、12才に近づくにつれ、あることが心配になってきます。そしてジョーナスは……???


*****************************


 この話は未来の世界の話です。動物がいなくて、食事や服などがすべて管理されていて、犯罪や戦争がない世界にいるジョーナスが、職業を任命する儀式で、「記憶を受けつぐ者」に選ばれます。そして、過去の記憶(今の世界)を「記憶を伝える者」のザ・ギバーから受けつぐことになります。ジョーナスはだんだん記憶を受けつぐうちに、今、ジョーナスが住んでいる世界はおかしいと感じていきます。そして、ザ・ギバーとこの世界を変える計画をたてるのですが…
 ぜひ、読んでみてください。

*****************************


帯になりそうかなとjも思ったんですが・・・
どうでしょう?

2009年12月4日金曜日

小6のブッククラブ4回目

ついに「ザ・ギバー」のブック・クラブ最終回(全4回)の報告です。
衝撃のラストシーンを読み終えた子どもたちの読み、
そして、最後の話し合いを終えた後の振り返りをじっくりお読みください。
かなり長いです。

(順番はいつものとおりですので、変容をみてください)


**********************************

~思ったこと・感想~
 ジョーナスのお父さん、ひどい!! 思ったよりいい人じゃなかった。でも、この本の中の世界は、そうしなければいけないんだと思う。いけないっていうか、するのが当たり前(?)になってしまって、しょうがないことだと思っているんだと思う。それに、最後<いずこ>へ到達したんだろうけど、<いずこ>が今の私たち人間が住んでいるこの世界なのかなぁ。裏表紙の絵は、いずこに着いたときの絵??


~質問~
・ギバー(記憶を伝える者)は1人で大丈夫??
・新しい記憶を受けつぐ者はいない?
・いずこにはどんな人がいる?
・ゲイブリエルとジョーナスが<いずこ>に着いた後は…?どうなるか?
・ロイス・ローリーが言いたかったことは?
・<いずこ>はコミュニティーなの?
・父や母がいるコミュニティーには戻れない?戻れなくてさびしくない?
・<いずこ>とコミュニティー、どっちが幸せ?
・なんでリリースされたら<いずこ>へ送られるの?


~本を読んでわかった(?)・感じたこと~
 <いずこ>っていうのは、きっと今の私たちが住んでいる場所みたいなところなんだろうなってこと。きっとコミュニティーにいることがいやになったことでリリースしてもらって、今の私たちの世界のような場所に来ることで、コミュニティーよりも<いずこ>にいたいって思ったんだと思う。(リリースされただれもが)だって、もし<いずこ>より、コミュニティーのほうがいいと思ったら、コミュニティーに戻ってくるはずだから。つまり…


~自分の考え~
 私たち人間は、コミュニティーのような「争いははいけど強制された世界」よりも、「争いはあるけど自由な世界」を選んだのだと思う。それで…

 人々は「せっかくこの世界を選んだのだから、争いもなくせばサイコーの世界になる」と思って争いをなくすことを目指したんじゃないかな。でも…

 まだそんな理想の世界にはなっていない。戦争をしようとする人や殺人をしたりする人はきっとリリースされるのが早かったわけではなく、人間の目標を見失っているんだ。そんな人が一人でもいたら、きっと理想の世界にはできない。だから一刻も早く伝えなくちゃ!人間の目標を見失った人たちに。


~個人目標についてのふり返り~
 見て楽しいノートにすることはできた。イラストも入れたし、良かったと思う。あと、話し合っているときも、ザ・ギバーの話になっていない時があったけど、でもその話題は何かしら、本の内容やジョーナスの言動につながっていたから良かったと思うし、すぐに本の内容に戻ることができた。正直な感想だと、最後の2回はあんまり楽しくなかった。だから、そこは次の課題にしたい。


~チームの目標についてのふり返り~
 「話をそらさない」っていう目標は、きっと達成してたと思う。あと、「しゃべらない時間がないようにする」っていうのは、最初の2回の話し合いの方ができていたと思う。三回目と四回目は、けっこう内容が深まっていて、考えていたからしょうがないと思う。「時間を意識する」っていう目標は、半分達成で、半分ダメって感じだと思う。意識した時もあったし、していない時もあったから。ちなみに今日は、まぁできたかな?っていう感じ。


~今日の話し合い~
 今日はそれぞれが思っていた結末とちがって、自分だけがジョーナスは生きていると思っていて、少しさびしい気がしたし、不安になった。それであまりしゃべらなくなったり、ちょっとしゃべる勇気がいつもより出なかったような気がした。少しは自分の意見も言ったけど、聞いてうなずく方が多かった。だから多分、今日の話し合いがあまり楽しくなかったんだと思う。今日はいつもに比べて、あまり盛り上がらなかった。次からは反対意見も言えるように、負けないようにする。


~本の内容のふり返り~
 ジョーナスは最後、いずこに着いたってことなのか? 私は村の人たちの歌声が聞こえたって書いてあったから、着いたんだろうとは思ったけど、でも最後に「空耳だったのかもしれない」みたいな内容が書いてあったから、私以外のみんなが言ったように、ジョーナスが死んで、「いずこ」に着いたってことなのかな~?とも思った。なんかよく分からない終わり方だったけど、でもそれがきっと読者を引き込ませて、考えさせるってことだと思う。ジョーナスってすごい勇気がある。私はちょっと「いずこ」に挑戦したいなぁ…って思うんだけど、そこで終わるタイプだな…と思った。きっと私はジョーナスのように実行にはうつせない。
 私の予想だった、画一化の取り消しははずれてしまった。ジョーナスの記憶って、コミュニティーの人々にふりかかったのかなぁ 今、私たちのもっている記憶は、ジョーナスから与えられたものだったりして…。やっぱり人類は、平和と幸せを共存させるべきなんだ。そのために記憶をもっているんだ。あっ、コミュニティーの人たちは、ジョーナスの記憶がばらかまれて、そのジョーナスの記憶を受けついだってことなんだったら、今私たちの記憶にあるものは、ジョーナスからもらったものってことでもおかしくない!!
****************************


~感想~
 いやぁ、すごい。本当にいろんなことを考えさせられる。あと、リリースの意味がわかったときは悲しくなった。自分のお父さんが、1人の人間の命をうばったなんて知ったら、うちはすごくお父さんをうらむと思うし、自分もいずれそういうことになると思うとつらい。うちは、いずこはすごく楽しい世界って想像していたけれど、ちがうんだろうなぁ。


~ジョーナスの今後は?~
 たぶんジョーナスは、いずこに行ってしまったから死ぬと思う。そして、記憶はばらまかれてしまう。


~コミュニティーのその後は?~
 ばらまかれた記憶のせいで、みんなが苦しむ。でもみんな、ザ・ギバーの教えとかで、だんだん記憶を受け入れていく。そして、ついにジョーナスが望んだ、色があり、日差しがあり、感情があり、愛がある世界になる。


~この本のテーマ&作者の言いたかったことは??~
 テーマは…、いろいろあると思う。「本当の幸せ」とか、「平和」とか、「未来」とか。それで作者が言いたかったことは、「本当の幸せとは、自分らしく生き、愛がある人生にすること」みたいな感じかなぁ。あと、「すべての記憶で私たちはできている」みたいな。


~この本を読んで思ったこと~
 この本を読んで、本当の幸せについて考えさせられた。それと思ったのが、「平和と自由が一緒になる世界は、難しいけれど、そういう努力をやめちゃいけないんだな」って。「私達がこれから、この世界を平和と自由の世界にしなきゃいけないんだな」って。


~ちょっと気になったこと~
 表紙の人はギバーなのかなぁ。もしそうだったら、うちはギバーってもっとやさしそうな人だと思ったけど…。


~ジョーナスの運命について~
 ジョーナスは最後なんかいい感じで終わったけど、やっぱりいずこに行ったんだから死ぬ。死ぬ=不幸? でも、最後にみんなのためにそういうことをやって幸せなのかなぁ? でもうちだったらムリだなぁ。


