それは、『北の国から』と『歸國』です。 両方とも、倉本聰の代表作です。
共通点は、いまの日本のあり方をいろいろな角度から問うていること。
前者は、高度成長も終わり安定期に入り、豊かさを享受する日本社会(倉本さん流に言えば「使い捨て社会」と「家族の絆を失った社会」)に対して「ほんとうに今のままでいいんですか?」と問いかける内容です。
後者は、60数年前に南方の海で散った日本兵たちが、8月15日の深夜に東京駅に到着し、短い時間東京や自分が知っている人たちの今を見て、南方で散った戦友たちに今の日本を伝えるという内容。★
「『北の国から』放映30周年記念特別番組 今、五郎の生き方 ~2011夏 倉本聰~ 」の中で、富良野塾の元塾生たち(9人)に、①原発前の不便な状況に戻る覚悟があるか、あるいは②原発事故の危険を受け入れる覚悟があるかと、投げかけました。元塾生たちは富良野塾での2年間の不便な生活体験をもっているので、全員①を選択しました。
同じ質問をある町の講演会でしたところ、年齢が上の世代の人たちは約9割が①を、しかし高校生たちは約7割が②を選択したそうです。不便な生活体験をもっているか否かが大きな選択の分かれ目になっていたわけです。
当たり前と思い込んでいるものが、本当に当たり前なのかどうかを考え続け(そして、その判断にもとづいて行動す)ること が、自分のため、家族のため、社会のため、地球のために求められている思います。ジョナスや黒板五郎さんがしたように。
★ 『歸國』は過去数年毎年夏(?)に上演されているらしいのですが、今年は東日本大震災の地震や津波と東電の原発事故を見ている人たちがお客さんなので、それを意識した演出になっている(いた)とのことです。
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