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2021年2月3日水曜日

『とんでいった ふうせんは』

書いた人=ジェシー・オリベロス

描いた人=ダナ・ウルエコッテ

訳した人=落合恵子

 

 普通の人が読んだら、これは認知症を扱ったテーマの本だと思うことでしょう。訳者の落合さんも、あとがきで、そのことを明確に書いているぐらいです。それ以外の読み方はあり得ないぐらいかもしれません。(『ギヴァー』の作者のロイス・ローリー自身も、両親二人を老人ホームに住んでいて、過去の記憶をほとんど失っている体は元気な父親と、体は弱って動けないにもかかわらず過去の記憶はしっかりしている母親と接するなかで、本の構想を描いていったと言っていました!)

 しかし、ギヴァーに入れ込んでいる私は、記憶のテーマのウェートが大きくて、認知症は二の次でした。

この絵本では、よい思い出(記憶)を風船に例えています。

悪い思い出(記憶)は排除されています。

人間、記憶しているのはよい思い出ばかりでしょうか?

ギヴァーがジョナスに挿入していくのは、両方の記憶でした。

 

 『とんでいった ふうせんは』と一緒に読んだ『フォックスさんのにわ』(書いた人=ブライアン・リーズ、描いた人=、訳した人=せなあいこ)も、記憶がテーマといえる絵本です。フォックスさんはキツネですが、犬といるときは元気に庭いじりをしていたのに、犬が死んでしまったら、人が変わってしまい、何もせずに家に引きこもってしまったのです。それがひょんなことから、ふたたび新しい犬と出会うまでのお話です。

 

 う~ん、記憶、奥が深いです。一筋縄にはいかない!



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