~いずこはどんな世界だった?~
 たぶん霊界みたいなもんだと思う。霊界をいずこって言ってるだけ。だって、リリースも死刑(?)みたいなものなのに、わざわざかっこつけて、リリースとか言っちゃってるし。


~ふり返り~
 今日は最後の話し合いだったので、すごく深く話し合いたいなぁーと思っていたので、一つの話をけっこう長く話した。チームの目標は全部OKだと思う。あ、でも時間を見るはビミョーだったかなぁ。チャイムで、「あっ!」っと気付く感じだった。うちは日常生活でも時間を気にしないでずっと本を読んでいて、言われて気が付くとか、ご飯のときしゃべっていて、気が付いたら一番最後とかが多いので、時間もう少し気にします(笑)
 自分の目標は、書き方と読み方はまあまあで、話し合いは積極的にしゃべっていたので(ていうか、しゃべりすぎた!?)よかった。でも、今度の文サーの時には、「聞く」のを目標にしたいなぁ。
 話し合いの内容は、いずこはどんな場所なのか?とか。いずこはうちは霊界みたいなところかなぁと思っていたけれど、○○ちゃんは、「今の世界みたいなところ」と言っていた。なんでうちがいずこは霊界って思ったかと言うと、「リリースされるといずこに行く」みたいに書いてあったし、(リリースは死ぬってことだから、死んだ人がいずこに行くみたいな)最後の歌とか灯りとかは幻かくだったんじゃ…。だって前に、「人は死ぬ前に今までの記憶をすべて思い出す」ってテレビで見たことがあるから。あれは、ジョーナスがギバーから受けついだ記憶が見えているだけだから、ジョーナスは死ぬと思った。でも、○○ちゃんの意見を聞いて、ジョーナスは進んでいくうちに鳥とか見たから、いずこはコミュニティーの外の今みたいな世界なのかなぁとも思えてきた。つまりジョーナスは生きている?どっちなのかなぁ?
 あと、△△ちゃんが言っていて印象に残ったのは、「ジョーナスみたいに鳥とか雪とか見て死ぬのと(死ぬ場合)、他の人みたいに、何も知らずに一生過ごして死ぬのとどっちがいい?」って聞かれたこと。これはかなり迷う。だってジョーナス12才だよ!? 同い年だよ…。うちは今死ぬのはやだ。でもコミュニティーにいて、一生決められた人生もやだ。でも知らないんだったら…(鳥とか愛とか色とかをうちが)コミュニティーで過ごすかな。だって死ぬのはこわいもん…。うーん、むずかしい。
 あと、テーマは、「いろいろだねぇ」とみんな言ってた。自由とか平和とか幸せとか愛とか…。作者が言いたかったことは、「愛とか自分らしさがある世界に生きるのが幸せ」とか、「すべての記憶で私たちは成り立っている」かな。なんかよくわからない。でもこの話を読んで、私達はこの世界を平和にするためにがんばらなくちゃーと思った。
*******************************


クエスチョナー~
・今ごろだけど、何でギバーだけ特別扱いなの?
・非公開なのに、何で非公開記録所があるの?必要ないんじゃない?
・ふたごの一人をまぎらわしいからって何で殺さなきゃいけないの?人を殺しても何も感じないの?
・そもそもこのような規則をつくり、国?をおさめたのは何のため?
・著者ロイス・ローリーさんが伝えたかったことって何なのだろう?


~コネクター~
 もしかしてギバーの世界みたいに、この世界にも私のふたごがいるとか…? ふたごとかいっぱいいてもいいんじゃない?楽しいじゃん!! あっ、でも、「カザリとヨーコ」みたいになっても困るけど…。


~思ったこと~
 どんなことをしてでも。やっぱり殺すのはおかしい。しかも注射一本で。しかも老人は、それが光栄なことだと思っているのだから、おかしい。死ぬ前に殺すなんて、墓がないなんて、感情がないなんて、何もかもがおかしい。やっぱりおかしい。いくら考えてもおかしい。


~最後にすべて読み終わって~
 あっと言う間だった。まさかこんな終わり方だとは思ってなかった。ジョーナスは12才になって、記憶を受けつぐ者になって…続編があるとしたら、ジョーナスはどうなっているのだろうか?


~ふり返り~
 個人個人、みんなで話し合っていたと思う。私は今までより話したいことはきちんと話せたと思う。チームでも、話と話の間に、1、2秒あったかなかったかというくらいだった。なのに、5分間話をしたくらいの気持ちだった。リリース=殺し&死、いずこ、気持ち、感情、そして最後には記憶。いずこは本当は何? ジョーナスは死んじゃったの? コミュニティーはどうなった? まだ解決できていないことはたくさんある。
 そして、最後は著者は何を言いたかったのだろう? 「幸せ」?「死」?「平和」?「心」?「感情」?「愛」?それとも、今の世界とその世界を比べさたかった? ジョーナスはたぶんこれで幸せだったと思う。というか、死んだのか、生きているのか。でもやっぱり一番疑問なのが、表紙の人だれ?絵?写真? それをあとがきを読んで知りたい。
 第4回だったので、集中して読みたかったから、ふせんは15枚しか書いてないけど、内容は覚えている。
 いつか大人になったら、大人風の読み方をして、もう一回読んでみたいと思う。
******************************



~思ったこと~
 ジョーナスはコミュニティーからこっそりぬけ出して、ゲイブリエルと一緒に自由の身になったけど、外は寒くて食べ物がなかった。そんなつらいときに、コミュニティーにもどりたい、そっちのほうがよかったって後悔したのか、それともちがうのか、それはジョーナスだけしかわからないけど、自分は絶対自由の身になった時だと思う。だってそれがふつうの(本来の)生き方で、コミュニティーがまちがいなんだから。ジョーナスはふつうの「人間」や「人」にもどったんだと思う。あと、もうこの世界には、動物はいないと思っていたけど、いたんだぁと思った。


~クエスチョナー~
 ジョーナスとゲイブリエルは死んじゃったの? 最後の、「だが、それはただのこだまにすぎなかったのかもしれない」のところがあやしい。寒くて死んじゃったのか? それとも「いずこ」は本当にあって、そこにたどりついて、幸せに暮らしたのか? それか、たどりつく前に死んじゃったのか…?というか、「いずこ」って、死の世界? なんなの? 結局わからなかった気がする。(最後の文いらないよ! ハッピーエンドにしてほしかった!)


~エクスペクター~
 ジョーナスは、記憶を伝える者と一緒に、この世界を変えて、10年後くらいにギバーが死んで、ジョーナスは(外国風の)おそうしきをして、ゲイブリエルを後つぎにするためにがんばっていくっていうハッピーエンドの話かと思ってたけど、終わり方が変な感じで、ハッピーエンドじゃなかった。なんだこれ…?みたいな終わり方。ハッピーエンドがいい!って最初は思ったけど、ジョーナスは幸せだったの? 報われた? 最後の場面、どうしてこんな終わり方にしたのか、話し合いたい。


