★本ブログへのご意見・ご感想などは giverprojectjapan@gmail.com までどうぞ。


2009年11月25日水曜日

1月末の予定が、刊行は1月初旬に早まる!

新しい翻訳によるギバーの刊行予定は、1月末でしたが、1月初旬に早まりました。
復刊活動の当初の目的は実現できたことになります。

これからは、ブログの名称も変更して、より多くの人に読んでもらうことを目的とした活動に転換していきます。(会の基本は変わりありませんし、今後も多様な普及活動を展開していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。) 

2009年11月24日火曜日

タイトル私案

おはようございます。

The Giver 記憶を超えて 希望を語る者
GIVER 記憶を超えて 希望を語る
The GIVER 伝統の継承者
GIVER 伝統を超えて 希望を語る


こんなことを考えながら
英語は THE GIVER か  GIVER 。
その後に続くものには 伝統 超える 見える 光 希望 のような言葉いいかも。
本を言い当てるタイトルよりも 本を読み終えた人が感じることをタイトルにするとおもしろいかも。

伝統を超えて 見える希望の光
記憶の闇から生まれ出る 希望の光

あなたは 感じるだろう 記憶の闇から 生まれ出る希望の光を
(これだと 帯っぽいですね。)

2009年11月21日土曜日

小6のブッククラブ3回目

「ザ・ギバー」振り返りの3回目です。
この日の文学サークル(ブック・クラブ)は、小教研の研究授業でした。
市内の国語部の先生が、たくさん参観してくれました。

でも、子供たちはいつもの通り、楽しそうに話し合っていました。
では「ザ・ギバー」のチームの子供たちの読みと振り返りです。
順番は前と同じなので、変容をみてみてください。



**********************************

 もし自分が<記憶を受けつぐ者>という職業に任命されたら、きっとローズマリーみたいに耐えきれなくなって逃げだしてしまうと思う。でも、リリースさせてもらえないのだから、自殺すると思う。その点ジョーナスはどんな困難にも立ち向かおうとしているから、私より絶対強いし、だから委員会の人もジョーナスを選んだのだと思う。
 今日は話したいことがいっぱいあったし、いっぱい話し合った。

~本の内容について~ 
 今のところジョーナスはギバーから記憶を受けついでいるだけだけど、きっとこれから全部記憶を受けついだ後、その記憶を人々に解き放って、人々に記憶を分け与えて、「昔にはこんなことがあった」とか、そういうことをコミュニティーに生きる人たちに知ってもらって、この世界を立て直すんだと思う。ジョーナスは私より全然勇気があるし、ジョーナスならできるし、やってほしい!!
 私は、記憶を閉じ込める必要はないと思う。記憶を閉じ込めたからって、まあ、平和になる(犯罪とかは起きないとは思う)けど、でもそれが本当の幸せではないと思う。きっとここのコミュニティーに住む人たちは、本当の意味では弱いし、自立していないと思う。<画一化>されなきゃ犯罪をすないようにならないということだから。私たちが今、住んでいるこの世界は、あの本の中の世界から、人々が自立をして、強くなりたいと願って、<画一化>を取り消して、<画一化>されなくても犯罪とかが起きない“平和”と“幸せ”を同時に取り戻そうとしている真っ最中なんだと思う。まだ無意味な戦争をしたり、無差別殺人があったりしているけど、でもそれは、“平和”と“幸せ”を共存させようとしている過程のことで、世界の人々が、平和と幸せの共存を求めることができたら、きっとその世界は実現すると思う。ぜひ、そんな世界をつくってほしい。


**********************************


感じたこと
・「記憶を受けつぐ者」の印(?)は、目の色なのかなぁ? だって「ザ・ギバー」とジョーナスもゲイブも、みんな目の色がうすいっていうか、、、みんなとちがうし。
・ジョーナスは「まちがったせんたくをしたら危険だ」って言っていたけれど、自分で選ばない人生なんてつまらないと思う。
・ジョーナスが言っていたように、記憶をみんなで分け合えばいいのに。だってだって楽しいものはみんなで楽しまないと。あーっ、でもつらい記憶は…大切な人がつらい思いをするのはいやだなぁ。
・ジョーナスが、「愛」を知らなかったのにはおどろいた。この世界では、目に見えないものとかはないのかな?ていうか、「知らない?気持ちとかを。「喜び」とか、「悲しみ」とか「怒り」とか。

