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2011年10月13日木曜日

過去、現在、そして未来

 前回に引き続いて、Doing History連載第2回目です。

 今日は、「過去、現在、そして未来」というタイトルのついた第1章。

1 connects to the present ← 現在とのつながりこそが大切
 we are still in the middle of the story. ← 「私たちはいままさに物語の真っ只中にいる」という感覚の大切さ!
 History forces us to consider what it means to be a participant in this human drama ← 歴史は、人間ドラマの中で参加者であることはどういうことかを考えさせてくれるもの。これを放棄している『ギヴァー』の社会、そして、とても弱い日本社会。

2 4つのスタンスの紹介
  ① Identification involves looking for connections b/w present and past.
  ② Moral responses to history involve judgments about the people and events of the past.
  ③ Historical analysis involves identifying patterns or examining causes and consequences of events.
  ④ Exhibition involves the display of historical information, whether in school or out.
 → 日本の歴史教育には、すべてが欠けているというか、とても弱い気がします。

2 History helps us picture possible futures. → 歴史が未来を描き出してくれる。

3 Shifting the focus of the history curriculum to a pluralist perspective presents a more inclusive and authentic vision of the futures available to all students. → 多様な視点で見られるようになることこそが、真の未来のビジョンにつながる。以下の5つの特徴も、日本の歴史教育では押さえられていないと思います。
  - Focus on enduring human dilemmas
  - Focus on human agency
  - Focus on subjecting interpretations to scrutiny and skepticism
  - Connect to the microlevel
  - Connect to the macrolevel

3 History is about significant themes and questions. → 価値のあるテーマと質問こそが歴史である!
 If history helps us think about who we are and to picture possible futures, → 歴史は、自分たちが何であるか、そしてどこに向かっているのかを教えてくれる。単に年号を覚えたり、時代の流れを理解するだけではダメ!! 基礎・基本の後に、応用というアプローチもダメ。自分たちの役割を感じられないようなものではダメ。学校の歴史は、幅の狭い解釈/視点しか提供していない。
 その代わりに、we need a vibrant history curriculum that engages children in investigating significant themes and questions, with people, their values, and the choices they make as the central focus.

4 engage students I thinking about who they are, where they came from, and where they might go in the future. → 私たちがどんな者であり、どこから来、そしてどこに向かっているのかということに取り組ませる。
 History is Interpretive. No historical account can be entirely objective….history is always someone’s history. → 歴史は解釈でなりなっている。客観的な解釈は不可能。歴史は常に誰かの歴史であり続ける。
  If our students are to be visible – able to see themselves as participants in the ongoing drama of history – then we have to rethink the ways in which we conceive of history.
  - Begins with the assumption of a pluralist society. → 社会は多様であること。
  - Recognize that no single story can possibly be our story. → 一つの物語がすべてを言い表すころはできないこと。
  - Remember that history is alive, constantly changing as we speak and act. → 歴史は生きていて、私たちが話したり、行動したりすることで常に変化していくこと。
→ この辺のことは、『ギヴァー』の中で、ジョナスがとったアクションに通じると思われませんか?

5 単なる年譜じゃない! 関連を表すストーリーとして表現される。

6 羅生門現象 ~ 誰の視点で語られているのか
  だからと言って、すべての解釈がいいとか、正しいと言っているのではない。
  確実に言えることは、教科書の解釈はあまりにも狭すぎるということ。
  歴史は、極めて政治的!
  当然の如く、国益/国家史観の観点から書かれている。時の権力者の視点で書かれた歴史を参考にして書かれている文献中心主義の歴史。

7 あくまでもhistory(彼の物語)であって、herstory(彼女の物語)ではない。
  誰が書いたのか、誰/何については書いていないのか?
  Interpretation is an inseparable part of historical understanding. → 解釈と理解は切り離せない。
  歴史は、とてもcontroversial矛盾をはらんだもの。

8 Attempts to tell a more inclusive story of history are met with fierce resistance. → 多様な視点(あるいは、異なる視点)を入れようとする、とても大きな抵抗にあう。それが、固定的な見方に埋没してしまう理由。
 歴史教育の目的 → 目的をしっかり持つことが大切 (どの教科にも言えること)
 ・ The purpose is to prepare students for participation in a pluralist democracy.民主的な社会への参加を可能にすることが目的。
 ・ 実際に参加すること
 ・ より多くの人にとっていいこと

 3つのより具体的な目標:
 ・ The study of history can give students experience reaching conclusions based on evidence. 証拠にもとづく結論を導く練習
 ・ The study of history can engage students in deliberations over the common good. これは、どう解釈したらいいんでしょう??
 ・ The study of history can help students understand perspectives different than their own. 異なる視点の理解

10 要するには、正解のないアプローチ。一つ(ないし狭い)見方しか提示していない教科書を使わないアプローチ ~ あるいは、たくさんの資料のうちの一部に位置づけるアプローチ 一つの見方しか提供できない教科書は、他のたくさんの資料の中の一つとして扱う必要がある/扱わなければならない。

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