~ふり返り~
 個人、チームの目標は、完ぺきといっていいほどよくできたと思う。みんな真剣に話し合えたし、時間も気にして、笑いもあった! すごく楽しくて集中できた話し合いだった。とっても楽しくほりさげられた。
 本の内容については、最後は自分だけ意見がちがっていてあせった。3対1って感じ?とまどった。私は「テーマ」ついて話し合ったときに、いろいろありすぎて混乱した。だから、一つにまとめて、「世界」にした。幸せや平和をつきつめたらコミュニティーの世界になって、そうじゃなかったら、いまだに戦争があるこの世界になっていて、きっと作者は考えて迷ったと思う。だから読者に、「私たちが本当に求めているイイ世界ってどんな世界? 私たちは何に向かっていけばいいの?」と問いかけているんじゃないかなぁと思う。
 私も考えた。むずかしい。なので、素ぼく???に、「平和・幸せ・愛」でいいと思う。「世の中の幸せ」じゃなくて、今の世界の中でのちょっとした幸せ=平和、なんじゃないかなぁーと思う。何かを拾ってもらって、「ありがとう」「どういたしまして」みたいな。戦争は、ただやめればいいことじゃん。(なんでそれができないかが不思議) 戦争したいんなら、ゲームとかでやればいいじゃん。国同士の大きな事だとしても。そこが戦争することのよくわかんないところ。で、愛は生まれつきあるじゃん。親とかの愛(家族愛)で、生まれつきあるじゃん。だからそれだけで十分だと思う。コミュニティーの世界と今の世界、どっちがよくてどっちが悪いとか関係ないじゃん? 「平和と幸せと愛」に気付かされた本でした。おもしろかったです。
**********************************



最後の子は、一段先に行ってしまいました。


約ひと月あまり、子どもたちはよく読み、よく書き、よく話し合いました。
そのがんばりに脱帽です。
「ザ・ギバー」という本のもつ力も再認識しました。
この本は秀逸です。
1月に出る新訳本が楽しみです。

2009年11月25日水曜日

1月末の予定が、刊行は1月初旬に早まる!

新しい翻訳によるギバーの刊行予定は、1月末でしたが、1月初旬に早まりました。
復刊活動の当初の目的は実現できたことになります。

これからは、ブログの名称も変更して、より多くの人に読んでもらうことを目的とした活動に転換していきます。(会の基本は変わりありませんし、今後も多様な普及活動を展開していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。) 

2009年11月24日火曜日

タイトル私案

おはようございます。

The Giver 記憶を超えて 希望を語る者
GIVER 記憶を超えて 希望を語る
The GIVER 伝統の継承者
GIVER 伝統を超えて 希望を語る


こんなことを考えながら
英語は THE GIVER か  GIVER 。
その後に続くものには 伝統 超える 見える 光 希望 のような言葉いいかも。
本を言い当てるタイトルよりも 本を読み終えた人が感じることをタイトルにするとおもしろいかも。

伝統を超えて 見える希望の光
記憶の闇から生まれ出る 希望の光

あなたは 感じるだろう 記憶の闇から 生まれ出る希望の光を
(これだと 帯っぽいですね。)

2009年11月21日土曜日

小6のブッククラブ3回目

「ザ・ギバー」振り返りの3回目です。
この日の文学サークル(ブック・クラブ)は、小教研の研究授業でした。
市内の国語部の先生が、たくさん参観してくれました。

でも、子供たちはいつもの通り、楽しそうに話し合っていました。
では「ザ・ギバー」のチームの子供たちの読みと振り返りです。
順番は前と同じなので、変容をみてみてください。



**********************************

 もし自分が<記憶を受けつぐ者>という職業に任命されたら、きっとローズマリーみたいに耐えきれなくなって逃げだしてしまうと思う。でも、リリースさせてもらえないのだから、自殺すると思う。その点ジョーナスはどんな困難にも立ち向かおうとしているから、私より絶対強いし、だから委員会の人もジョーナスを選んだのだと思う。
 今日は話したいことがいっぱいあったし、いっぱい話し合った。

~本の内容について~ 
 今のところジョーナスはギバーから記憶を受けついでいるだけだけど、きっとこれから全部記憶を受けついだ後、その記憶を人々に解き放って、人々に記憶を分け与えて、「昔にはこんなことがあった」とか、そういうことをコミュニティーに生きる人たちに知ってもらって、この世界を立て直すんだと思う。ジョーナスは私より全然勇気があるし、ジョーナスならできるし、やってほしい!!
 私は、記憶を閉じ込める必要はないと思う。記憶を閉じ込めたからって、まあ、平和になる(犯罪とかは起きないとは思う)けど、でもそれが本当の幸せではないと思う。きっとここのコミュニティーに住む人たちは、本当の意味では弱いし、自立していないと思う。<画一化>されなきゃ犯罪をすないようにならないということだから。私たちが今、住んでいるこの世界は、あの本の中の世界から、人々が自立をして、強くなりたいと願って、<画一化>を取り消して、<画一化>されなくても犯罪とかが起きない“平和”と“幸せ”を同時に取り戻そうとしている真っ最中なんだと思う。まだ無意味な戦争をしたり、無差別殺人があったりしているけど、でもそれは、“平和”と“幸せ”を共存させようとしている過程のことで、世界の人々が、平和と幸せの共存を求めることができたら、きっとその世界は実現すると思う。ぜひ、そんな世界をつくってほしい。


**********************************


感じたこと
・「記憶を受けつぐ者」の印(?)は、目の色なのかなぁ? だって「ザ・ギバー」とジョーナスもゲイブも、みんな目の色がうすいっていうか、、、みんなとちがうし。
・ジョーナスは「まちがったせんたくをしたら危険だ」って言っていたけれど、自分で選ばない人生なんてつまらないと思う。
・ジョーナスが言っていたように、記憶をみんなで分け合えばいいのに。だってだって楽しいものはみんなで楽しまないと。あーっ、でもつらい記憶は…大切な人がつらい思いをするのはいやだなぁ。
・ジョーナスが、「愛」を知らなかったのにはおどろいた。この世界では、目に見えないものとかはないのかな?ていうか、「知らない?気持ちとかを。「喜び」とか、「悲しみ」とか「怒り」とか。

クエスチョナー
Q どうしてゲイブに記憶を伝えられたの?   
   A ゲイブも記憶を伝える者だから。 
Q どうして日差しとか知らないの?
   A 変化のない世界だから 
Q なんで「愛」や「喜び」を知らないの?
   A 感じるけど、それが愛や感情だと知らない。


本当の幸せって…?
今と「ザ・ギバー」の世界を比べてみよう!!!
【現在】  
いいところ  ・自由!!! ・愛がある ・感情がある ・色も
悪いところ  ・犯罪が起こる ・悪いことをする人がたえない
        ・まちがったことをしてしまう人がいる
【「ザ・ギバー」】 
いいところ  ・平和 ・問題が起こらない ・まちがったことをしなくてすむ
悪いところ  ・自由じゃない ・大切なもの(愛や感情や色)とかすばらしいものがない

・・・うーん・・・ どっちもどっちかな・・・。だって、犯罪をなくすのは無理だと思う。自由なままじゃ。でも自由がないのもいやだ。「平和」と「自由」は一緒にはなれないのかなぁ…。 

あ、あと、 
Q どうしてこんな世界にしてしまったの?
   A 画一化という選択をしちゃったから。
Q なぜ記憶を伝えているの?
   A つらい記憶をとじこめるため。 
Q 本当の幸せとは?
   A まだよくわかんないなぁ…。
新しく考えが変わったので書き直しました。


~これから~ 
 ジョーナスは「いずこ」がどんなもの(世界?)なのか聞いてみる。そして、ザ・ギバーの「いずこ」の記憶をもらう。そしたらリリーが言っていたように、本当にもう一人の人がいて暮らしている。しかも自由でとても楽しそう。ジョーナスは「いずこ」に行ってみたくなてしまう。