クエスチョナー
Q どうしてゲイブに記憶を伝えられたの?   
   A ゲイブも記憶を伝える者だから。 
Q どうして日差しとか知らないの?
   A 変化のない世界だから 
Q なんで「愛」や「喜び」を知らないの?
   A 感じるけど、それが愛や感情だと知らない。


本当の幸せって…?
今と「ザ・ギバー」の世界を比べてみよう!!!
【現在】  
いいところ  ・自由!!! ・愛がある ・感情がある ・色も
悪いところ  ・犯罪が起こる ・悪いことをする人がたえない
        ・まちがったことをしてしまう人がいる
【「ザ・ギバー」】 
いいところ  ・平和 ・問題が起こらない ・まちがったことをしなくてすむ
悪いところ  ・自由じゃない ・大切なもの(愛や感情や色)とかすばらしいものがない

・・・うーん・・・ どっちもどっちかな・・・。だって、犯罪をなくすのは無理だと思う。自由なままじゃ。でも自由がないのもいやだ。「平和」と「自由」は一緒にはなれないのかなぁ…。 

あ、あと、 
Q どうしてこんな世界にしてしまったの?
   A 画一化という選択をしちゃったから。
Q なぜ記憶を伝えているの?
   A つらい記憶をとじこめるため。 
Q 本当の幸せとは?
   A まだよくわかんないなぁ…。
新しく考えが変わったので書き直しました。


~これから~ 
 ジョーナスは「いずこ」がどんなもの(世界?)なのか聞いてみる。そして、ザ・ギバーの「いずこ」の記憶をもらう。そしたらリリーが言っていたように、本当にもう一人の人がいて暮らしている。しかも自由でとても楽しそう。ジョーナスは「いずこ」に行ってみたくなてしまう。

~振り返り~ 
 今日はたくさんいろんなことを話したので、頭がこんがらがる~! 〇〇ちゃんと▲▲は、「ジョーナスは記憶を受けつぐのをやめたりしないでえらい。うちだったら、ローズマリーみたいにやめたくなる」と書いていた。それを見て、共感した。だからジョーナスは強いね。
 あと、うちが、「今みたいな世界は自由だけど平和じゃない。ギバーの世界は平和だけど自由じゃない。どっちがいいのかなぁ」と言ったら、〇〇ちゃんは「絶対今!」と言っていた。うちも読み始めはそう思っていたけれど、戦争の記憶とかを知るうちに(よむ)ギバーの世界も仕方ないのかなーと思えてきた。でも自由じゃないのはいやだし~。やっぱり、平和と自由はいっしょになれないのかなーと思った。〇〇ちゃんも▲▲も、「そうだよね…」と言っていた。なんだか難しい…。
 あと、リリーが言っていた、「いずこにはもう一人の自分がいる」っていうのはそうだと思う! そして、「いずこは、生まれ変わる場所なのかなー」という結果になった。(話し合ったら) あと、今思いついたけど、いずこに行ったら、もう一人の自分と生まれ変わって(一緒に)、今度は自分がいずこにいって、もう一人の自分がコミュニティーにいくのかな? バトンタッチ!みたいな。
 あと、話し合いの様子は、なんかいいふんい気で、リラックスしていた。でも次から次へと話題が移ってしまうので、(言いたいことがみんな多すぎて(笑))深い話し合いがあまりできなかったので、次は課題をしぼって、深い話し合いをしたいです。あ、でも今日のめあては、「1つでも多くしゃべる」だったので、その辺はよかったけど、一つ一つにもっと時間をかけて話し合いたい。次は最後なので、いい話し合いにする。
**********************************



