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2013年2月11日月曜日

続『リキシャ・ガール』


 先日紹介した『リキシャ・ガール』ですが、リキシャは人力車のことです。今は観光地でしか走っていません。明治の初めに普及しましたが、それがアジアに広がっていったのです。

 タイトルは、そのリキシャになっていますが、この物語の背景には、バングラデシュやインドなどの女性を中心にお金を貸し付けるマイクロファイナンス(マイクロクレジットともいう)という制度があります。

 これは、1970年代の終わりぐらいから、途上国の貧しい人たちを助ける一つの方法として考えられました。それまでは、どちらかといえば援助を与える方法が中心だったのですが、それではいっこうに状況がよくなりませんでした。主体性をもってもらわないとまずいということで、いろいろ試された中の一つです。

 これは、主に女性たちを対象にしていることも特徴の一つですし、援助(施し)ではなく、あくまでも「貸し付け」であるのもポイントです。従って、返済しなければなりませんから、責任を伴います。あくまでもビジネスなのです。それに耐えうるのは、男性よりも女性の方が、返済確率がはるかに高いということが実験の結果からも明らかになりました。

 主人公のナイマが出会ったリキシャ修理店の女主人は、その融資を受けて、お父さんの店を再建したのです。そして、ナイマは女性にも仕事ができることに気づけたのです。

 習慣の中には、大切なこともあります。しかし、一方で私たちを縛り続けるものもあります。習慣だからと、間に受けて、そのままやり続けるのではなく、しっかり考えて、いいことはいいでやり続け、改善できるものは改善していく。それが、人間が長年やり続けてきたことのような気がします。それなくして、進歩はありませんから。

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