~振り返り~ 
 今日はたくさんいろんなことを話したので、頭がこんがらがる~! 〇〇ちゃんと▲▲は、「ジョーナスは記憶を受けつぐのをやめたりしないでえらい。うちだったら、ローズマリーみたいにやめたくなる」と書いていた。それを見て、共感した。だからジョーナスは強いね。
 あと、うちが、「今みたいな世界は自由だけど平和じゃない。ギバーの世界は平和だけど自由じゃない。どっちがいいのかなぁ」と言ったら、〇〇ちゃんは「絶対今!」と言っていた。うちも読み始めはそう思っていたけれど、戦争の記憶とかを知るうちに(よむ)ギバーの世界も仕方ないのかなーと思えてきた。でも自由じゃないのはいやだし~。やっぱり、平和と自由はいっしょになれないのかなーと思った。〇〇ちゃんも▲▲も、「そうだよね…」と言っていた。なんだか難しい…。
 あと、リリーが言っていた、「いずこにはもう一人の自分がいる」っていうのはそうだと思う! そして、「いずこは、生まれ変わる場所なのかなー」という結果になった。(話し合ったら) あと、今思いついたけど、いずこに行ったら、もう一人の自分と生まれ変わって(一緒に)、今度は自分がいずこにいって、もう一人の自分がコミュニティーにいくのかな? バトンタッチ!みたいな。
 あと、話し合いの様子は、なんかいいふんい気で、リラックスしていた。でも次から次へと話題が移ってしまうので、(言いたいことがみんな多すぎて(笑))深い話し合いがあまりできなかったので、次は課題をしぼって、深い話し合いをしたいです。あ、でも今日のめあては、「1つでも多くしゃべる」だったので、その辺はよかったけど、一つ一つにもっと時間をかけて話し合いたい。次は最後なので、いい話し合いにする。
**********************************



 私だったら、家族や友達からはなれることになり、言いたいことも言えなくなるのは無理。というか、たえられないと思う。そんな中、よくジョーナスは生きていけるよなぁ~なんか尊敬しちゃう。私がもしこの世界のギバーになったら、何をするのだろう? なにができるのだろう? たぶん、少しずつみんなに記憶を伝えて、もとにもどすだろうなぁ~
 これからたぶん、ジョーナスは、いっぺんに世界を変えてくれるのではなくて、少しずつ、もしかしたらゲイブと一緒に、世界を変えてくれるのかもしれない。そして最終的に、ゲイブに記憶を伝える(全部)のではないかな?
 もしかして、この世界には、「死」というものがないのだろうか。リリースされたり、「いずこ」に行ったということは出てくるけれど、「死」という字は全く出てこない。どうして? それに、ふだん使われていない橋は、なんにためにあるの? もしかして、小さいけれど、コミュニティー=国で、橋=国境なのか? それにふだん使われないのにあるのって、経済的に不安定にならないの? あっ…そう言えば、「お金」そのものがないんだった。
 話し合ったら、だんだんよくわからなくなってきた。前話したことから、またちがうことになってきた。本当にリリースって殺すことなのだろうか。それとも、少し『言い方』と『印象』が違うだけで、「リリース」はいずこと一緒なのだろうか。『死』っていう言葉が全く出てこないのは、ある意味おかしいと思う。
 コミュニティーにもいろいろな種類?があるのかもしれないけど、いったいいくつあるのか、そして、それぞれのコミュニティーに、1人ずつギバーはいるのだろうか?(記憶で頭がパンクしない?) 記憶を伝えることが本当に大切なこと? みんなで記憶を伝えれば、分け合えば、もっと楽にはならないのか、現在とギバーの世界でいいところも悪いところもあるけれど、「どっちが幸せ」なのだろうか。次で最後だから、じっくり考えたい。自由とか、幸せとか、愛とか本当に必要じゃないの? 失敗は失敗で別にいいと思う。世界と変えるのも、本気でやれば少しずつ変えられると思う。

**********************************
  


 ジョーナスはかわいそう。1人になってしまいそうになっている。こっちの世界(今、自分たちの世界)を知っている人と、知らない人では、やっぱり話がかみあわないから、友達がどんどん離れていってる。みんなに尊敬されるかわりに、だんだんと孤独になっていく仕事なんて、なんか残こくだなぁと思った。
 ジョーナスはついに戦争などのつらい記憶を見たけど、ローズマリーのようなことにはならなさそうだったから、強いなぁと思った。今回のところは、知りたいこと(リリースとか、いずことか)がわかりそうでわからない、じれったい?内容だった。
 今回はそんなに疑問は出てこなかった。
・リリースって?
・いずこってどこ?
・なぜ画一化してしまったの?
・ジョーナスは画一化を直すことができるの?
・ゲイブの力は、ジョーナスと似てる?
・将来この世界はどうなっているの?

これから、ゲイブがジョーナスの記憶を受けついで、ゲイブは将来の、記憶を伝える者になると思う。ジョーナスは、やっぱり色とか動物とかが必要だと思っているから、ギバーと(将来の)ゲイブと一緒に、この世界を変えると思う。そうなったら、リリースやいずこに行った人も帰ってくると思う。

※残念ながらこの児童は風邪で話し合いは欠席でした。なので、振り返りはありません。

**********************************


以上です。最終回はもうすでに終わっています。
最後も凄いことになっていますので、乞うご期待!!

2009年11月19日木曜日

「者」以外のタイトルを !!

    岩崎さんからメールを下に貼り付けます。


ベストな名前を思いついてから送信しようと思いましたが、思いついたものから、お伝えしてしまうことにいたします。

「者」という言葉が固い印象を与える気がして、それ以外のものを挙げてみます。

『The Giver -記憶がつながる物語』
『The Giver -つながる記憶の物語』
『The Giver -記憶はつながっている』
『The Giver -つながる記憶の真相』
『The Giver -つながる記憶の真実』
『The Giver -つながる記憶の世界』
『The Giver -世の中の記憶』
『The Giver -記憶の伝道師』
『The Giver -思い出の正体』
『The Giver -生き続ける記憶』
『The Giver -記憶は生き続ける』
『The Giver -消えることのない記憶』
『The Giver -消えない記憶』

この中では、一番最後の『The Giver -消えない記憶』が良いかと思っています。

2009年11月18日水曜日

私のタイトル案

 うまく書き込みができない、ということでakkrさんからもらったメールを以下に貼り付けます。


初めてこの本を読んだときに、「人間は考えることをやめたときに、ここまで残酷になれる」ということが強く印象に残り、怖いぐらいでした。

このブログ右側にある「訳稿サンプル」の中に、その、私には一番印象に残っている場面がありました。このサンプルの中では、19~25ページ、(19章途中から)という箇所です。

「こだわり」のタイトル、難しいですが、上の印象が強い私には「記憶」ということばが、ピンとこなくて、『ザ・ギヴァー 唯ひとりの考える者』です。

2009年11月17日火曜日

大切な本のタイトル・コンテスト 

「タイトル」は、読み手が手にとって見たとき、買うか買わないかに関わる大切な部分の一つです。

ぜひ皆さんの“こだわり”のタイトルを教えて下さい。

少なくとも、講談社の前のタイトル(『ザ・ギバー -記憶を伝える者』)はナシですね。

たとえば、案としては以下のようなものがありえると思います。


The Giver -記憶を伝える者』
The Giver -記憶を受け継ぐ者』
The Giver -記憶を注がれる者』
The Giver -記憶を注ぐ者』
The Giver -記憶をつなぐ者』
『GIVER -記憶を注ぐ者』
『GIVER -記憶を注がれる者』
『ギヴァー  -記憶を注ぐ者』
『ギヴァー  -記憶を注がれる者』
『ギバー   -記憶を注ぐ者』

コメント欄に、ドシドシ書き込んでください!!