 私だったら、家族や友達からはなれることになり、言いたいことも言えなくなるのは無理。というか、たえられないと思う。そんな中、よくジョーナスは生きていけるよなぁ~なんか尊敬しちゃう。私がもしこの世界のギバーになったら、何をするのだろう? なにができるのだろう? たぶん、少しずつみんなに記憶を伝えて、もとにもどすだろうなぁ~
 これからたぶん、ジョーナスは、いっぺんに世界を変えてくれるのではなくて、少しずつ、もしかしたらゲイブと一緒に、世界を変えてくれるのかもしれない。そして最終的に、ゲイブに記憶を伝える(全部)のではないかな?
 もしかして、この世界には、「死」というものがないのだろうか。リリースされたり、「いずこ」に行ったということは出てくるけれど、「死」という字は全く出てこない。どうして? それに、ふだん使われていない橋は、なんにためにあるの? もしかして、小さいけれど、コミュニティー=国で、橋=国境なのか? それにふだん使われないのにあるのって、経済的に不安定にならないの? あっ…そう言えば、「お金」そのものがないんだった。
 話し合ったら、だんだんよくわからなくなってきた。前話したことから、またちがうことになってきた。本当にリリースって殺すことなのだろうか。それとも、少し『言い方』と『印象』が違うだけで、「リリース」はいずこと一緒なのだろうか。『死』っていう言葉が全く出てこないのは、ある意味おかしいと思う。
 コミュニティーにもいろいろな種類?があるのかもしれないけど、いったいいくつあるのか、そして、それぞれのコミュニティーに、1人ずつギバーはいるのだろうか?(記憶で頭がパンクしない?) 記憶を伝えることが本当に大切なこと? みんなで記憶を伝えれば、分け合えば、もっと楽にはならないのか、現在とギバーの世界でいいところも悪いところもあるけれど、「どっちが幸せ」なのだろうか。次で最後だから、じっくり考えたい。自由とか、幸せとか、愛とか本当に必要じゃないの? 失敗は失敗で別にいいと思う。世界と変えるのも、本気でやれば少しずつ変えられると思う。

**********************************
  


 ジョーナスはかわいそう。1人になってしまいそうになっている。こっちの世界(今、自分たちの世界)を知っている人と、知らない人では、やっぱり話がかみあわないから、友達がどんどん離れていってる。みんなに尊敬されるかわりに、だんだんと孤独になっていく仕事なんて、なんか残こくだなぁと思った。
 ジョーナスはついに戦争などのつらい記憶を見たけど、ローズマリーのようなことにはならなさそうだったから、強いなぁと思った。今回のところは、知りたいこと(リリースとか、いずことか)がわかりそうでわからない、じれったい?内容だった。
 今回はそんなに疑問は出てこなかった。
・リリースって?
・いずこってどこ?
・なぜ画一化してしまったの?
・ジョーナスは画一化を直すことができるの?
・ゲイブの力は、ジョーナスと似てる?
・将来この世界はどうなっているの?

これから、ゲイブがジョーナスの記憶を受けついで、ゲイブは将来の、記憶を伝える者になると思う。ジョーナスは、やっぱり色とか動物とかが必要だと思っているから、ギバーと(将来の)ゲイブと一緒に、この世界を変えると思う。そうなったら、リリースやいずこに行った人も帰ってくると思う。

※残念ながらこの児童は風邪で話し合いは欠席でした。なので、振り返りはありません。

**********************************


以上です。最終回はもうすでに終わっています。
最後も凄いことになっていますので、乞うご期待!!

2009年11月19日木曜日

「者」以外のタイトルを !!

