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2014年9月1日月曜日

『華氏451度』 ②



 前回の続きです。

 薬  人間の動物的な自然な「欲」と薬

薬で促さないと自然体では欲が薄くなってしまった世界『華氏451度』

 『華氏451度』では、モンターグの妻、ミルドレッドが睡眠薬を常用しています。さらに、物事をすぐに忘れてしまうミルドレッドが、睡眠剤一瓶(30錠)を全て飲み干してしまったらしく、モンターグは慌てて緊急病院に電話。そして訪れたのは、「作業員」

 白衣の男は、全くの無関心で、機械を操作している。特殊の光学帽をかぶり、胃液を吸い上げては、患者の内奥をのぞきこむ。<眼>に何が映ったか?白衣 の男は何も言わない。見てはいるはずだが、<眼>が見ているものを、彼は見ていないのだ。(もう一つの機械は)患者の体液を残らず吸い上げ、新しい血 液に置き換える。
 モンターグ「君たち二人とも、医者ではないようだな。緊急病院は、なぜ医者をよこさなかった?」
 作業員「冗談じゃありませんぜ」「われわれはこんな患者を一晩に、九人から十人は扱っているんでさ。」
 モンターグ「なにもかも、わからなくなった。」彼もまた、睡眠剤を一錠、舌の上にのせて、溶けるのを待った。

 睡眠剤は、「幸せな眠り」「安穏の中の眠り」(睡眠欲)を忘れてしまった人々を「眠り」へと引きずり込んでくれる。

人間の「欲」を薬で無理矢理抑える世界『ギヴァー』

 『ギヴァー』では、性欲を薬で抑えていた。ジョナスが「熱望」と表現し、両親に「高揚」と言い換えられた


 この世界はおかしい!と気づく(視野が広がる)きっかけ

『華氏451度』
 クラリス「あんたは幸福なの?」
 モンターグ「幸福かだって?ばかばかしい!」 かれは笑うのをやめた。

 フェイバー「なぜ書物は重要であるか、その理由をご存知かな?そこにはものの本質が示されておるのです。われわれがものの本質を知らなくなってから久しい。では、本質とは何か。それはものの核心を意味する。」

『ギヴァー』
 ジョナスが<レシーバー>に任命される。
 ジョナスが色の認識を取り戻す。
 ギヴァー「われわれは多くのものを制御することに成功した。しかしその代償に、別のものを捨てざるを得なかったのだ。」
 「捨てちゃいけなかったんだ!」ジョナスはひつうな声で叫んだ。

とここまで両書を読み返して
『ギヴァー』も書物は市民には禁じられていたことに気がついた。

なんて似ているんだろう。
最後は違うコミュニティに逃げ込むところまで似てる。
まだまだあるけど、きりがないからやめます。
さらに、『ギャザリング・ブルー』にもかかわってくるし
でも『ギャザリング・ブルー』も再読したくなりました。

               『八つの息』ギムホンソック

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