2009年11月3日火曜日

小6のブッククラブ2回目

KAIです。
新さん、ブック・クラブの説明ありがとうございました。
確かに、意味分かんない人がいましたよね。
みなさん、すみませんでした。

新さんの説明の通り、あのような形でブック・クラブを進めています。
小学6年生が、「ザ・ギバー」にあと6冊の本、
全部で7冊の本を8チームに分かれて読み進めています。

水曜日にブック・クラブ2回目の話し合いがありました。
「ザ・ギバー」の子供たちの記録は4回分しっかりととっていきます。
アイフォンで録音もしてあります。
でもどうやってここにのっけたらいいかわかりません。
(実はまだ初期設定のまんま)

2回目は142ページまで読んでいます。では読みと振り返りです。
順番は前回と同じにしてあります(上からABCDの順)ので変容が分かると思います。

**********************************

 私は前回、ジョーナスはザ・ギバー(記憶を伝える者)に任命されるんじゃないか?と言っていたら、ほんとうにその通りになって驚いた!!あと、話し合いの中で出た意見で当たっているものがあった。それは、「このジョーナスたちが住んでいる世界は、今の人類の未来の世界だ」ということ。今はまだ色のあった世界で、きっと未来には<画一化>されて、色がなくなってしまうというということだと思う。もし本当に未来に<画一化>が起きて、色がなくなったら、すごく怖い。絶対ヤダ。 
 今回、全体の話し合いとしては、良かったと思う。目標としていた、深イイ話し合い(?)ができたと思う。今回特に話題になったテーマは、「色がない」っていういうことと、「この世界は何?」、「ここに住んでいるのは何者?」っていうことだった。色がないっていうのは白黒でもないし、きっと透明なんだろうとは思ったけど、透明なんだったら、なんで物が見えるののかが分からなかった。でも、そこにそこに住んでいる人(?)が透明なんだったら、人間じゃないじゃん!ってことになる。
 みんなで考えたのは、ここは今のような色のある時代だったけど、人間が世界で手に負えなくなって、もうどうすることもできなくなったから、<画一化>を行って、人類を強制して、”ちがい”を無くしたということだった。そんで、その後、きっとジョーナスは、この世界を変えようと決心して、自分の権力で世界を変えてくれる!と思う。だって、そうしないと物語としてもならないし、きっと<画一化>を取り消して、色が生まれたんだと思う。(1からやり直した)
 今回もいい話し合いができた! 

**********************************

 Qどうしてこんな世界にしてしまったの?
    →世界を平和にしようと、間違ったものを選んでしまった。
 Qなぜ記憶を伝えているの?
    →色や雪のようなすばらしいものを忘れないように。
     (でも忘れたくないんだったら捨てるなって感じ…)
 Q本当の幸せとは?  
    →自由とか、自分らしく生きることが幸せなのかなぁ?  

 よくわからないけれど、うちはこの世界は幸せとは言えないと思う。みんなが人それぞれ個性とか自分らしさとか持ってていい。あ、でも、悪いことする人はいやだしなぁ…
 この前、うちが「これは人類の未来の姿」って言ったのは合ってるんじゃない?!だって、捨てたなら、象とかくまを知らない(っていうか、かくうの物?だと思ってる)のも説明できるし。
 たぶん、これからつらい記憶とかを伝えられて、イヤになってくる。戦争のこととか… あ!クエスチョナーでやった、「なぜ記憶を伝えている?」って、私たちが歴史を学んでいる理由と一緒なのかな?同じあやまちをくり返さないために。
 今日の目標は、「深イイ話し合いをする」だった。この目標はけっこう達成できていたと思う。あと、すごく楽しいふんい気でリラックスしてしゃべれていたのでよかった。
 話し合いの内容は、「どうしてこんな世界になってしまったの?」とか、「幸せってなんだろう?」とかいろいろしゃべった。
 「どうしてこんな世界になってしまったか?」は、人がおさえつけられないくらい悪になっちゃって、それをおさえるため?。でも、色とか日差しをなくす意味が分かんない。それはあってもいいじゃん。
 あと。「本当の幸せ」は自由なのかなぁー?とみんな言ってた。でも、今私たちが住んでいる世界は自由だけど、犯罪とかいじめとかあるし、でもだからと言って、服従させられるのはいやだ。でも、うちだったら、犯罪があっても、自由に生きられる、色とかある今の世界がいい。犯罪とかは…しかたないのかな…。止めようとしても止められるものでもないし。あー、だからあんな世界にしちゃったのかな。あと、よく分からないのは、「色のない世界」ってどういうこと?白黒でも「白」と「黒」があるし、とうめい?でもとうめいじゃ見えないじゃん。どういうことだろ?

**********************************

 「雪」が分からない、「虹」も分からない、「そり」も「斜面」も分からないって、いつの時代の話なの? ジョーナスの職業任命はないと予想していて、「当たった!」と思ったけれど、「記憶を伝える者」になったとは・・・。しかも、ザ・ギバーとは記憶を伝える者の意味だったんだー たぶん、ジョーナスはこの世界を変えてくれそう。
 この本のいいところは、ジョーナスの人間性なのかも・・・。 本当に本当にこの世界は幸せなの?〇〇ちゃんが言ってた。「この世界は、今の世界の未来」っていうのは合っていると思う。それに、今のギバーにも名前があったはずなのに、じゃあ、ジョーナスもじきに「ギバー」になるから、名前がなくなるってこと?
 私たちの今の世界から見たら「未来?」の世界はおかしいけど、じゃあ、その未来の世界から見たら、今の世界はおかしくはないの? ジョーナスはきっと世界を元に戻して変えてくれると思う。色もない(じゃあ、透明なの?見えないんじゃないの?)、個性もない(個性がないならおかしいとしか言えない)雪も、日差しもないなら、天候コントロールでなくしたなら、いつも世界は暗いの?明るいの?透明なら人間も見えないんじゃない?その前にこれは人間なの?生き物だけど何なの?体はおかしくならないの?

**********************************

 なんと!ジョーナスが<記憶を受けつぐ者>になった! 重要な役割につくと思っていたから予想は当たったと思う。今の<記憶を受けつぐ者>に出会って、つらい修行を受けて、コミュニティーの悪いところ(裏側?)が見えてくる。赤色とか雪とか、自分たちの世界にはあるのに、ジョーナスの世界にはなくて、やっぱりこの世界はおかしいと気付いてくれたからうれしかった。
 雪のところは本当に楽しそうな様子が思い浮かんだ。だからやってみたくなった。やってみたくなったのは、作家の技かなぁーと思った。
 すごく?がいっぱいになった。ジョーナスが雪を知らないときは本当にびっくりした。私は、現実?(自分たちの世界)とコミュニティーの世界は、記憶を受けつぐ者でつながってるんじゃないの?と思った。記憶を受けつぐ者は、スピーカーを切るほどの権力しかもってないような気がして。そんな小さな権力が目立ってないような…? でもそうだった。だんだん権力が弱まっているみたいだった。あと、記憶を伝えると軽くなって、もらう人は重くなる?どういうこと?と思った。
 だんだんこの世界のことがわかってきたので、予想屋はやりやすかった。私は、記憶はこっちの世界の記憶のことで、それはすーごい過去(今でいう縄文みたいな)の記憶で、それを伝える仕事。(何のためかはわからないけれど)で、「いずこ」や「リリース」は、こっちの世界の動物や植物になるんじゃないかなぁーって思った。そのタイムマシンみたいなものの役割だからつかれるのかなぁーと思った。ジョーナスはコミュニティーの世界に不快感?違和感を感じているから、ジョーナスはこの世界を、雪や赤色がある世界にもどしていくと思う。早く本当の事が知りたい!
 今回は、クエスチョナー中心の話し合いだった。なんとなーく本の中ではこの世界のことがわかったような気がしたけど、話し合ってみると、すごいたくさん疑問が出てきて、まだまだ謎が多いなぁーと思った。

 ・なぜ記憶を伝える者が存在するの?
 ・なぜ色をなくしてしまったの?それってどういう世界?
 ・今の世界は平和そうだけど、ちがう。じゃあ、本当の「幸せ」とか「平和」って何?
 ・作者はこの本で何を伝えたかったの?