    岩崎さんからメールを下に貼り付けます。


ベストな名前を思いついてから送信しようと思いましたが、思いついたものから、お伝えしてしまうことにいたします。

「者」という言葉が固い印象を与える気がして、それ以外のものを挙げてみます。

『The Giver -記憶がつながる物語』
『The Giver -つながる記憶の物語』
『The Giver -記憶はつながっている』
『The Giver -つながる記憶の真相』
『The Giver -つながる記憶の真実』
『The Giver -つながる記憶の世界』
『The Giver -世の中の記憶』
『The Giver -記憶の伝道師』
『The Giver -思い出の正体』
『The Giver -生き続ける記憶』
『The Giver -記憶は生き続ける』
『The Giver -消えることのない記憶』
『The Giver -消えない記憶』

この中では、一番最後の『The Giver -消えない記憶』が良いかと思っています。

2009年11月18日水曜日

私のタイトル案

 うまく書き込みができない、ということでakkrさんからもらったメールを以下に貼り付けます。


初めてこの本を読んだときに、「人間は考えることをやめたときに、ここまで残酷になれる」ということが強く印象に残り、怖いぐらいでした。

このブログ右側にある「訳稿サンプル」の中に、その、私には一番印象に残っている場面がありました。このサンプルの中では、19~25ページ、(19章途中から)という箇所です。

「こだわり」のタイトル、難しいですが、上の印象が強い私には「記憶」ということばが、ピンとこなくて、『ザ・ギヴァー 唯ひとりの考える者』です。

2009年11月17日火曜日

大切な本のタイトル・コンテスト 

「タイトル」は、読み手が手にとって見たとき、買うか買わないかに関わる大切な部分の一つです。

ぜひ皆さんの“こだわり”のタイトルを教えて下さい。

少なくとも、講談社の前のタイトル(『ザ・ギバー -記憶を伝える者』)はナシですね。

たとえば、案としては以下のようなものがありえると思います。


The Giver -記憶を伝える者』
The Giver -記憶を受け継ぐ者』
The Giver -記憶を注がれる者』
The Giver -記憶を注ぐ者』
The Giver -記憶をつなぐ者』
『GIVER -記憶を注ぐ者』
『GIVER -記憶を注がれる者』
『ギヴァー  -記憶を注ぐ者』
『ギヴァー  -記憶を注がれる者』
『ギバー   -記憶を注ぐ者』

コメント欄に、ドシドシ書き込んでください!!

2009年11月3日火曜日

小6のブッククラブ2回目

KAIです。
新さん、ブック・クラブの説明ありがとうございました。
確かに、意味分かんない人がいましたよね。
みなさん、すみませんでした。

新さんの説明の通り、あのような形でブック・クラブを進めています。
小学6年生が、「ザ・ギバー」にあと6冊の本、
全部で7冊の本を8チームに分かれて読み進めています。

水曜日にブック・クラブ2回目の話し合いがありました。
「ザ・ギバー」の子供たちの記録は4回分しっかりととっていきます。
アイフォンで録音もしてあります。
でもどうやってここにのっけたらいいかわかりません。
(実はまだ初期設定のまんま)

2回目は142ページまで読んでいます。では読みと振り返りです。
順番は前回と同じにしてあります(上からABCDの順)ので変容が分かると思います。

**********************************

 私は前回、ジョーナスはザ・ギバー(記憶を伝える者)に任命されるんじゃないか?と言っていたら、ほんとうにその通りになって驚いた!!あと、話し合いの中で出た意見で当たっているものがあった。それは、「このジョーナスたちが住んでいる世界は、今の人類の未来の世界だ」ということ。今はまだ色のあった世界で、きっと未来には<画一化>されて、色がなくなってしまうというということだと思う。もし本当に未来に<画一化>が起きて、色がなくなったら、すごく怖い。絶対ヤダ。 
 今回、全体の話し合いとしては、良かったと思う。目標としていた、深イイ話し合い(?)ができたと思う。今回特に話題になったテーマは、「色がない」っていういうことと、「この世界は何?」、「ここに住んでいるのは何者?」っていうことだった。色がないっていうのは白黒でもないし、きっと透明なんだろうとは思ったけど、透明なんだったら、なんで物が見えるののかが分からなかった。でも、そこにそこに住んでいる人(?)が透明なんだったら、人間じゃないじゃん!ってことになる。
 みんなで考えたのは、ここは今のような色のある時代だったけど、人間が世界で手に負えなくなって、もうどうすることもできなくなったから、<画一化>を行って、人類を強制して、”ちがい”を無くしたということだった。そんで、その後、きっとジョーナスは、この世界を変えようと決心して、自分の権力で世界を変えてくれる!と思う。だって、そうしないと物語としてもならないし、きっと<画一化>を取り消して、色が生まれたんだと思う。(1からやり直した)
 今回もいい話し合いができた! 

