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2012年9月18日火曜日

『ギヴァー』と関連のある本 85


 しばらくぶりの「関連のある本」です。

 研修会の参加者から『海にはワニがいる』ファビオ・ジェーダ著を紹介してもらい、そのつながりで読んだのが『脱出記』スラヴォミール・ラウイッツ著です。

 『海にはワニがいる』の中で、主人公のエナヤットは、10歳の頃にお母さんが本国のアフガニスタンからパスキスタンに逃してくれ(そんなことをされたこと自体、お母さんがいつの間にか姉と弟の待つ本国に帰ってしまってから気づいたのですが)、その後パキスタンとイランで数年働いた末に、イタリアに行くまでの全長5000キロ以上の旅を語っています。著者は、それを聞き書きしたイタリア人。

 一方、『脱出記』は著者が、第二次世界大戦が始まる前の1939年、無実の罪で25年間の強制労働の刑が下され/シベリアの強制収容所に流され、そこから7人の仲間と脱出して、インドまでを歩ききる実話です。距離にして、極寒のシベリア、ゴビ砂漠、そしてヒマラヤ山脈という難所越えを含めた約6400キロ。(こちらは、有名なジャーナリストのロナルド・ダイニングが聞き書きしたもの。初版は、1956年。)
  過酷な状況の中で、笑いとユーモアの大切さが心に残ります。もちろん、自分(たち)を信じることも。★
 2010年に「ウェイバック」のタイトルで映画化されています。

 両方とも、自由を求めた過酷な旅です。


★ ここまで書くと、あの有名なヴィクトール・E・フランクルの『夜と霧』も思い出さざるを得ません。

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