などなど。深いなぁ…と思う質問がたくさんでてきた。どれも難しいなぁと思った。
 今の世界が幸せじゃないことは分かっている。でも、この世界ができた原因?というか理由は、平和で、平等で、幸せな「画一化」した社会をつくろう!っていうことでつくられた世界なだけで、なんか、それをつきつめてつきつめてつきつめた結果が、今のこの世界じゃないのかなぁと思う。だったら、今私たちが住んでいる世界は、TVとか(CMとか本とかいろいろ…)で、「平和な社会を」とか「みんな平等に」とか言ってるけど、それを本当に実現してみたら、本当に、本当に、幸せな世界や社会になるの?私たちは、平和、平和、平等、平等、幸せ、幸せって言ってるけど、そうなった世界(どうなるか)っていうのをちゃんと考えているの?その先をちゃんと考えているの?本当の幸せなの?ってことを作者は伝えたかったんだと思う。(まだ全部読んでないけど)

**********************************

うーむ…深い…
だれか世の大人たちよ、
最後の子の最後の文章に答えなくては。
世の中の矛盾を見事についていますね。


さてこの子たち、これからどうなるのでしょう?
本を読むことは、まさに新しい考え方、見方、生き方、価値観を創造することです。
私たちが本を読むときに普段やっていることでもあります。
いろいろなことの 成長期にある子供たちにこそこういう経験は必要だと思うのですが、
教科書教材ではなかなかここまでは難しいし、
今までの教え方じゃこれもなかなか難しい。
ブック・クラブを含むリーディング・ワークショップはそれを可能にしてくれると信じています。
まだまだ実践してほんのちょっとですが手応えは十分に感じています。
素晴らしい読み手を育てるために日々精進します。

2009年11月2日月曜日

伝承のありかた

 はじめまして!兵庫教育大学大学院/シチズンシップ共育企画の三浦といいます。(来年から兵庫県で小学校の先生です。先輩方よろしくお願いします)吉田さんからいただいた新訳『ギヴァー 記憶を注ぐ者』(訳:島津やよい)を読みました。この度吉田さんから案内をいただき本プロジェクトに参加させてもらうことになりました。よろしくお願いします。

 読み始めたときは、ジョージ・オーウェル『1984』を彷彿させる管理/監視社会の様子が淡々と描き出されるところから物語は始まります。(内容がわかるといけないのでこれ以上中身にはふれません。)

 以前は別の翻訳でユース向けの書籍として以前販売されていたようですが、それはこの本の内容に即していうと、子ども(レシーヴァ-/受け取る者)のみを対象としていたということになります。「それだけではもったいない!」と本書を読んでみて思います。この本の醍醐味は子ども(レシーヴァ-/受け取る者)と大人(ギヴァー/記憶を注ぐ者)の間の(時には危険な)伝承のあり方にあるのですから。

 大人と子どもがそれぞれ読んで、大人の立場から、子どもの立場から議論したくなるようなテーマだと思うし、大人と子どもの真剣な議論に耐えうる物語の重厚性を感じました。

 歴史を知ることや、真実を伝えること、言葉の実を実感すること。それはときには苦痛を伴う。またそれは大人が一方的に決めるものではないし、子どもが勝手に選ぶものではない。そこで双方がどのような判断を下すか。そのような社会の中では見えにくい<掟>を我がこととして捉える/直視するための最適の一冊です。

ブログ「岩美という方法」
http://iwami.blog.drecom.jp/

三浦一郎twitter:
http://twitter.com/ichiromiu
→ハッシュタグ#giver で「ギヴァー」関連記事検索できます。

2009年11月1日日曜日

ブッククラブとは...



10月29日にKAIさんが紹介してくれた『ザ・ギバー』を使った「ブック・クラブ」というとても効果的な方法について簡単に説明します。一人で読むよりも、数倍広く、深く読めることになります。(もちろん、深さと広がりのある本を対象にすることが前提ですが。) 

大人がする時は、①読む本を決める、②あらかじめそれを読んでくる(メモをとったり、付箋を貼る形で、何について話したいかの準備をする)、③当日は、メモや付箋を基にしながら、本について話し合う(楽しむことが大切。そうでないと続かないので。)④当日の最後には、各自が持ち寄った次回(1ヵ月後)の本の候補を出し合い、何を読んでくるか決める。
 以上は、オーソドックスな毎月一回行なれるブック・クラブの流れですが、本を一章ずつ毎週読んでいく方法(やり取りはメールで)などもあり得ます。

 子どもたちが教室でする場合は、以下のような流れで行ないます。
     子どもたちは自分たちで読みたい本を選ぶ。(教師が事前に選択した中から選ぶことが多い。)
     選んだ本でグループを作る。(従って、異なるグループは異なる本を読む。)
     各グループは計画を立てて読み進み、自分たちの本について話し合う。(子どもたちが読む時には事前に準備をし、それに基づいて話し合う。読むスピードを決めて読み進んでいくので、速い子たちは他の本も同時に読むことになる。)
     実際に何を、どう話し合うかは子どもたちが決める。(話し合いはいい雰囲気の中で、プラス思考で行なわれる。子どもたちは毎回、話した内容とプロセスについての振り返り、よりよい話し合いを目指す。)
     教師は参加者としてではなく、ファシリテーター/観察者として存在する。
     評価は、教師の観察と子どもたちの自己評価(振り返り)で行なわれる。
     学ぼうとする積極的な態度と同時に、楽しもうとする態度が大切。
     読み終わったら、自分たちが読んだ本を全体に紹介し、新しい本を選ぶ形で新しいグループが形成される。

『ザ・ギバー』は、小~大学生が対象のときは、ぜひこの方法を試していただきたいです。

2009年10月29日木曜日

小6のブッククラブ、始まりました。

先週の水曜日に、文学サークル(ブック・クラブ)の第一回目の話し合いがありました。今日は、その中の、「ザ・ギバー」を読んだ子達の読みと振り返りを紹介します。今回は、全体の4分の1、70ページくらいまで読んでの話し合いです。
「ザ・ギバー」復刊プロジェクトの一助にでもなればいいです。
**********************************
 「家族」も本物の母親が子供を産んで育てたわけでもないし、だれもが○歳になると、ポケットが付いたり、ボタンが変わったり、全部が決まっていて気持ち悪いと思った。なんでそこまで強制的に決められているの? しかも、「コミュニティ」だとか「家族ユニット」だとか、なんでそこまで、「良すぎる社会」を目指さなければならないの? もしすべての人が、同じ考えになったら、とてもつまらないと思う。おもしろいことを言う人もいなければ、話し合いをしたとしても、反論する人がいないから、話し合いをする意味もなくなってしまうから。 私はこんな世界に住みたくない。自分がやりたいこともできないし、一見、平和でユートピアみたいな印象があるけれど、そんなところじゃふざけあっても怒られるだけだし、絶対つまらないと思う。きっと筆者は戦争などが起きている現代に、「ユートピア」のような場所の話を読ませることで、「戦争なんてしても何の意味もない」と思ってほしかったんだろうなぁ、なんて思います。ジョーナスはきっとこの本の中の世界を変えてくれる!! 今日、第一回目の話し合いで特に話題になったのは、「いずこ」の場所と「リリース」の意味についてでした。私はリリースされたら、安楽死みたいになって殺されてしまうんじゃないか?と思った。少しミスしたり間違えただけでリリースされてまうのは、おかしいと思う。人間で、間違えない人はいないわけだし、じゃあ、リリースを決定した委員会の人は、「私は一生に一度もミスをおかしたり間違えたりしていません」って断言できるの?と思った。 ユートピアっぽく見えるけど、実はそんなんじゃないと思う。ささいな行動でも全て法律で決まっているし、職業だってみんな委員会から決められているし、とてもつまんなくてサイアクだと思った。でも、こんな世界になったのも、きっと人間のせいなんだろうと思う。「いずこ」についても、私は死んでから行く場所だって思ったけど、ブラックホールみたいななやみの世界だろうっていう人もいた。 目標に対しての自分の行動について、私ができたなぁと思ったことは、時間を意識すること。「あと10分くらい」とか言ったから。あと、話し合いも途中で止まらなかったし、とてもいい話し合いだったと思う。(A子さん)

