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2010年3月3日水曜日

『ギヴァー』と関連のある本 15

今日紹介する本は、長谷川眞理子著の『生き物をめぐる4つの「なぜ」』(集英社新書)です。

ラジオ番組で、長谷川さんがダーウィンのことを紹介していて、『ダーウィンの足跡を訪ねて』を図書館から借りてきたのがきっかけです。

前者の「まえがき」で、長谷川さんは以下のように書いています。

 私は生き物が大好きで、これまで、動物の行動の研究をしてきました。でも、小さいころから生き物が好きでも、「生物学」というのは、長らくおもしろくない学問だと思っていました。なにしろ、動物や植物の各部の名前、消化酵素の名前、体内での反応の名前、細胞の中の微細な構造の名前、神経系の名前、地球上の各地の生態系の名前・・・名前、名前、名前ばっかり、覚えることばっかりです! この感じは、今でも少しも変わらないようで、高校生の多くは、生物は暗記科目と思っています。
 進化は、私たちが生き物に対して抱く「なぜ?」という疑問に答えてくれるのです。高校までの生物の教科書に決定的に欠けているのは、この「なぜ?」という疑問ではないでしょうか。教科書のどこを見ても、なぜそうなっているのだろう? という根本的な疑問に答えてくれる記述はありません。「こうなっている」という記述があるのみです。そういうわけで、生物学は様々な名称の羅列となり、全体を貫く理論のない、単なる暗記科目と思えてしまうのです。
 実際、生き物を見ていると、「なぜ?」という疑問が限りなく湧いてきます。


確か、『ギヴァー』が描かれているコミュニティは生き物がいなくなっていた世界でした。

そして、私たちも小学校から「なぜ?」なしの「正解」だけの授業を理科に限らず、ほとんどすべての教科で教えられ続けますから、疑問・質問がもてなくなってしまいます。

こんなことをしていていいんでしょうか?

「長老」たち★に改善を任せても何も変わらないことは、『ギヴァー』の中でも明らかですから、ジョナスのように気がついた人、一人ひとりが行動を起こさない限りは私たちの世界でも何も変わらないことは明白のようです。

★ 私たちの社会で「長老」たちに相当するのは、誰でしょうか?

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