**********************************

 Qどうしてこんな世界にしてしまったの?
    →世界を平和にしようと、間違ったものを選んでしまった。
 Qなぜ記憶を伝えているの?
    →色や雪のようなすばらしいものを忘れないように。
     (でも忘れたくないんだったら捨てるなって感じ…)
 Q本当の幸せとは?  
    →自由とか、自分らしく生きることが幸せなのかなぁ?  

 よくわからないけれど、うちはこの世界は幸せとは言えないと思う。みんなが人それぞれ個性とか自分らしさとか持ってていい。あ、でも、悪いことする人はいやだしなぁ…
 この前、うちが「これは人類の未来の姿」って言ったのは合ってるんじゃない?!だって、捨てたなら、象とかくまを知らない(っていうか、かくうの物?だと思ってる)のも説明できるし。
 たぶん、これからつらい記憶とかを伝えられて、イヤになってくる。戦争のこととか… あ!クエスチョナーでやった、「なぜ記憶を伝えている?」って、私たちが歴史を学んでいる理由と一緒なのかな?同じあやまちをくり返さないために。
 今日の目標は、「深イイ話し合いをする」だった。この目標はけっこう達成できていたと思う。あと、すごく楽しいふんい気でリラックスしてしゃべれていたのでよかった。
 話し合いの内容は、「どうしてこんな世界になってしまったの?」とか、「幸せってなんだろう?」とかいろいろしゃべった。
 「どうしてこんな世界になってしまったか?」は、人がおさえつけられないくらい悪になっちゃって、それをおさえるため?。でも、色とか日差しをなくす意味が分かんない。それはあってもいいじゃん。
 あと。「本当の幸せ」は自由なのかなぁー?とみんな言ってた。でも、今私たちが住んでいる世界は自由だけど、犯罪とかいじめとかあるし、でもだからと言って、服従させられるのはいやだ。でも、うちだったら、犯罪があっても、自由に生きられる、色とかある今の世界がいい。犯罪とかは…しかたないのかな…。止めようとしても止められるものでもないし。あー、だからあんな世界にしちゃったのかな。あと、よく分からないのは、「色のない世界」ってどういうこと?白黒でも「白」と「黒」があるし、とうめい?でもとうめいじゃ見えないじゃん。どういうことだろ?

**********************************

 「雪」が分からない、「虹」も分からない、「そり」も「斜面」も分からないって、いつの時代の話なの? ジョーナスの職業任命はないと予想していて、「当たった!」と思ったけれど、「記憶を伝える者」になったとは・・・。しかも、ザ・ギバーとは記憶を伝える者の意味だったんだー たぶん、ジョーナスはこの世界を変えてくれそう。
 この本のいいところは、ジョーナスの人間性なのかも・・・。 本当に本当にこの世界は幸せなの?〇〇ちゃんが言ってた。「この世界は、今の世界の未来」っていうのは合っていると思う。それに、今のギバーにも名前があったはずなのに、じゃあ、ジョーナスもじきに「ギバー」になるから、名前がなくなるってこと?
 私たちの今の世界から見たら「未来?」の世界はおかしいけど、じゃあ、その未来の世界から見たら、今の世界はおかしくはないの? ジョーナスはきっと世界を元に戻して変えてくれると思う。色もない(じゃあ、透明なの?見えないんじゃないの?)、個性もない(個性がないならおかしいとしか言えない)雪も、日差しもないなら、天候コントロールでなくしたなら、いつも世界は暗いの?明るいの?透明なら人間も見えないんじゃない?その前にこれは人間なの?生き物だけど何なの?体はおかしくならないの?