**********************************
 今日は初めてだったから、きんちょうするかと思ったけど、すごくいいふんい気だったから、きんちょうしないでリラックスしてしゃべれた。 特に話し合ったのは、「リリースとは何か」と「いずこってどこ?」だった。私ははじめ、リリースは殺されることだと思っていたけれど、話してみたらちがうと思ってきた。なぜなら、○○が、「「喪失ではない」って書いてあるよ」と言ったのと、●●ちゃんと▲▲ちゃんが「うれしそうにしていたよ(ロベルトはリリースされるときに)」と言ったから。そこで、「リリース」の意味を考えた。「はなす」って●●ちゃんが言っていたので、「この世界からはなす」ってことなのかなーと思った。 「いずこ」っていうのは、他の世界だと思う。「無の世界」とか「闇の世界」みたいな。もしくは宇宙?よくわからない・・・。 あと、どうしてこんなに規則があるのかとかも話した。うちは、人に悪いことをさせないようにと、人類が考えた世界だと思う。未来には、こんなことになってるんじゃないかなぁ? あと、文句をたくさん言った(笑) こんな世界絶対やだー! すべてが決められてるってつまんない! どうしてこんな世界になっちゃったんだろう? 今日は集中して話し合えたのでよかった。改善したいところは、話が、「リーブ21」とか言ってそれちゃんたので、話しをそらさない。いい話し合いだったと思う! 次回もいい話し合いにしたい。(B子さん)
**********************************
 私は絶対この世界には行きたくない。家族ユニットは、血がつながっていないのに、なぜ家族と呼べる? この世界の人たちは本当に幸せなの? メンバーもはじめてのメンバーだったからきんちょうした。だけど、話も止まることはなかったし、すごい楽しい話し合いだったと思う。ノートも少し参考にしながら、思ったことをどんどん言って、一人一人がきちんと話せていたと思う。 キーワードを話し合って、最終的には、記憶を伝えるもの、ギバーって???となった。本当にギバーってなんなのだろう。「いずこ」に行った人は? リリースされた人は?どうなった? ちょっとそれたけれど、●●ちゃんのアデランスはおもしろかった。 少しざんこくだけど・・・規則規則っていって、本当に楽しいのだろうか・・・。(C子さん)
**********************************
 SFって、UFOとかタイムマシンとか、そういう感じのイメージが強かったけど、ふだんよくあるあるような生活の中でのSFだったから、どういうことが現実と違うのかわからなくて、読んでいるときは先が早く知りたかった。 読んでいるうちにわかったことは、なんでも全部決められているということだった。職業も子供の数も食事も歳も全部決められていて、「リリース」という、「いずこ」へ送るといおうものもあった。 一番気になったのは、題名にもある、「記憶を伝える者」で記憶を伝えるってどういうことなんだろうと思った。記憶を伝える者は、人の記憶を管理していて、記憶をあやつれる人だと思った。(予想) あと、家族構成みたいなものも決まっていて、夫婦も子供も子供の名前も決められて、本当に家族って言えるのかなぁと思った。血のつながりみたいなものもなくて、ジョーナスたちはどう思っているんだろう?と思った。 子供たちはどこから生まれてくるのだろうとも思った。「リリース」されていったおばあさんの名前が、初年児の名前になっていたというところが、なんか「リリース」(いずこ)ってあやしいなと思った。 話し合いでは、「記憶を伝える者」と「リリース」が話題になった。記憶を伝える者は、ザ・ギバーで、ジョーナスの将来?っていう意見が出た。あぁ、なるほど!と思った。ジョーナスは主役だから、何か職業任命は、重要な役割を言い渡されるという結論?が出た。 「リリース」は、「いずこ」はどこに通じているのか?殺される?生まれ変わるなどの意見が出た。「いずこ」だから、遠いところに「リリース」は離すっていう意味だから、合わせて「遠くへ離す」って意味なのかなぁーと思った。初年児(成長が遅れている)やおばあさん(寿命が近づいて)はリリースされるなんてひどい!と言っていた。私もリリースは処罰みたいなイメージがあるから、ひどいと思った。 私は話し合いの中で思いついた。「リリース」というのは、私達が住んでいる、犯罪や悪いことがたくさん起きるこの世界にはなされるのかなぁーと思った。ギバーの世界は、平和で何でも決められているから、悪いことは起きないけど、この世界は殺人とか悪いことばっかりだから、悪いことをした人は、悪い世界(この世界)に送られるのかなぁと思った。 話し合いは、ギバーのいろんなことについて、自分の中で深く考え込んじゃって、話し合いにあまり参加できなかったから、2回目は積極的に話し合いたい。(D子さん)
**********************************
 まだ70ページかそこらでかなり深い読みをしています。それだけいろんなことを、はなっから読者に考えさせる文なんですよね。 この「ザ・ギバー」って言う本は、本当に名著です。

昨日、2回目の話し合いがありました。
またその様子も近日中にアップします。

2009年10月17日土曜日

「コミュニティ」の理想の規模?

これまでにも「Elsewhere(よそ)」や「リリース」などがすでにこのブログでも登場していますが、他にもたくさんのキーワードというか、テーマが扱われているのが『ザ・ギバー』の大きな特徴の一つです。

今日は、「コミュニティ」の紹介というかクイズです。

ジョナスが住むコミュニティの規模(人口)はどのぐらいだと思われますか?

私の専門は都市計画というかまちづくりだったこともあって、とても興味のあるテーマです。

答えは、ちゃんと本の中に書いてあります。

私にとってのまちづくりのバイブルは、井上ひさしの『吉里吉里人』なのですが、似たような規模である気がします。

2009年10月12日月曜日

明日から、ちがった自分に出会えるかも!!

 横浜市で小学校の教員をしている渡邉美江(わたなべよしえ)です。『ザ・ギバー』を読んでいくと、どんどんひきこまれ、いっきに最後まで読んでしまいました。いつのまにか、主人公ジョナスといっしょに、悩み、考え、冒険に踏み出していくような気もちになっていきます。読んだ後、ぜひ、語り合いたい本です。
 形としては近未来のSF小説ですが、『ザ・ギバー』の世界はいつ、どこでも起こっていること、起こりうることかもしれません。たくさんの人が『ザ・ギバー』を読んで語り合うことが、これからの、豊かで平和な未来につながっていくと思います。勇気を与えてくれる本です。

2009年10月8日木曜日

ロイス・ローリーのブログ

彼女は、ブログを書いています。
http://loislowry.typepad.com/lowry_updates/
結構おもしろいです。

たまたま今見たら、最新のが日本の思い出に関するものでした。

それが面白いことに、ニュー・イングランド・ペイトリアッツのアメリカン・フットボールの試合を見に行ったことをきっかけ★に、どういうわけか日本滞在中のお姉さんのボーイ・フレンドが戦後すぐに日本でアメリカン・フットボールの試合を東京でしていたことを思い出し、さらには12歳の時に、一人で広島の呉の近くの江田島を訪ねたことが書いてありました。
江田島には戦前・戦中と海軍兵学校があったので、米軍が戦後これを摂取して基地に使っていたと思われます。彼女の東京での友だちがそこに引っ越したので、春休みと夏休みの2回訪ねたと書いています。

さらには、ブログのあとに自分が付け足したコメントとして
I spent ages 10-13 in Japan, as well, and have so many wonderful memories of the place. Some day, when I figure out a story better than what actually happened, I'll write about it.

★ ニュー・イングランド・ペイトリアッツのオーナーの孫(11歳)が彼女の本のファンらしく、そういうこともあって、この試合に招待されていたような書き方でした。

2009年10月5日月曜日

一気に読んでしまいました

はじめまして。
埼玉で小学校の教員をしている(ただいま育休中)、さやです。

新さんに紹介してもらって、『ザ・ギバー』(講談社版です)を読んだのは去年のことです。
「図書館に置いてあるはず」との情報に、早速近所の図書館へ。
表紙を見た印象は「こわい・・・」でした。YAコーナーにあったので、紹介してもらわなければ手に取ることはなかったと思います。

ところが、読み始めると、これがおもしろい!一気に読んでしまいました。
「リリース」に、ぞぞぞ~っとした感覚が今でも残っています。
読み終わって、家族でいろいろ話したくなる本です。実際、熱く語り合っちゃいました。
ぜひぜひ、たくさんの人に読んで欲しい!

新版は、とても読みやすくなっているので、子ども達もすっと入っていけるのではないかなあ。
一度読んだ本ですが、新版が手元に届いたら、小6の娘と「ペア読書」でもう一度味わう予定です。

2009年10月1日木曜日

すばらしい小説

はじめまして。
横浜で小学校の教員をやっている都丸(トマル)と申します。

吉田新一郎さんの紹介で『ザ・ギバー』を読み、
作品の魅力に取りつかれた一人です。
本当にすばらしい小説です。
みんなで読んで語り合いたい作品です。

クラスの子どもたちには、この作品の魅力を伝えています。
現在は教室に一冊しかなく、順番に回して読んでいる状態です。
新訳が出版され、多くの人が読めるようになる日が待ち遠しいです。

自分のブログでも紹介させていただきました。
http://gtyt.blog91.fc2.com/blog-entry-221.html

はじめまして

みなさん、はじめまして。
東京の小学校で、先生をやっています甲斐崎(KAI)といいます。

このたび、吉田新一郎さんの呼びかけに呼応して、
『ギヴァー ~記憶を注ぐもの』普及プロジェクトに参加させてもらっています。
本自体を読んだのはこの夏休みです。(講談社版ですが…)
前々から薦められていたのですが、
なかなか古書の安いのがamazonにでなくて躊躇してました。
やっとこさ一冊ゲットできました。
しかし今はもうamazonの古書は15000円の値がついています。
それだけ「売れてない」ということなんですよね。
原著はアメリカで500万部以上売れてるのに…
どこかで講談社が間違えましたね。


さて、この名著、子供たちにもぜひ読んで欲しい・・・
ということで、今月に子供たち何人かに読んでもらおうと思っています。
「ブック・クラブ」というリーディング・ワークショップの中の一手法なんですが、
その様子は、リアルタイムにここにアップしていきたいと思っています。
お楽しみに!

ではでは、また。

「もぐらのさんぽ」
http://d.hatena.ne.jp/kaisaki37/
こちらに遊びに来てください。

2009年9月30日水曜日

訳者の島津です

はじめまして、『ザ・ギバー』新版の翻訳を担当しました、島津やよいです。
代表の吉田さんからご招待をいただいてビックリしています!
このようなすばらしい「復刊プロジェクト」が始動していたなんて!!

さて今回の新訳、「訳者として」コメントせねばならないところではありますが、
まずは私自身の『ザ・ギバー』体験から述べさせてください。
それはまさしく、
「はじめ??? なか!!! 赤子が泣いて自分も泣く」。
(あ…意味不明でしょうか。
ごはんを炊くときの「はじめちょろちょろ、なかぱっぱ…」のダジャレです(恥))

つまり、愛読者のみなさんには先刻ご承知のことと思いますが、
最初は「舞台装置」のしくみがわからなくて、じりじり。
それが 半ばをすぎると「おお…!!!」という感動が湧いてきて、
ラスト、赤ちゃんのゲイブがしくしく泣くあたりになると、
もう涙がとまらないのでした。
そして、翻訳しながら上記のプロセスを体験したので、
一つひとつの段階がとても濃密で、
何か、〈ギバー〉と同じように「荷物」(重たいだけでなく、意義深い)
を新たに背負ったような気持ちがしました。

このすばらしい作品世界を、一人でも多くの方の心に届けられたら、
訳者としてこれほどの幸せはありません。

…書き続けるといくらでも長くなってしまいそうなので、
まずはこのくらいで、ご挨拶にかえさせていただきます。
プロジェクトの成功を心よりお祈り申し上げます。

2009年9月29日火曜日

どこか自分とは関係ないところ (Elsewhere)

ロイス・ローリーのサイトを見て、彼女が『ザ・ギバー』を書いたテーマは「どこか自分とは関係ないところ」「違うところ」(Elsewhere)だと知りました。
この本だけではなく、彼女はこのテーマをどうもずっと引きずっているようにさえ思えます。

そして、その出発点はどうも日本だったようです。
彼女のお父さんは戦後すぐ、軍医として日本に来ており、彼女も11~13歳まで、いまの代々木の「国立オリンピック記念青少年総合センター」あたりで過ごしたそうなのです。好奇心旺盛だった彼女は、その占領軍家族の専用居住区を抜け出して、頻繁に渋谷を訪問していたというのです。彼女にとっては、まさに「別世界」を。

あの名作『ザ・ギバー 記憶を伝える者』、 ついに“新版”が出ます!(2010年1月刊行予定)

この新版の普及協力者=伝達者になってくださいませんか?



私が『ザ・ギバー 記憶を伝える者』(ロイス・ローリー著、掛川恭子訳、講談社)に出合ったのは、2007年3月のことでした。それは、ノンフィクション系の本では刺激をたくさん受けている私が、小説のジャンルで心の底から感動を覚え、日本中の人たちに読んでもらいたいと思ったはじめての本でした。しかし、残念なことに、『ザ・ギバー』は現在絶版で、古書でしか入手できません。

私は、なんとかこの作品を復刊して、少しでも多くの人に読んでもらいたいと思いました。この作品は、ぐいぐいと引っ張られるようなみごとなストーリー展開によって、人間のありかたの本質―家族、職業、幸せ、生と死、社会、また、人間の歴史とは、未来とは、そして、自分たちのやるべきことはなど―について広く深く繰り返し考えさせてくれます。

これまでに約30人の10代~80代の人たちに本書を読んでもらい、フィードバックをもらいましたが、9割以上の人がそのおもしろさを認め、復刊の価値にも賛同してくれました。そのことも、私が復刊呼びかけの活動に踏み出した大きな要因になっています。
それでは、なぜ天下の講談社が出したこの本があまり売れずに、絶版となってしまったのでしょうか?
一番大きな要因は、「ユース・セレクション」の1冊として出されたことにあると思います。つまり、ほとんど中・高生の目にしか触れなかったのです。しかも、極々一部の。だから本は売れず、講談社は早々に翻訳権も放棄してしまいました。おそらく1万部前後しか売れなかったのではないかと思います。(ちなみに、アメリカではすでに500万部以上、売れています。)
したがって今回の復刊では、この講談社の教訓を生かして、どちらかといえば大人を主たる対象に据えたうえで、10代の人たちも読めるような形にできればいいなと考えています。

本書の普及に、ぜひ皆さんのご協力をお願いする次第です。ぜひ当会にご参加ください!
また、刊行後はぜひ実物を手にとっていただいて、本書の価値を口コミで周囲の方々にお伝えくだされば幸いです。

『ザ・ギヴァー』復刊プロジェクト
代表 吉田新一郎


-------
【追記】

なお、英語ではすでに『The Giver』の続編が2冊も出ています。続編も『The Giver』に劣らずたいへん魅力的な本です。それらを日本の読者に届けるためにも、今回のプロジェクトをまずは成功させなければなりません。

さらに、アメリカでは本作の映画化の話もあるようです。でも、私は日本人の配役で、日本版・映画『The Giver』を製作したいぐらいです。あなたは、誰が〈ギバー〉役に適していると思われますか?
原書と、その続編のタイトルは次の通りです。

Lois Lowry, The Giver, Delacorte Books
Lois Lowry, Gathering Blue, Laurel Leaf
Lois Lowry, Messenger, Laurel Leaf