**********************************

 なんと!ジョーナスが<記憶を受けつぐ者>になった! 重要な役割につくと思っていたから予想は当たったと思う。今の<記憶を受けつぐ者>に出会って、つらい修行を受けて、コミュニティーの悪いところ(裏側?)が見えてくる。赤色とか雪とか、自分たちの世界にはあるのに、ジョーナスの世界にはなくて、やっぱりこの世界はおかしいと気付いてくれたからうれしかった。
 雪のところは本当に楽しそうな様子が思い浮かんだ。だからやってみたくなった。やってみたくなったのは、作家の技かなぁーと思った。
 すごく?がいっぱいになった。ジョーナスが雪を知らないときは本当にびっくりした。私は、現実?(自分たちの世界)とコミュニティーの世界は、記憶を受けつぐ者でつながってるんじゃないの?と思った。記憶を受けつぐ者は、スピーカーを切るほどの権力しかもってないような気がして。そんな小さな権力が目立ってないような…? でもそうだった。だんだん権力が弱まっているみたいだった。あと、記憶を伝えると軽くなって、もらう人は重くなる?どういうこと?と思った。
 だんだんこの世界のことがわかってきたので、予想屋はやりやすかった。私は、記憶はこっちの世界の記憶のことで、それはすーごい過去(今でいう縄文みたいな)の記憶で、それを伝える仕事。(何のためかはわからないけれど)で、「いずこ」や「リリース」は、こっちの世界の動物や植物になるんじゃないかなぁーって思った。そのタイムマシンみたいなものの役割だからつかれるのかなぁーと思った。ジョーナスはコミュニティーの世界に不快感?違和感を感じているから、ジョーナスはこの世界を、雪や赤色がある世界にもどしていくと思う。早く本当の事が知りたい!
 今回は、クエスチョナー中心の話し合いだった。なんとなーく本の中ではこの世界のことがわかったような気がしたけど、話し合ってみると、すごいたくさん疑問が出てきて、まだまだ謎が多いなぁーと思った。

 ・なぜ記憶を伝える者が存在するの?
 ・なぜ色をなくしてしまったの?それってどういう世界?
 ・今の世界は平和そうだけど、ちがう。じゃあ、本当の「幸せ」とか「平和」って何?
 ・作者はこの本で何を伝えたかったの?

などなど。深いなぁ…と思う質問がたくさんでてきた。どれも難しいなぁと思った。
 今の世界が幸せじゃないことは分かっている。でも、この世界ができた原因?というか理由は、平和で、平等で、幸せな「画一化」した社会をつくろう!っていうことでつくられた世界なだけで、なんか、それをつきつめてつきつめてつきつめた結果が、今のこの世界じゃないのかなぁと思う。だったら、今私たちが住んでいる世界は、TVとか(CMとか本とかいろいろ…)で、「平和な社会を」とか「みんな平等に」とか言ってるけど、それを本当に実現してみたら、本当に、本当に、幸せな世界や社会になるの?私たちは、平和、平和、平等、平等、幸せ、幸せって言ってるけど、そうなった世界(どうなるか)っていうのをちゃんと考えているの?その先をちゃんと考えているの?本当の幸せなの?ってことを作者は伝えたかったんだと思う。(まだ全部読んでないけど)

**********************************

うーむ…深い…
だれか世の大人たちよ、
最後の子の最後の文章に答えなくては。
世の中の矛盾を見事についていますね。


さてこの子たち、これからどうなるのでしょう?
本を読むことは、まさに新しい考え方、見方、生き方、価値観を創造することです。
私たちが本を読むときに普段やっていることでもあります。
いろいろなことの 成長期にある子供たちにこそこういう経験は必要だと思うのですが、
教科書教材ではなかなかここまでは難しいし、
今までの教え方じゃこれもなかなか難しい。
ブック・クラブを含むリーディング・ワークショップはそれを可能にしてくれると信じています。
まだまだ実践してほんのちょっとですが手応えは十分に感じています。
素晴らしい読み手を育てるために日々精進します。

2009年11月2日月曜日

伝承のありかた

 はじめまして!兵庫教育大学大学院/シチズンシップ共育企画の三浦といいます。(来年から兵庫県で小学校の先生です。先輩方よろしくお願いします)吉田さんからいただいた新訳『ギヴァー 記憶を注ぐ者』(訳:島津やよい)を読みました。この度吉田さんから案内をいただき本プロジェクトに参加させてもらうことになりました。よろしくお願いします。

 読み始めたときは、ジョージ・オーウェル『1984』を彷彿させる管理/監視社会の様子が淡々と描き出されるところから物語は始まります。(内容がわかるといけないのでこれ以上中身にはふれません。)

 以前は別の翻訳でユース向けの書籍として以前販売されていたようですが、それはこの本の内容に即していうと、子ども(レシーヴァ-/受け取る者)のみを対象としていたということになります。「それだけではもったいない!」と本書を読んでみて思います。この本の醍醐味は子ども(レシーヴァ-/受け取る者)と大人(ギヴァー/記憶を注ぐ者)の間の(時には危険な)伝承のあり方にあるのですから。

 大人と子どもがそれぞれ読んで、大人の立場から、子どもの立場から議論したくなるようなテーマだと思うし、大人と子どもの真剣な議論に耐えうる物語の重厚性を感じました。

 歴史を知ることや、真実を伝えること、言葉の実を実感すること。それはときには苦痛を伴う。またそれは大人が一方的に決めるものではないし、子どもが勝手に選ぶものではない。そこで双方がどのような判断を下すか。そのような社会の中では見えにくい<掟>を我がこととして捉える/直視するための最適の一冊です。

ブログ「岩美という方法」
http://iwami.blog.drecom.jp/

三浦一郎twitter:
http://twitter.com/ichiromiu
→ハッシュタグ#giver で「ギヴァー」関連記事検索できます。

2009年11月1日日曜日

ブッククラブとは...



10月29日にKAIさんが紹介してくれた『ザ・ギバー』を使った「ブック・クラブ」というとても効果的な方法について簡単に説明します。一人で読むよりも、数倍広く、深く読めることになります。(もちろん、深さと広がりのある本を対象にすることが前提ですが。) 

大人がする時は、①読む本を決める、②あらかじめそれを読んでくる(メモをとったり、付箋を貼る形で、何について話したいかの準備をする)、③当日は、メモや付箋を基にしながら、本について話し合う(楽しむことが大切。そうでないと続かないので。)④当日の最後には、各自が持ち寄った次回(1ヵ月後)の本の候補を出し合い、何を読んでくるか決める。
 以上は、オーソドックスな毎月一回行なれるブック・クラブの流れですが、本を一章ずつ毎週読んでいく方法(やり取りはメールで)などもあり得ます。

 子どもたちが教室でする場合は、以下のような流れで行ないます。
     子どもたちは自分たちで読みたい本を選ぶ。(教師が事前に選択した中から選ぶことが多い。)
     選んだ本でグループを作る。(従って、異なるグループは異なる本を読む。)
     各グループは計画を立てて読み進み、自分たちの本について話し合う。(子どもたちが読む時には事前に準備をし、それに基づいて話し合う。読むスピードを決めて読み進んでいくので、速い子たちは他の本も同時に読むことになる。)
     実際に何を、どう話し合うかは子どもたちが決める。(話し合いはいい雰囲気の中で、プラス思考で行なわれる。子どもたちは毎回、話した内容とプロセスについての振り返り、よりよい話し合いを目指す。)
     教師は参加者としてではなく、ファシリテーター/観察者として存在する。
     評価は、教師の観察と子どもたちの自己評価(振り返り)で行なわれる。
     学ぼうとする積極的な態度と同時に、楽しもうとする態度が大切。
     読み終わったら、自分たちが読んだ本を全体に紹介し、新しい本を選ぶ形で新しいグループが形成される。

『ザ・ギバー』は、小~大学生が対象のときは、ぜひこの方法を試していただきたいです。